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目指す会 またにはソロライド 半分だけツール・ド・美ヶ原 2408②

固め(濃いめ)のハイボールで決めた翌朝。二日酔い特有の頭と内蔵の気だるさの中なんとか5時半頃目を覚ます。シンと静まったいつもと違う部屋、家族を起こさないようにいそいそと隣の部屋で着替える。

朝食が9時。息子との朝風呂に行く約束を果たすため門限は8時過ぎ、2時間程度のライドとなる、当然ツール・ド美ヶ原高原のコースを往復することは出来ないので時間の許す限りで「いけるとこまーでいこーぉよー」作戦。
(あーいのままにーわーがーままーにー…)

ということでスタート地点の野球場へ。こんな早朝でも野球を楽しむ音が聞こえた。筆者も野球経験者、こんなでかい球場で野球出来たら楽しいだろーなーと独りごちる。

今ならサークルチェンジも投げられる気がする

球場に後ろ髪を引かれながらスタート。まずは街中を走り山を目指す。温泉街っぽい景色は早々にに終わりすぐに坂道が始まる。

こんな住宅道路に何百人というレーサーが走るのだからちょっとどうかしてる

何台も並んで走れない幅の狭い住宅道路の適度な勾配に手応えを感じる。きつすぎず楽しい登り。
明け方の涼しさのなかジワジワと体が温まってくる。今日は良い感じのヒルクライムになりそうだなーというのが慢心だったのだろうか。森にさしかかったあたりで急に重力が3倍くらいに跳ね上がった。

ペダルが重くて踏めない…仕方ないから道幅一杯斜めに走って勾配を軽くする。他の参加者が沢山いるレースでは出来ない技。

まだスタートしてものの10分くらいにもかかわらず、2セット目のサウナナウのような玉みたいな汗が二の腕に生まれ、サングラスがあることで拭えない汗が目の周りをビッチャビチャにいたずらしだす。

後々調べて分かったんだけど、ツール・ド・美ヶ原高原は序盤の坂道が鬼門らしい、最初からラスボス登場。
RPGツクールってゲームが昔あって、プレイヤーの誰しもが1度はやったであろう始まりの村の隣に魔王の城を構えるという暴挙。まさにそれ。

速度が遅すぎて停止中と誤認する中華サイコンと、松本の街中ツーリングを選択しなかったオレにイライラしながら魔王の城を進む。

文字通りヒーヒー言いながらもなんとか地獄の坂をパスし、平坦が「よく頑張ったねー」と出迎えてくれた。程なくして最初のチェックポイントっぽい所、美鈴湖に到着。

美鈴って綺麗な名前ね

普段湖と接する環境に住んでない筆者、美鈴湖のもたらす静けさ、マイナスイオンで心を洗う。家からほど近い水辺といえば江戸川か手賀沼。悪いロケーションじゃないけど手賀沼は過去日本有数の汚い沼だったこともあって癒しを求める場所ではない。

早朝から釣りを楽しむヒトがちらほら、筆者は待つのが苦手なので釣りは専門外

呼吸を整えヒルクライム再開。最初の鬼門が嘘のようにその後は常識的な坂道が永遠が続く。木々に囲まれてほんの少しだが涼しい、これこれー、これだよヒルクライムっていうのはー。
ほどなくしてお耳の恋人、ラジコの電波も入らなくなる。2度と聞くことはないだろう、ローカル局の元気なおじさんMCともここでお別れ。

夏ってこともあり戦争映画に触れる機会が増え、必然的にこの手のものに目がいくように

次々とコーナーをパスして山頂を目指すも、時刻はすでに7時20分頃、気がついたら1時間以上走っていたようだ。携帯を見ると息子から「はやくかえってこい」とメッセージが入っていた。彼も幼いなりに夏の旅を満喫したいはず、男同士の約束は絶対に守らなければ。
帰りは坂道につきそれほど時間はかからないだろうが見知らぬ土地であり何が起こるかわからない。自身と愛機の格好いいシルエットの影を写真におさめてUターン。

坂道で手放し運転は危ない、ちょっと転びそうになったぞ

自身のドライビングテクニックをちっとも信じてない筆者、ダウンヒルは石橋をタタキすぎて割っちゃうくらい慎重に帰る。無事8時ちょい過ぎ宿に到着。息子と朝風呂で背中を流し合う。

筆者の夏休みソロライドはここで終了。

今回のログ

ツール・ド・美ヶ原のコースは調べると全長21.6Kmに獲得標高1,270m。
今回のログは往復で26Km、コースを13Kmほど走ったことになる、約半分。方や獲得標高は900m超。半分の距離で獲得標高は75%に至るって計算。最初の激坂の威力がメラゾーマを超えたメラガイアークラスだって事がここからもわかる。
もう一度走りたいか? と聞かれたら4,5回は首を捻って考えるだろう。

以上、旅行にいくときはチャリを忍ばせると楽しいことが待ってるよって話でした。

ちなみにE原氏はツール・ド・美ヶ原に参加したことあるんだって。
「オレ走ったことあるからそこ」と後日マウントを取られて知らされました。

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