目指す会 2402 トレイルラン 高尾山口⑤
20キロほど山道を駆け抜け(半分は歩いて)、いよいよ最後の行程、高尾山口駅までのオンロードマラソン。距離は約5キロ。
初めてトレランをした去年のとある日(30キロくらい引きずり回された日)も最後は同じ道を通った。オンロードに入った時点、正確にはそのずっと前に足は限界を超えていて、もはや筋肉痛が発生していた。
足を休めるべく地べたに座ろうとしたら、その動作にすら筋肉は耐えられず、両足がつるというアクシデントが発生。座ることも許されず、泣きながら駅を目指した苦い思い出。
それから比較するとトレランへの耐性は確実に上がっている。走った距離は違えど今日はまだまだ元気で足がツルこともなさそうだ、少しずつ積み上げられた経験値。
さぁラストスパート張り切っていこう! としたとき
「先行ってて良いよ」
とE原さんが頼り無げな声で話しかけてきた。どうやら体力の限界千代の富士のようだ。
確かに今日のE原さんは今までの彼と比較して確実に速かった。過去のE原さんの走りがスライムなら、今日のE原さんはスライムベスといっても良い頑張り。努力の代償のガス欠。
しんどいときに並走されるのは「私のどこが好きなの?」とか「仕事と私どっちが大切なの?」と、求められている答えは決まっているのに、正しい回答をしたとしても言い方と感情の入れ方次第で簡単に機嫌を損ねる彼女くらいうざいのを筆者も知ってる。
ゆえに並走してずっとへいへーいと北斗の拳の雑魚キャラみたいな絡みをかましてやろうかと思ったけど、中々激遅ペースだったのでおいていくことにした。中間地点、公衆トイレのある場所まで黙々と走る。
そーいえば山頂でもトイレの前で待たされたなぁ、トイレと便意とE原。しばらくすると顎は上がり足は引きずりと「私限界です」を体全身で表現しながらE原さんがやってきた。
着いて早々E原氏はトイレに入っていったが幸い大ではなかった。E原のトイレ待ちは人生で3本の指に入る無駄な時間、日に2度は御免である。休憩もそこそこにさっさとE原さんを走らせる、こちとら休憩は十分すぎるくらいに取れているのだ。
残り2,5キロ、時間にして20分くらい。駅が近づくにつれ人口も増えてくる。時間はまだ昼を回ったくらい、これからハイキングに向かうグループもちらほら。
十分な疲労感と達成感および自己肯定感を携え、一足お先に筆者高尾山口駅にゴール。改めて山の空気を胸いっぱいに吸い込む。
5分ほど遅れてE原さんもゴール。トレランのゴールは互いの頑張りをたたえるため拳と拳をぶつけ合う。
C原なしの初トレラン、多少のアクシデントはあれど無事完走。しかもE原さんの覚醒もあり予定よりもだいぶ早く帰ってこられた。これで我々もいっぱしのトレイルランナーだ。
高尾山トレラン最後の行事はもちろん駅直結のスーパー銭湯。いつもは芋洗い場かってくらい混むんだけど、幸いこの日はまだ時間も早く、ゆったりのんびりサウナと炭酸泉でいじめ抜いた体を労ることが出来大満足。
以上が2月頭に行ったおっさん2人のデートの一部始終。おっさんずラブがヒットしたが、どーもだめ、筆者はやっぱり女性が好き。
これでなんとか翌々週のトレラン大会もやってけそう。目標は半分より上の順位、去年はギリギリ半分に入れなかったからね。
ただ大会ってずっと1人で走るからさみしいんだよなぁ。ということで次章は鋸山トレラン大会の模様をお送りする。
C原が無双したりN谷が途中でがっつり休憩決め込んだり、やっぱりE原さんのウ○コで待たされたりと盛りだくさん、お楽しみに!
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