宮﨑映画祭との出会い
2012年職場の休憩室。関東からこっちへ修行に来ていた?新入社員のNさんと会話のネタを探している時だった。
「映画好きなんですか?おすすめの映画ってなんですか?」屈託のない笑顔にやや驚き慄きながら「映画ってそれぞれ好みがあるし、難しいよね」と私は大人ぶってさらりとかわした。無論、映画は好きだがジャンルはサイコサスペンスやドキュメンタリーなどだいぶ偏っていたし、うちの映画祭の主宰ほどの緻密でコアな知識は全くない。あの頃はコミック原作とか怪獣映画にも全く興味なかったし笑笑、話せるかなって心は穏やかではなかった。「でも好きな映画はあるよ」「ショーシャンク…」と小声で呟くと 「ええー嬉、僕も大好きな映画で、何度も観てますよー。あれ傑作ですよね。僕のオールタイムベスト2位です。1位はライフ・イズ・ビューティフルで………」過ごした時間や歳の差なんてあったのかと思うくらい、距離が縮まっていた。2人とも話が止まらない。楽しくてあっという間に休憩が終わってしまった。周りの人はびっくりしていたけど。映画を語るってこんなに楽しいんだなってワクワクドキドキ実感した体験だった。
1ヶ月後、たまたま開いたタウン誌に宮﨑映画祭のスタッフ募集が掲載されていた。(うーん。敷居が高いなあ。誰かと一緒ならどうかな?)見た目とは違って人見知りの私は、できたばかりの年下のシネ友に恐る恐る声をかけてみた。そしたら「行ってみたい!」と快諾をもらえていよいよその日がやってきた。
宮﨑市民プラザで初ミーティングに参加。シーンとした感じ。(わー、癖の強そうなおっさんだらけ)失礼すぎる。「いい時期に入ってきたね。チケット売ってもらうよ」え?え?えーーーー。そんなのきいてなーーーーーい。。。こうして右も左もわからずに映画祭に取り込まれたのでありました。
その年は第18回。「クロサワ映画2011」で渡邉琢監督、女優の黒沢かずこさんと光浦靖子さんのアテンドを任されて居酒屋でど緊張したのを今でも覚えている。ラインナップもかなり個性的だったが、その頃は理解せずにやっていたので、映画選びが大変なことを今になって痛感している。
さあ、今年の映画祭は我らがクロサワ監督(黒沢清監督)が来宮される。世界で活躍中の監督がこの小さな映画祭では常連の監督となっているのは私たちにとっても宝物だ。どんな話を聞かせてもらえるのか、人見知りの私が勇気を振り絞って今年こそ話しかけるぞー(°▽°)
文☆NABEKO
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