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本気で叱ってくれた人、そのまま受け止めてくれた人

こんにちは。キャリアコンサルタントの松岡澄江です。
今回の「お題でキャリア!」は、「影響を受けた上司・先輩」です。

人生も長くなってくるとすばらしい方との出会いがたくさんあるので、「さてどなたについて書こうか」と迷いましたが、私にとって大切なことを伝えてくれたお二人について書いてみようと思います。

一人は20代の最後に一緒に仕事をした先輩。厳しくも温かい方でした。もう一人は40代で出会った年下上司。思いがけない言葉で肩の力を抜いてくれた方です。

「もう仕事は一緒にできない」と言われた私

20代、子育てをしながらフリーライターとして活動していた時、育児まっただ中のママが集まって、次世代パパママの子育てに役立つ書籍を制作するというプロジェクトに参加しました。

プロジェクトリーダーの先輩は、人望も厚くとても魅力的な方で、決断力や交渉力も優れていてリーダーシップもあり、私のあこがれの存在でした。

書籍制作のプロセスは複雑です。
多くのライターへ仕事を割り振るだけでも大変なのに、参加したのは全員子育て中のママ。子どもが熱を出したとか、家族の都合とかで急なスケジュール調整が頻発していました。

進行管理をしていた私は、メンバーから「できなくなりました」という連絡を受けると、なんとかしなければいけません。ですが、他のメンバーの仕事を請け負う余裕がある人はほとんどおらず、「わかった、私がやるね」とみずから請け負っていたのです。

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それでも、てんやわんやの制作が一段落してホッとしたある日のことです。

これまで黙って進行を見てくれていた先輩からのひと言は衝撃的でした。

「人間的には大好きだし友だちでいたいけど、今後あなたとは仕事はしない。『できない』と言ってきた人たちと仕事する
 
あの瞬間、まるでアニメみたいに『が~ん!』という音が頭の中で鳴った気がしました。

私からすれば、スケジュールギリギリでキャンセルが発生したところをなんとかリカバリーして書籍の完成にこぎ着けたわけです。ほめられるまでいかなくても、そんなにキビしい叱責を受けるとは思ってもいませんでした。

「できない」とちゃんと言える人が信頼される人

確かに、進行管理役としてリーダーに報告をしていなかったことは、叱られてもしかたありません。しかし先輩は、進行管理上のミスというよりも、もっと人としての基本的なことを指摘してくれたのだと思います。

そもそも、私は頼まれると「NO」が言えないタイプで、パンクするほど仕事を引き受けていました。

さらにこのときの私は、まだ駆け出しでメンバーの中でも若年者だったこともあって、他のライターさんたちから「“いい人”と思われたい!」と思っていたかもしれません。だから、よけいに「できない」とは言えなかったのだと思います。

でも、これは今だから言えることですが、できないことはできないと言えるって、とても大切なことなんです。

引き受けたはいいけれど、結果「やっぱりできませんでした」となったら信用なんかされません。なんとかやり遂げたとしても、業務量が多すぎてクオリティが下がったら、やっぱり次の仕事にはつながりませんよね。

「できない」って、自分のキャパシティをわかっているから言えること。

「NOを言える人になれ」
「信頼される人になれ」

と、先輩が教えてくれたのだと思っています。

真正面から厳しい言葉を言ってくれる存在がどれほど貴重なことか…。
私のことを思って言ってくれた言葉だったんだと、今でも感謝の気持ちで胸が熱くなります。

自分の思い込みに気づかせてくれた年下上司

その後私は、30代後半からIT系企業に再就職します。

20代~30代前半が中心の若い人ばかりの会社なので、社長や役員クラスがやっと同い年ぐらい。私の直属の上司は7歳年下でした。

若い社員が多いので、私も少しずつ役職を任せられるようになります。リーダー・マネージャーぐらいなら、年の功でなんとかまとめることもできましたが、大所帯の事業部の部長となるとちょっと尻込みしてしまい、

「ムリだと思います、できる気がしません」

と本音を上司に訴えました。

若い頃、できないことはちゃんと言うって学びましたからね。今こそ本領発揮だと思って伝えました。

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そんな私の言葉を聞いて、年下の上司が言ってくれた言葉です。

「僕と同じことをして欲しいとは思っていないんです。松岡さんが苦手なことは、僕がフォローします。逆に僕ができていなくて松岡さんが得意なことがあると思います。松岡さんらしいマネジメントをしてください

上司と同じようにやらなければならないと思っていた私の肩の荷を、彼はすっとおろしてくれました。

自分らしいやり方を模索すればいいんだ。

そう思えてからは、「頑張らなければいけない」ではなく、「何ができるか考えよう」と思考回路が大きく変わったと思います。

「自分らしくていいんだ」と教えてもらったことは、今でも大切にしています。

偶然の出会いに支えられて誰もが今を生きている

キャリア(人生)の8割は偶然の出来事に影響を受けるといいます。

人との出会いもきっと多くの偶然がもたらしてくれたものです。今回ご紹介した先輩・上司以外にもたくさんの人から影響を受けて、今の私がいます。

その人たち1人ひとりと出会った意味を心にとめて、これからも歩いていきたいと思っています。

■ 文/松岡澄江(まつおか・すみえ)
国家資格キャリアコンサルタント、研修講師
ブログ:自分らしい生き方・働き方を考える


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