1000兆円規模のBtoB決済市場を開拓する。「企業与信」に惚れた男が事業に馳せる思い
MF KESSAIの様々なメンバーにインタビューをするこの企画。今回は、取締役 営業本部長を務める田中謙太朗さんに話を聞きました。
Profile
田中 謙太朗 Kentaro Tanaka
2018年6月入社。決済代行企業で5年間、営業企画職として従事し、決済/配送/融資分野で新規事業のPMを歴任。決済代行業界初のトランザクションレンディングや、日本初のクラウド会計/請求書データを用いた融資サービスの立ち上げに携わり、対外折衝、省庁対応、要件定義、運用策定、販促施策立案等、幅広い業務に従事。現在はMF KESSAI株式会社にて営業本部長として、営業/アライアンス/新規事業全般に従事。2020年2月取締役就任。
夢は、みんな楽しく仕事をする社会。
「企業与信」に惚れた男、田中謙太朗。
― それではよろしくお願いします!まずは自己紹介からお願いしたいのですが、MF KESSAI入社前の話からお伺いしたいです。
田中 謙太朗(以下、田中):MF KESSAIは2社目で、新卒では決済代行企業に入社してキャリアを歩んできました。今は営業の責任者をやっていますが、前職では新規事業畑にずっといました。
その中でトランザクションレンディング(※)事業に携わったことが、今のキャリアの原点となっています。この時に、決済のみならず金融領域全体にも興味を持ちましたし、「企業の与信」という自分が10年賭けても良いと思えるテーマに出会えました。
※トランザクションレンディングとは
財務情報を基にした従来型の審査ではなく、日々の取引履歴(トランザクション)を基に融資審査を行う方法
― 「10年賭けても良い」ってかなり力強いですが、そう思った理由について伺えますか?
田中:以前、「決済の最新動向とFintech」というテーマでカンファレンスに登壇する機会があったのですが、登壇内容を練るために情報を収集していました。そこで講演テーマである決済領域、特に市場が未成熟と感じていたBtoB決済の領域において「どういう企業が勝っていくのか?」ということを考えたのですが、そこで自分の出した答えが「企業与信を作れる会社」でした。
前職がカード決済の会社だったこともあり、「BtoB決済でコーポレートカードが普及しない理由は何なんだろう?」と調べ始めたことがきっかけで、興味を持ち始めました。すると事業者側(売る側)としては利便性が悪くなるので決済手段を増やしたくないし、わざわざ決済手数料も払いたくないという事情があった。
一方で利用者側(買う側)も「使おうとしても与信枠が全然足りない」という状況で、共に大きな課題があることが分かったんです。そして利用者側の与信枠が足りない理由は、そもそもカード会社が適切な企業与信を持てていないということが要因でした。
このような環境の中で、BtoB決済領域においてどのような会社が勝っていくかを考えると、「適切な企業与信を持つことで、貸し倒れリスクもコントロールしながら適切な与信枠が設定でき、かつ利便性の高いサービスが提供できる」という会社だったんですよね。
そして、そこから翻って「企業与信」が作れるということは、決済に限らず色々なことができるとも思いました。例えば与信情報をAPIでこれまでにない形で提供したり、クレジットカード会社に与信審査ロジックの部分だけを提供することも可能になります。
ただ、与信を作るということには「与信の元となる様々なデータを収集できる力」と「収集したデータを使いこなし与信を作り上げる力」の両輪が求められる領域なんですが、これらをやりきれている会社はなかなかありません。それ故に、そこを追求していく面白さを感じました。
決め手は「この人たちと同じ組織で働かないと、死ぬとき絶対後悔する!」という直感
― なるほど。聞いてみて初めて知る魅力と奥深さですね。この「企業与信」というテーマについて、元々は前職に居ながら向き合っていくイメージだったんでしょうか?というのも、事業内容的には出来そうな気がしまして。
田中:そうですね。当時はそう思っていました。
― やはり。ではそういった状況から、MF KESSAIに環境を移した経緯について伺っていきたいです。
田中:接点を持ったきっかけは、MF KESSAIの親会社である株式会社マネーフォワードと前職とで進めた協業プロジェクトでした。一緒にプロジェクトを進めていた当時CFOだった金坂さん(現 マネーフォワードシンカ株式会社 代表取締役)や丸橋さん(現 MF KESSAI株式会社 取締役 / プロダクト責任者)、坂さん(現 株式会社マネーフォワード 取締役執行役員 管理本部長)など、関わる人が異常なほど仕事が出来る人ばかりで衝撃を受けたのを覚えています。
実は「一生のうちどこかでこの人たちと同じ組織の中で働かないと、死ぬとき絶対後悔する!」と思ったのが最終的に転職へ踏み切った決定打なのですが、さすがにその時点でいきなり転職などは考えませんでした。
ただ、自分が惹かれている「企業与信」においては前職が持ち得るデータ以外にも、会計データや請求データなど、より多様なデータを持つ必要性も感じ始めていて、それを持つ存在としてマネーフォワードを見ていたことは覚えています。
― 具体的に転職を意識し始めたのはいつ頃でしょうか?
田中:MF KESSAIの事業構想段階くらいのタイミングで、話を聞いた時ですね。やろうとしていることが私自身がやりたいと思っていたことのど真ん中だったんです。先ほど話した「与信の元となる様々なデータを収集できる力」と「収集したデータを使いこなし与信を作り上げる力」の両方を持ち得る存在になると思いました。
ただ、だからといって即決したわけではなく、家族のこともありますし、他社も含め情報収集も結構して、自身のキャリアについて真剣に考えた上で判断しようとしていました。最終的には「後悔したくない」という気持ちが勝り転職を決断しました。なので人の魅力もあり、事業の魅力もあり、転職を決めたという感じです。
― ありがとうございます。メモ凄いですね。私もそれっぽいものは転職当時作ってましたが、ここまで濃密ではありませんでした笑
<写真:転職活動当時に書き溜めていた転職メモの一部。「40代の平均年収」のなど生々しいトピックも見られる>
「どこにでも行けるとしても、僕はこの会社を選ぶ」と淀みなく言い切れる理由
― ではここからは、「入社してからのこと」について話を伺っていきたいのですが、まずは、実際入社してみた当時の印象を伺いたいです。
田中:そうですね、思い描いていた通りだったことも、そうでないこともありました。イメージ通りだったことについては、デザイナー、エンジニアとビジネスサイドが一緒になって一つのサービスを作り上げていること。それは今も変わらないです。
一方で予想外だったことは、プロダクトとして出来ることが予想以上に少なかったことですかね笑。ただフォローする訳じゃないですが、その状態から「できることが増えていくスピード」の速さが更に予想以上でした。更に言うなら、それに伴う事業の成長スピードも想像を超えていましたね。
― ありがとうございます。セールスとして入社したと思うのですが、具体的な業務内容についても伺えますか?
田中:現在はセールスの責任者という立場です。セールス担当者としても、大手クライアントへの商談、導入支援、カスタマーサクセスから、大手金融機関・パートナーとのアライアンスなど幅広く担当しています。
― 仕事をしていて感じる面白さ、やりがいはどういうところでしょうか?
田中:まずは、これまでお話したように自分のキャリアのテーマに沿った事業がやれていることは大きいです。かつ事業も急激に伸びており、そのような成長の渦の中に居ることができるのはこれ以上ない幸せです。
更に、マネーフォワードからも案件を連携をしてもらい、金融機関や大手企業との、自分ひとりの力だけでは到底成し得ないような協業が実現しており、そこに自分が担当者として関わり、価値提供ができているという点も非常にやりがいを感じますね。
人の面でも、先ほど話した丸橋さん以外にも、パイセンみたいなスーパー新卒がいることはすごい刺激になりますし、そうかと思えばシニアで経験豊富なメンバーもいる。非常に多様で面白いですね。(”パイセン”についてはこちらの記事も是非ご覧ください)
代表の冨山さんについては、いつも思考の深さに驚かされます。自分からすると一見斜め上の角度からボールを渡してくるのですが、紐解いてみるとどれも的を射ている。「そういう思考プロセスだったのか」と驚かされます。誰よりもひたむきに、誰よりも仕事してますよね、冨山さんって。尊敬します。
「どこでも行けるなら、どの会社に行く?」って質問よくあるじゃないですか。僕ならその質問をされてもMF KESSAIを選びますね。まだまだカオスですけど笑
<それっぽい談笑シーンを撮影しようとロケハンしているときの本当の談笑シーン@FINOLABラウンジスペース>
とにかくサービスを爆発的に伸ばしたい
― ありがとうございます、力強い回答ですね...!では最後に、今後の仕事の展望についても伺いたいです。
田中:1000兆円規模とも言われているBtoB決済市場の中で、この広大な市場をどう開拓していくのか?ということを考えるとワクワクしますが、とにかくMF KESSAIのサービスを爆発的に伸ばしたいですね。MF KESSAIのサービスが日本の隅々まで行き渡っているようにしたいと思ってます。個人のカード決済と同じレベルで普及できると本気で思ってるんです。
それに隅々までMF KESSAIのサービスが行き渡れば、MF KESSAIが扱うデータもより充実し、それを活用したサービス開発によって我々が”黒子”としてより大きな価値を企業に提供していけると思っています。
一個人のことで置き換えると、お金の悩みがある時って、心が乱されるし、無性に不安になりますよね。企業経営においてもそれは同じだと思います。なのでまずは決済あるいは企業与信という切り口から、そういう不安、痛みを無くすことができる存在になりたいですね。
― 一緒にやっていきましょう!本日はありがとうございました!
インタビュー・執筆
井上 玲 Rei Inoue
MF KESSAI人事。最近の趣味はリングフィット アドベンチャー。