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自動車メーカーのフォントデザイン
はじめに
こんにちは、MiddleField DESIGNメンバーのHARA-bleepです。主にバナーやアイコンなどのマテリアルを担当しています。
さて、今回は自動車メーカー独自のフォントについて書いてみます。クルマのデザインやWebページ、カタログなどに目が行きがちな自分でしたが、自動車メーカー各社がデザインしたオリジナルのフォントがあることを知ってからは、書体についてあれこれ調べて知見が深まった…ような気がします。
というわけで「自動車メーカーのフォントデザイン」、個人的に気になった国内外4社が使用するフォントについてです。
マツダ
引用元:https://www.mazda.co.jp/
2000年代はスンスンスーン♪とポップで軽快な雰囲気が印象的でしたが、最近は落ち着いた雰囲気でまとめるようになったマツダ。
こちらのフォントですが、マツダのオフィシャルウェブサイトからクルマのエンブレム・オーナメントまで幅広く使われています。
ベースとなったのはOptimaというフォントで、ヘルマン・ツァップがデザインを手掛けました。2000年前のローマで建てられた石碑に掘られた文字がベースになっています。詳細な解説が公式サイトにありました、嬉しい。
特徴としては、サンセリフ体でありながら手書きのような雰囲気があるところでしょうか。”人が筆で書いたような名残り”を表現したようで、なるほど確かにとめ・はね・はらいが感じられます。
ミツビシ
引用元:https://www.mitsubishi-motors.com
悪路走破を目的としたクルマやプラグインハイブリッド車など独特なクルマを揃えるミツビシ。力強さや堅牢さを感じるデザインも魅力です。
これは2017年にブランド・メッセージである”Drive your Ambition”を掲げた時から使われるようになったフォントです。
以前はAlpha Headlineというフォントを主にサイトやカタログで使っていたようです。直線基調なジオメトリック・サンセリフから、角を落とした親しみやすい雰囲気になりました。
しかしそれでも、BoldやBlackなどの太字が主に使われているので少々無骨さを感じますね。ダイナミックシールドデザインとの親和性も高し。
さてさて、ここからは海外メーカー編です。
MINI
引用元:https://www.mini.com
ミニ、ミニクーパー、ローバーミニ…クルマ好きでなくとも一度は聞いたことがあるはず?キュートでオシャレなクルマが揃うMINI。
これは主にオフィシャルウェブサイトやカタログなどの見出しに用いられるフォントです。太めのセリフが特徴的なモダンフェイスですね。日本のサイトではゴシック体と組み合わせて使っています。
MINIのクラシカルな雰囲気にマッチしたフォントと言えますが、縦横をフルに使ったデザインなのでインパクトもありますね。
メルセデス・ベンツ
引用元:https://www.mercedes-benz.com
2020年で輸入車販売台数6年連続トップを誇るメルセデス・ベンツ。堅い高級車というイメージが強いですが、最近は面白いコラボをすることも。
こちらはDaimler CACというフォント。こちらもコーポレート・タイプフェイスについての解説を見つけました。英語とドイツ語ですが…
最大の特徴は横幅を詰めたセリフ体ですね。サイトやカタログの見出しに使われていますが、文章との対比が明確で視認性が高いです。
2021年末までに自動車部門のメルセデス・ベンツと商用車部門であるダイムラー・トラックを分離するとの発表がありましたが、このフォントが今後どういう扱いになるのか少々気になります。
おわりに
世界中の自動車メーカーのサイトやカタログをそれなりに見てきましたが、自社でデザインしたフォントは数え切れないほどありました。有名な既存のフォントを使っているところが多いですが、コーポレート・アイデンティティに沿ったデザインのためにオリジナル含めてフォントファミリー一式を揃えている自動車メーカーもあって中々面白かったです。
道行くクルマに装着されている車種名のエンブレムや、特別仕様車・限定モデルなどのバッジに使われているフォントもよく見てみると新たな発見があるかもしれませんね😉
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