見出し画像

マネーフォワードのBizOps これまでとこれから

この記事はBizOpsアドベントカレンダー 14日目の記事です。 前回は株式会社ログラスのKBYSさんによる「スタートアップのBizOps組織、1年かけて気づいた「強い組織」への転換点」でした。

BizOps Advent Calendar 2024

はじめに


こんにちは!株式会社マネーフォワードでBizOpsをやっている荒井です。
荒井ってどんな人?なのかは、こちらご覧ください!

マネーフォワードには2019年に入社し、士業様向けの営業推進→新規事業立ち上げ→横断BizOps(現在)と仕事をしてきました。

今回は、マネーフォワードのBizOpsのこれまでとこれからを、「BizOpsって結局何しているのよ?」って人にも伝わるように具体的なお仕事で紹介しようと思います。※5,000文字以上になってしまったのでゆっくりお読みください。
(僕の感想付きです)

【始まり】~2019年:BPR推進部

僕の入社前ではあるので、正確なところは誰かに突っ込んでほしい思いますが、伝聞や過去資料ベースです。

  • 主な仕事

    • Salesforceの管理業務

      • 他SaaSとの連携

      • 項目追加/ プロセスビルダー対応

    • 受注販売プロセスの整理

特に、受注販売プロセスについては、当時の新卒メンバーがあまりにも受注販売プロセスが煩雑で当時のCS本部長を巻き込んでBPR推進部を立ち上げたこともあり、当時のメイン業務だったようです。
僕の元上長であるCS本部長の記事はこちら。

事業成長やお客様への価値提供のために、様々な売り方があり、システム的にも社内的にも無理があるオペレーションも多く、かなり大変だったようです。(※この当時の負債解消をのちにBizOpsとして僕がやるとは思ってませんでした…)
当時営業担当者でバラバラだった見積の仕組みを整えたり、お客様への環境構築依頼のルートを統一したり、今ではBizOpsがやっている業務の始まりです。

すでに整理をしてくれていた2019年の入社時でも「クラウド会計は機能開放定額はあるけど、機能制限定額はないんです。機能制限があるのは特性と呼ばれています。(定額とは言わない)」とある商品を紹介されて「!?(何もわからん…)」僕は事実(カオス)を飲み込んで忘れることを決めたのでした。

【原型】2019~2020年:営業戦略部とBPR推進部

~2019年がどちらかというと守りの業務だとすると、より攻めの事業企画/営業推進の機能が強化されていきました。
イメージとしては、営業担当者の予実管理、KPI策定/集計、営業効率を上げるためのオペレーション構築/ ITツールの活用推進、キャンペーンの企画を行う機能です。
営業戦略機能が強化される中で、僕は営業戦略部に2019年に採用されました。採用してくれた元上長の記事はこちら。

(採用時には「荒井さんは、高校の時、陰キャ、陽キャどちらですか?」と聞かれたのを覚えてますw)。その後、営業戦略部にSales Opsチームを立ち上げました。

  • 主な仕事

    • 営業戦略/営業推進/営業企画

      • Salesforceの活用推進

        • オペレーション構築

      • 予実管理

      • KPI策定と可視化

      • 顧客管理や営業管理の各種BIの作成

      • キャンペーン企画と実行

    • Salesforceの管理業務(BPR)

      • 他SaaSとの連携

      • 項目追加/ プロセスビルダー対応

      • Salesforceの組織移管!

        • ※受注販売プロセスの見直しの中で旧組織はオブジェクト構成上もうダメだ…となりお引越しをするしかなくなってました。

      • 電子契約サービスの導入

元々、提案商品が多かったのですが、2021年からプロダクトが激増し、事業部も増え、プロダクト×事業部の組み合わせで混迷と混乱の時代に突入します。

【混乱】2021年:横断BizOpsの立ち上げ期

新規事業開発でプロダクトの立ち上げを行っていたのですが、プロダクト×事業部で同じSalesforceの環境を利用しているにもかかわらず、統一したオペレーションがほぼ存在せず、誰もそれらをまとめる人が存在しない状態に陥ってました

当時、事業部ごとにKPIカウントするために、同名/同メールアドレスのリードをあえてSalesforce内で重複コピーをするという運用を行っていて、MAは混乱で、事業部でもやり始めたはいいがどのリード情報が正しいのか全く不明になっていました

Salesforceの管理も、プロダクト×事業部のパターン組み合わせで時にはお互いの要望を打消し合う依頼が来る状態に対応していました。何のために作られたのか不明の項目が加速度的に増えていきました…。

マネーフォワードのバックオフィス向けSaaS事業はどのように成長してきたのか?カンパニーCOO竹田×CSO山田対談<後編>から引用

そんな横断課題を解決するために、プロジェクトオーナーに手を挙げたところ、いつの間にか横断BizOps部を立ち上げることになっていました。
事業部が複数立ち上がり、プロダクトは増加していくが、各事業部とプロダクトでオペレーションを整えていく人がおらず…「何でも屋」として日々押し寄せる課題に向き合うことしかできませんでした

  • 主な仕事

    • 横断BizOps

      • ※僕一人+インターン生(後に新卒入社しBizOpsの中核となってくれます)

      • 重複リード撲滅の新オペレーション策定

      • 新プロダクト×事業部のオペレーション何でも屋

        • 営業リスト作成、データ分析、予実管理、BI作成etc.

    • Admin & Improvement(旧BPR)

      • Salesforceの管理業務

        • 他SaaSとの連携

        • 項目追加/ プロセスビルダー対応

事業の手触りも薄ければ、お客様ターゲットも競合も異なるプロダクトへのインプットや、それを推進する事業部事情のインプット、それぞれから降ってくる課題で各タスクのスイッチングコストも高く、ただただ孤独でした(同じ前提知識で課題を理解し合える人がいなかった)…。
また、横断BizOpsがいわゆる企画職で、Admin & Improvement(旧BPR)がSF管理者として部が分かれていたことがのちのち大きな問題に発展します。

【狂騒】2022年:横断BizOps増員とそれを上回る課題

採用活動を行い、メンバーが増えることになりました(本当にありがとうございました)。孤独から解放かと思いきや…「課金基盤」の大改修プロジェクト×事業部のターゲット変更による本部横断の顧客移管プロジェクトが重なります。
誰がオーナーシップを取って推進するのかがふわっとしたプロジェクトがそこにあり、なんとなくで進行していましたが明らかに期限に対して進捗してませんでした。
誰もやらないなら「覚悟を決めてコミットするしかない」と「オーナーシップを取る決意」をしたのを覚えてます。
当時の管掌役員に「サッカーでピッチに立っているなら、ゴールキーパーがゴールを決めてもいい。ビジネスでは監督がピッチに立ってもいい。」(訳:荒井がやらないなら俺がゴールを決める)と発破をかけて(?)もらいました(憤)。

プロダクト開発のオーナーと、各事業部の現場から本部長まで全社を巻き込んだコミュニケーションでした。各プロダクトの課金仕様の棚卸、過去に販売してしまった負債の解消(伏線回収!)、それに伴うSalesforceの改修、販売受注オペレーションの変更を行いました。
約半年のプロジェクトの中で、プロダクト×企画推進×Salesforce管理者×販売受注サポートの4者が密になった(めちゃめちゃ喧嘩しました!!)ことが、現在の協力体制にの礎になりました(雨降って地固まる)。かかわった全ての皆様、本当にありがとうございました!!!

  • 主な仕事

    • BizOps

      • 重複リード撲滅完了

      • 課金基盤改修PJ×顧客移管PJ

      • 新プロダクト×事業部のオペレーション何でも屋

        • データ分析、BI作成、本部間の共通オペレーションの策定etc.

    • Admin & Improvement

      • 課金基盤改修に伴うSalesforce改修

      • 重複リードの撲滅完了

      • Salesforceの管理業務

        • 他SaaSとの連携

        • 項目追加/ プロセスビルダー対応

    • 販売受注サポート

      • ※いわゆる営業サポート

      • 課金基盤改修に伴うオペレーションの刷新と旧オペレーションの切り替え対応

このタイミングから各事業部の中にもオペレーションを考える人(Ops)が必要だという話が進めることができ始め、翌年から事業部内にもOpsが誕生し始めます。
また、横断BizOps本部として、企画推進(BizOps)×Salesforce管理者(Admin & Improvement)×販売受注サポートが一つの本部になりました。

【飛躍】2023年:BizOps部にSFアドミンメンバーがJoin

インボイス制度が施行された年で、マネーフォワード社内オペレーションを対応する必要がありましたが、関連する請求オペレーションは既に限界が来てました。課金基盤改修の影響もあり、2023年9月までに、請求発行ツールのリプレイス(クラウド請求書Plus)×入金消込ツール(V-ONEクラウド)の本格導入×オペレーション変更に伴うSalesforceの大改修×インボイス制度対応を行う必要がありました。

日々の事業部からの課題対応と同時並行で、より複雑で密なシステムをSalesforceに構築していく必要があり、システム構築に明るい人を社内外を隈なく探し続けていました。
その折に加藤さんに入っていただいたのですが、本当に本当に加藤さんに来ていただいたことがとても大きく、感謝を何度しても足りません!!!ありがとうございます!!!

部として分かれていたこともあり、SFアドミンに要求整理されていない依頼が大量に舞い込んでしまう状態になっており、問い合わせを裁くだけで一日が終わるが、その日に来た依頼は対応を先延ばしにしないといけない…終わらない…という状態になってしまってました。
BizOps部にSFアドミンを包含し、同チームとして要求整理の前さばきをする役割分担を取り入れて何とか持ち直すことができました。

請求~入金~消込の全てを洗い出して改修する中で、緻密にプロジェクトマネジメントする必要性や、業務プロセス単位で要求・要件・仕様整理をしてプロジェクトチームを組成する現在の組織の方向性が見てきました。

  • 主な仕事

    • BizOps

      • ★ミッション:Business Operationを洗練させる。

      • プロダクトとCRMのデータパイプラインの確立

      • インボイス制度対応PJ

      • 全社架電ツールのリプレイス

      • 新旧プロダクト×事業部のオペレーション改善

      • 本部間の共通オペレーションの策定と業務改善

      • MAツールの課題しかかり

      • Salesforceの管理業務

        • 他SaaSとの連携

        • 項目追加/ プロセスビルダー対応

    • 販売受注サポート

      • ★ミッション:Revenue Operationを洗練させる。

      • インボイス制度対応PJ

【結実】2024年:同日リリースの大規模3プロジェクトの完遂

The Modelにならった、各事業部を横断して職能単位(マーケ・インサイド・フィールドセールス・サクセス・バックオフィス)で要求・要件・仕様・実装を行うマトリックス組織を組成しました。

特に年内後半はグループジョインないしは、分社化の嵐でしたが短い期間で組織統合をバランスよく(※12連勤のオマケつき)、期始まりに無事リリースすることができました
メンバー一人一人の努力や自律的なプロジェクトマネジメントがありました。かつて一人で始めた時の孤独はもうありませんでしたともに課題解決に向かい、さらなるお客様への価値提供に一緒に向かい合う仲間がそろったと宣言できます。このプロジェクトに果敢にチャレンジしてくれたメンバーには本当に感謝しています。

  • 主な仕事

    • 横断BizOps

      • ゴール:

        • 「Revenue OperationとBusiness Operationを通してマネーフォワードの組織生産性の向上に貢献すること」

      • 職能別チームで各職能を横ぐしした日々の改善を実施

        • Salesforceの管理/改善

        • 連携SaaSの管理/棚卸

        • オペレーション構築と改善/データ品質担保

  • Generative-AIを使った営業工数の大幅削減プロジェクト

  • 電子契約サービスのリプレイス※4月リリース

  • クラビスの吸収合併(12/1リリース)

  • 組織統合プロジェクト2つ(12/1リリース)

    • 意思決定からのリリースが非常に短く、複数本部を大胆に統合するプロジェクトのためかなり大変でした。

【革新】2025年:売上1,000億円を達成するためのオペレーション構築

マネーフォワードは2028年に売上1,000億円以上を目指しています。
そこから逆算すると、我々の業務オペレーションはこれから単純比(2023年)で3倍以上のお客様の信頼に応える必要があります。
今のままでは、スピードも品質もまだまだ足りません。

  • 横断BizOpsは、

    • MOps領域で、お客様により価値を届けるスピードをより少ない工数で可能になることを目指し

    • RevOps領域で、営業担当者並びにお客様の購入体験を飛躍的に改善することを目指します

    • また、Generative AIの活用を推進し、それぞれの領域でさらなるお客様への価値提供を推進します。

オペレーショナルエクセレンスで、効率性/生産性を目指すのはもちろんですが、組織の「生産量」が上がってこそだと考えています。

課題は山積みで、目指す頂上はまだ先にありますが、一緒に面白い景色を見たい人を募集していますーー!
見たことない景色とその過程を一緒に楽しみたいです!!
是非、以下を覗いてみてください!待ってます!


いいなと思ったら応援しよう!