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フィルムカメラでは、英語ができない日本人には想像力が働かない。

前回の薄膜フィルム暗箱カメラの話

暗箱カメラは光を通す穴が鋲孔ピンホール(びょうこう:私案造語)から硝子ガラスレンズ(レンズ豆の形が由来)に変わり、像を映す紙面は光に反応する物質を塗った硝子板に変わった。この板に白黒の像を映し撮る。この段階では、白黒逆転した陰画ネガである。これを薬品処理して、通常の白黒陰影である陽画ポジに変える。これがフランスで発明された暗箱カメラの原型である。光が当たると黒くなる感光物質を塗って、濡れた状態で映して処理したので湿式暗箱と言われる。

湿式暗箱は硝子板の上に像を映したので、一枚限りの物であった。後に湿式の硝子板の代わりに、セルロイドと言う合成樹脂の膜を使った暗箱が薄膜フィルムカメラになる。セルロイド薄膜フィルムは光を通すので、陰画ネガ像を印画紙と言う光に反応する紙の上に投射して陽画ポジ像を写した。写真の出来上がりである。セルロイドは乾いているので乾式と言われた。

印画紙を変えれば何枚も複写できた。暗箱は写真機と言われるようになった。後にセルロイドは扱いやすい可逆性膜プラステック(フィルム)に取って代わった。超簡単だが、これが薄膜写真機フィルムカメラの発達史である。

チェキという世界の若者に人気が出ている写真機は、湿式の一点撮りを特殊な印画紙に応用したものだ。この手法は米国のポラロイド社(後に倒産)が開発したので、この写真をポラロイドと言った。しかし、これからはチェキと言うようになるだろう。

片仮名英語の話だが、フィルムカメラでは何するのか馬鹿覚えする必要がある。薄膜写真機だと、常用漢字が分る人なら大体の見当は付く。片仮名英語は類推能力を著しく低下させる。

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