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目指す会 またにはソロライド 半分だけツール・ド・美ヶ原 2408①

関東平野のど真ん中は誰がなんと言おうと松戸だと思うんだけど、平野っていうくらいだから日常的に山と触れる機会はない。まれに出張で大坂や神戸に行くと、都心部と山の近さに驚くことがある。リアル裏山じゃん! て。新神戸なんて駅に登山グッズのレンタルショップがあるくらい。

そのたびにチャリで山を登ってみたいなーとひとりぼやく。
なんでわざわざ山をチャリで登るの? 馬鹿なの? 車とかバイクしらんの? とパリパリのチキンステーキを焼くための下ごしらえでチキンがペラペラになるまでぶっ叩くのと同じ勢いでボコボコにされそうな発言だが、大なり小なりチャリンコ乗りとはそういう生き物だったりする。

ただ実際には出張時に輪行袋に詰め込んだチャリを肩で担いで商談行ったら…アイスブレイクやキャラ造りとしてはある意味完璧かもしれないと妄想しつつも、そもそも乗る時間なんて全くないし、なんだかんだチャリも重たいのでシンプルにきつい。

昔始発で東京駅まで輪行した時の駅に誰もいない奇跡みたいな写真

何が言いたいかというと、日常のルーティン外に出向くとついつい走りたい衝動に駆られるが、チャリが手元にないため中々実現しないジレンマを我々ロードレーサーは常々抱えているってこと。共感性の全くない悩み。

しかし、そんな全国の悩める子羊に一筋の光を当てうる数少ない機会がある、それが旅行だ。

車で行く旅行限定の技にはなるのだが、キャリーケース等荷物を車に詰め込む際にしれっとバラしたチャリもぶち込んでしまえという完全なる力業。
「あんた何自転車なんて乗せてるのよ!?」と妻からネガティブレスポンスが届いたら、
「奥に詰んじゃって出すの大変だからこのまま行っちゃおう」となんとかかいくぐってくれ。

これで晴れて合法的に生活圏外に愛機を持ち出すことに成功したあなた、あとはホテルで過ごした翌朝家族よりも早起きして見知らぬ土地でのライドを楽しむだけ。
ここまで読んでお分かりの通り、今回は目指す会は関係なく、筆者の家族旅行の模様をお送りする特殊回だ。スピンオフ、中間管理職利根川的なね。

旅先で初めて乗ったグリーンシーズンのリフト

この夏、クレヨンしんちゃんの映画が感動を呼んでる横で筆者家族が旅先に選んだのは長野県の松本市。その場所に行きたかったというよりは、妻の旅館でのんびりしたいってニーズに応えるべく、旅館内ですべてを完結できるホテルを探していたら結果そこにたどり着いたって感じ。

ちなみに長野だから涼しいだろうとと期待して向かったがきちんとゲキ暑だった。

宣言通り宿に着くなり1歩も外に出ませんと断固たる決意の妻と部屋にある見慣れないアイテムで遊びだした子供達。30分ほどのフリータイムを手に入れた。
チャリに乗るか迷ったが着替えるのも面倒だし30分だけだし、ということで1人散歩に出かけてみた。

少し歩くと昭和感漂う看板を発見

平日ということもありヒトはまばら、というか観光資源的なモノもあまりなさそうだ、それほど人通りがある場所ではないのか?
温泉街って言うんだから足湯フリースポットや温泉饅頭屋、謎の射的屋やスマートボール屋があっても良いのに。まぁ近くに明日行く予定の松本城や昔ながらの蔵が並ぶ何とかって街もあるから仕方ないのかな。

とはいえこんな雰囲気ある細道とかもあったり

宿に戻り、明日のチャリルートをどうするか検索。すると程なくこの地がツール・ド・美ヶ原高原の開催地になっていることを知る。

冒頭にも書いたが普段関東平野のど真ん中に住んでいると山があったら登ってみたい衝動に駆られることがある。

見知らぬ、そしてまだ街が起きてない早朝にチャリを走らせるのはオープンカーの屋根をしまって走るくらい気持ちいい(実際乗ったことがあるのはトラックの荷台だけ)。
だが筆者はあえての山を選択した。明日は峠を攻めてみよう、まるで藤原豆○店の息子みたいな発言。

もっと早起きして両方走ればいいじゃんって意見もあるだろうが、家族旅行といったら家族が寝静まった後に1人深酒してフワフワするってイベントが、筆者にとって牛丼に紅ショウガをまぶすくらい欠かせない工程なのだ。

今回はわざわざ角ハイの小瓶と氷、炭酸水をコンビニでこしらえた本格派ぶり。(最近気付いたンだけど缶チューハイって絶対良くない何かが入ってる。二日酔いのダメージが割って飲むそれとは全然回違う…)

旅館ならではの窓際の部屋、丸いテーブルに対面の椅子の片方に座りハイボールを飲む。聞こえるのは炭酸のプツプツというか細い音のみ、端的に言って最高の瞬間だ。

ということで翌日はまぁまぁ二日酔いの中、何とか目覚めてツール・ド・美ヶ原高原のコースを攻めることに。後半に続く。


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