フォンタナありがとう1
1.フォンタナという人
ユリアン・フォンタナという人物をご存知だろうか。ショパンについてある程度の知識を持った人ならば、名前に聞き覚えがあるだろう。そんな彼はショパンの友人であるが、ただの友人ではない。彼はショパンの遺作出版に関して重要な人物なのである。
今回からのシリーズでは、ショパンの遺作を通して、フォンタナに「ありがとう」を伝えていきたい。そして知名度の向上とあわよくば資料の増加を期待したい。
以下では、まず、遺作に関する経緯、次に今回取り上げる「幻想即興曲」について述べ、最後に再び感謝を伝えていこうと思う。
ショパンは題名をつけることを好まなかったため、多くの作品は作品番号で呼称される。本稿では少量であるが、「Op.+数字」という表記が出ても、それは作品番号なので怖がらず深呼吸して覚えていってほしい。(筆者は作品番号が苦手です)
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