自分の好きなこと
0を1にするのが苦手だと気付いたのは人生のかなり早い段階だった。
小学校、中学校と読書感想文コンクールで市内で入賞や佳作に選ばれ、私は自分は文章が上手いのだと思っていた。
国語の読解問題お決まりの「作者の気持ちを答えよ」にクラスでただ一人だけ完全回答を出したと褒められたりして、有頂天になっていた。
だがふと気づいた。
読書感想文で入賞はしても、作文は入賞しない。
そうだ、私は何かを自由に創造するのが苦手だ。
今はやりのどうぶつの森でもそうだ。
「家のレイアウトはあのドラマの主人公の部屋みたいにしよう」と、ありものの家具や小道具で模倣はできても、無人島ひとつポンと渡されて「島を好きに飾りつけねて」と言われると、途端に何をしていいのかわからなくなる。
リアクションはできても、アクションができないのだ。
テーマが欲しい。指針がほしい。
そう思ってしまう。
物事の大切な土台、肝心の主軸を、自分以外に委ねてしまいたくなるのだ。
この、何もない自分がいやで、コンプレックスだった。
けれど。
文章を書くのは好きだ。
何か好きなことに対してひたむきに感情をぶつけることが好きだ。
だから、noteに書いてみようと思う。
何気ないことを。アクションにもならない小さな、けれど、ただ好きなことを。
最初の記事として書き上げたものも決して自分から湧き上がってきたものではない。好きな俳優さんについてを書いたものだ。
けれども、書いている間は楽しかった。
書き上げた達成感もあった。イイネがついて嬉しかった。キナリ杯にも応募した。
noteは私が好きに書くノート。
自由に創造することが苦手だけれど、文章が好きだから、好きに、書くことにする。
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