仕事と育児の両立:育児から職場への復帰を支える意義と施策
<このコラムは、経営に携わる方や人事部門の方などに向けた内容です>
2000年代初頭では、第1子の出産を契機に離職する女性は約6割にも達していましたが、最近ではその割合が約3割まで減少しています(※1)。しかし、未だに多くの女性社員が出産を契機に退職してしまうことは、企業にとって大きな損失と言えるでしょう。この人材の喪失を回避し、女性社員が安心して職場に復帰できるよう企業はサポートを充実させる必要があります。本記事では、女性社員が育児休業から仕事に復帰する際の問題と、企業が備えるべき対応に焦点を当てます。
女性の多くが育児と仕事の両立難で離職
過去には、結婚、妊娠、または出産を契機に女性が退職することが一般的でしたが、令和4年度の内閣府の「男女共同参画社会に関する世論調査」によれば、20代から40代の女性の約6割から7割が「子供ができても、ずっと職業を続ける方がよい」と考えています(※2)。 それにもかかわらず、未だに多くの女性が妊娠・出産を契機に離職を選択せざる得ない状況があります。その主な理由は、育児と仕事の両立が困難であることにあります。
育児休業から職場復帰への課題と解決策
育児休業からの職場復帰を予定している女性たちの多くが育児と仕事の両立に不安を感じています。早退や欠勤などで職場に迷惑がかからないか、復帰後に職場に馴染めるかといった点でも不安を抱えています。
このような不安が存在する中で、企業は弾力的な労働時間制や多様な雇用形態などの支援体制や柔軟な労働環境の整備が求められます。特に、育児と仕事の両立を促進するための具体的な施策や、職場への円滑な復帰をサポートするためのプログラムが不可欠です。また、企業文化の変革や理解増進も欠かせず、これらの取り組みが女性の職場定着やキャリア形成に寄与することが期待されます。
円滑な職場復帰をサポートする
初めて出産と育児休業を経験する女性は、特に強い不安を感じることがあります。ライフスタイルや考え方が大きく変化しており、親世代のアドバイスは必ずしも効果的ではありません。また、インターネットで情報を得ることはできますが、その中から必要な情報を見つけ、理解し、実践するのも容易ではありません。ですから、企業は積極的に職場復帰に向けた情報提供や準備の機会を、研修などを通じて提供することが重要です。これにより、復帰に向けた不安を解消し、復帰を円滑に進めることが期待できます。
職場復帰に向けた研修
職場復帰に向けた研修では、以下の点を考慮することが重要です。
生活時間の変化をイメージ:
育休前と比べて生活時間は大きく変化します。具体的なタイムテーブルや経験者の話を参考にして、効率的な時間利用の方法を考えます。
パートナーと計画:
パートナーとの協力や育児・家事の分担を話し合い、お互いの価値観やイメージを共有することが大切です。
コントロールする力:
予測できない状況に備えて、時間や環境、気持ちをコントロールする方法を考えます。
健康の重要性:
産後の体調や健康に配慮し、予防策を講じることが重要です。
コミュニケーションの工夫:
上司や同僚との円滑なコミュニケーションに重点を置き、復帰に際して伝えるべきことを整理します。
自分らしいキャリアを考える:
長期的な視点で、自分に合ったキャリアプランを考えます。
おわりに
仕事と育児の両立を促進するための企業の負担は軽くないかも知れません。ですが、仕事と育児の両立が図られている社員は、効率的な時間管理や優先順位の付け方を身につけ、高い生産性を発揮するようになります。
さらには、両立をサポートすることで、従業員は仕事に対するモチベーションを高め、組織に対する忠誠心も強化されるでしょう。これにより、企業は優れた人材を引きつけ、競争力を向上させることが期待されます。そして、育児と仕事の両方で成功を収めた社員の存在は、他の従業員にもポジティブな影響を与え、エンゲージメントの向上に貢献することでしょう。
参考資料・データ出典
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「育児休業」は特定の部署や年次の方がまとまって取得するものではないため、「少数の対象者に向けた研修を企画するゆとりはない」「時間面でもコスト面でも難しい」という企業さまは少なくないと思います。
しかし、とくに初めてのお子さんの育児と仕事との両立生活をはじめる従業員の心中は、おそらく不安でいっぱいです。
育休から実際に復帰してみると、想定していたよりも多くの“想定外”が起こり、自信をなくしたりストレスを蓄積したりを繰り返し、メンタル不調や退職につながってしまうケースも少なくありません。
育休を取得した従業員が1日も早く育児と仕事の両立生活に慣れ、本来のパフォーマンスを発揮できるようになるためにも、復帰後を想定した研修の導入は本人、組織双方にとって望ましい選択になるはずです。
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復帰後の仕事の進め方、両立生活を作る心構え、今後のキャリアの考え方を網羅しているほか、同じ境遇にある他社の従業員と交流ができ、新たなつながりや視点が得られることもモチベーション向上につながります。
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