クライアントビジネスを辞め、IoTの事業会社へ転職しました。
めちゃくちゃ久しぶりのエントリーです。
2021年2月末付で、4年半所属していた電通デジタルを退職し、3月からセーフィーというベンチャーのIoT企業へと転職しています。
ここで自分への備忘も込め、転職までの経緯と新しい会社について書いてみようと思います。
転職のきっかけ
まず、転職しようと思った背景ですが、一言で言うと「最初から事業会社に行くためのステップとしてその会社を選んでいて、そのタイミングが来たと思ったから」です。
ステップなどと言うと一部の人には怒られそうな気もしますが、実は元々、電通デジタルへの入社の際に、当時面接を担当してくれた取締役にもそのように伝えて(宣言して?)いました。
ここを説明するには電通デジタルへの転職活動時まで話が遡ります。
当時、僕は新卒から3年以上勤めていた企業を辞めて転職活動をしており、電通デジタルの他にも、自社サービスを持ちながらクライアントビジネスもやっているベンチャーへの内定をいただいていました。(他にもweb系の製作会社の最終面接も進んでいましたが、2社のどちらかで良いかなと思ってお断りしていたり。)
元々この時の転職で考えていたのは、新卒からクライアントビジネスの企業にいたため、人の役に立つサービスを持っている企業でよりエンドユーザーに近い位置で関われる環境で挑戦してみたいという思いがあり、自社サービスを持っている企業を軸に見ていました。
そんな中で電通デジタルのようなクライアントビジネスを受けたのは、相談していた転職エージェントさんからの「今の中途半端な経験で行くよりも、このままクライアントビジネスが一人前にできるようになってから事業会社へ行くことで出せる価値もある。(要約)」という言葉でした。
やりたいことにストレートに挑むことも1つですが、当時の僕はクライアントビジネスだから見えるものを身につけてから事業会社に行くことで、新卒から事業会社にいるような人とは違う価値が出せるようになりたい、と考えたのです。
そんなエージェントさんからの言葉の後押しもあり、1社目の延長にある企業で、事業会社へのステップとしての経験も得られそう(あと給料高いのと、なんなら知名度で箔も付けられたら良いなという下心もありw)と言うことで電通デジタルを選んでいます。
入社に際して、正直に「将来的には事業会社に行きたいので他と悩んでいる」と伝えたところ、面接を担当していただいた取締役の方からは「うちを踏み台にすれば良いじゃん」といただいたので、そんな心の広い企業であれば頑張ってみたいと思えた部分もあります。(当時の取締役は僕がこう言ったことは絶対に覚えてないと思いますがw)
余談ですが、この時にお世話になった転職エージェントさんは大手ではなく、独立してやっている方なので、大手では聞いてくれないであろうレベルの相談にも色々と乗ってもらいました。
そして実は今回の転職でもその方に再び声を掛けたことで繋いでもらった企業なので、そこにも縁があったなと思っています。
このような背景があるので、最初は3年くらいで辞めるつもりでいたのですが、3年くらい経ったあたりからUX組織の立ち上げなど好き勝手やらせてもらえるようになったので、居心地が良くて少し長居してしまったところがあります。
転職に当たっては、決して何かネガティブな要素があったわけでも、コロナのせいで変わってしまったわけでもなく、なんとなく自分の中で「そろそろ次の挑戦だな」と直感が働いたところが大きいです。
転職の軸
ある程度自分の中でぼんやりと思っていることはありましたが、エージェントさんに相談する前に言語化しておこうと思い、キャリアに関する本を数冊読みながら数ヶ月掛けて自分の深掘りをしました。
超ざっくり書くと、下記のような条件でにすることにしてみました。
・自社サービスを持っていること。
・大企業よりもベンチャー。(スタートアップよりもある程度ベースがある方が自分には向いてそう。)
・挑戦するスタンスを持っている企業。
・デザイン、UI/UXへの理解が経営層にあること。
・世の中を良くすると本気で思っていること。
・事業に対して社会的意義を感じられること。
電通という大企業を経験していたこともあり、既に出来上がった大きな会社でそのまま大企業のプロになっていくよりも、これから一緒に組織を作っていく過程を歩む方が自分にとって人生が楽しめると確信していたことと、これまでのキャリアから武器の1つであるUI/UX周りの知見が活かせそうなところ、そして社会的な意義を兼ね備えている事業であること。この辺りが僕にとっての大きなポイントでした。
この辺りの軸を、誰に聞かれてもあまりブレのないレベルで深掘りできたので、エージェントさんとの話もだいぶスムーズに進んだように思います。
ただ、転職自体を特に急いでいたわけではないので問題なかったものの、かといってここで数ヶ月も時間をかける必要はなかったなと今では少し反省しています。そこまで事前に深掘りしなくても、実際の面接準備などの中で自然と進められた内容だったと思うからです。
求める条件の中で個人的に一番ネックになるかもしれないと思っていたのは「社会的意義の感じられる企業」でした。NPO法人のようなところに行きたいわけではなく、あくまでもビジネスとしてやっていきたいと思っていたので、どことなく相反するものを掲げている気がしたからです。
ですが、実際にエージェントさんに相談してみると、僕が理想に思っていたことに近いことをやっている企業さんが意外とたくさんあることを知りました。地域活性化や教育などのビジネスもありますし、社会を良くしようとするビジョンに惹かれる企業もありました。
この辺りは「ないかもしれない」と自分の中で勝手に決めつけるのではなく、ダメ元でも良いので早く相談してしまえばよかったなと思うところです。
そんな感じで数ヶ月をかけてしまったとは言え、それはそれで自分の中ではかなり有意義な時間でした。
参考までにその期間の読んだ本の中でも特にオススメできるものを紹介しておきます。転職するかどうかはさておき、自分のキャリアを見つめ直したいと思った時にぜひ読んでみてください。
新しく働くところとこれから
そのような中で入社を決めたのがセーフィーという会社です。
クラウドで録画を提供するサービスを持っている企業で、カメラの提供から行っており、「映像から未来をつくる」というビジョンで今後は映像全般のプラットフォームとなろうとしています。(入社からまだ浅いので表現として合っていない可能性もありますが)
今あるサービスで言えば、監視カメラや防犯カメラをクラウド化したことで、機材購入のコストが減る、画質が良い、ネットで映像確認ができる、などの価値を提供していて、業界ではシェアNo1(テクノ・システム・リサーチ社調べ「ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査」より)を既に獲得している、創立6年程度でこの業界を変えているリーディングカンパニーとなっています。
そんな業種なので、ベンチャーと言っても中身は結構「大人」な感じかもしれません。
これまで僕のキャリアがデジタルマーケティングを生業としていたので、デジタル=パソコンと対峙することが仕事の99%くらい(クライアント折衝ももちろんたくさんやってますが、気持ちとして)だったので、カメラというリアルのプロダクトも含めて会社のサービス全体を考えていくところは興味を強く惹かれたところです。
配属は「デザインセンター」という部署で、主にディレクター的な立ち位置で、企業に関わるデザイン全般を推進する役割となります。
元々ソニー系の企業にいた人が多く、良い意味でモノづくりをベースとした技術の強い企業となっていますが、そのベースがある上でデザインに関わっていけることも、とてもワクワクしたところの1つです。
面戦から散々「うちはカオスだよ」と言われ続けていたくらい、会社としてはまだやっと軌道に乗ってきたという印象で、中もまだきちんとは整理されていないようです。個人的にも、クライアントビジネスとは違って、自分でそもそもの仕事を作っていくところからとなるので慣れるまで時間がかかるかもしれません。その上、技術先行で上手くいっている企業ということもあり、デザイン部門は「不採算部門」と周りに見られる可能性があります。
まさにこれから組織を作っていく過程を一緒に歩むことができる環境なので、やりがいもありそうです。大きな企業にいたことやクライアントビジネスで色々な企業を見てきた経験も、プロジェクトマネージメントやデジタルマーケティングの知見なども多分に活かせそうな気がしています。
デザイン部署としても、ただ綺麗に表現するだけでなく、ビジネスへの貢献を目に見える形で出せて初めて「デザイン部署を抱えている価値がある」と胸を張って言えるものだと思っています。
個人としても部署としても、デザインの力がビジネスに貢献できることを示していけるよう模索していくことが1つの目標だと感じています。
このような感じで、これまでの経験を思いきり活かして貢献・挑戦していきたいと思っています。
色々と書いていたら長くなってまったので今回は以上となります。
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます。
コロナもあってだいぶ出不精になっていましたが、また少しずつ「外」にも出ていこうと思いますので、これまで親交のあった方も、これからお会いする方も、何卒よろしくお願いします。
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