人生は“役割”の組み合わせ〜あなたの持っている役割はいくつ?
こんにちは。キャリアコンサルタントの松岡澄江です。
みなさんに「キャリア」を考えることをもっともっと身近に感じてもらいたくて、いろんな場面でキャリアの考え方をお話しています。
例えば、企業内でのキャリア研修。
「キャリアという言葉を聞いて、どんな印象を持ちますか?」
という質問を、冒頭で投げかけることが多いです。
するとたいてい…
「私には関係ない言葉だと思います」
「えらくなっていく人のものだと思います」
「いい学歴やすごい経歴の持ち主のための言葉じゃないですか?」
といった感想が返ってきます。
けれど「キャリア」って、自分自身が歩いた道のりのことを指す言葉で、ホントは一人ひとりが持っているものでなのです。
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「役割」が重なって人生はカラフルな虹を描く
今回は、私たちが持っているいろいろな「役割」からキャリアを考えてみたいと思います。
さて今現在、あなたはいくつの役割を持っているでしょう?
「役割」と聞くと、まずは仕事のうえでの役割や肩書き、家族の中での役割が思い浮かびますよね。
私の場合は、キャリアコンサルタントや研修講師、家族の中では母、祖母でしょうか。
役割については、キャリア理論家のドナルド・E・スーパーが提唱した「ライフロール」(ライフ=人生、ロール=役割)という理論がわかりやすいです。こちらの図はその理論をもとに、mezameで作成した図です。
半円の中に色が重なって虹のようになっているので「ライフ・キャリア・レインボー」と呼ばれています。
半円は私たちが生まれてから人生を終えるまでを表していて、その中に多様な役割がカラフルに積み重ねられています。
この役割は、多くの人が人生で経験する主な役割ですので、これ以外の役割を持っている人もいると思います。
いろんなバリエーションがあって、それぞれに好きな色をつけたら、とてもカラフルで個性あふれる虹になりますね。
役割の組み合わせでつくられるあなたのキャリア
私たちは、まず「子ども」という役割を持って生まれてきます。
「年齢的に、私はもう子どもではない」と思われるかもしれませんが、親が生存していれば、「子」としての役割を演じる場面は出てくるでしょう。
生まれてから成人するまでは幅が太く、大人になって以降は幅が細くなっています。
このように役割の幅にデコボコがあるのは、人生のある時期や起こるライフイベントなど、そのときどきによって役割の多さ・大きさが変わることを表しています。
上の図では、成人後は細くなっていた「子ども」の役割が、40代後半にまた太くなっていますね。
それは、子どもとして親の生活を心配したり、介護を担ったりするタイミングが来て、役割が再び多くなったことを表しています。
「学生」も同様で、社会人になって途切れる人もいる一方、趣味で何かを学び続けたり資格の取得に挑戦したりしていれば、その太さを変えながらもずっと続いていきます。
近頃は、企業による“リスキリング”に注目が集まっていますが、生涯学習やリカレント教育が一般化することで、年齢に関係なくいくつになっても学ぶ機会が増えていくかもしれません。
「配偶者(パートナー)」や「親」といった役割は、ある人もいれば、ない人もいます。
他にも、「余暇を楽しむ人」や「職業人」等の役割が挙げられています。
税金を払い、選挙に行く「市民」という役割。地域活動に積極的に参加するなどして、この役割が太くなる人もいるでしょう。
年齢によってあるいは環境に応じて、私たちは複数の役割を担いながら生きています。
その組み合わせの全体像が「キャリア」といえるのだと思います。
《やってみましょう》 今の役割、あなたはいくつ?
せっかくなので、ここでみなさんの持っている役割も一緒に考えてみましょう。
改めて質問させてください。
「あなたは今、いくつ役割を持っていますか?」
上の図にある役割の中から考えても、自分なりの表現で新たな役割を命名してもいいですよ。
誰もが、なにかの役に立つ役割や自分を満たすための役割を持っています。
「自分にはどんな役割があるのかな?」と、楽しみながら考えてみることをおすすめします!
役割がリストアップできたら、自分の時間を“100”として、どんな割合で役割に従事しているのかを考えてみてください。
日・週・月・年など、自分で把握しやすい単位でいいので、それぞれの役割にどのくらい時間を使っているのか、その割合(%)を可視化してみます。
役割の適切な配分を考えれば「ありたい姿」も見えてくる
実は、研修でこのワークを行うと100%を超過してしまう方が続出します。
漠然と抱えていた役割を洗い出し、その配分を数値で可視化すると、
「そりゃ、毎日くたくたになっちゃうのも当然だ」とか
「今、自分が一番に考えなければいけないのは時間管理だ」
といった具合に、現状や課題が見えてきます。
「じゃぁ、心身に無理のない範囲で、やるべき役割を果たすための適正な配分は?」というところに目がいくようにもなります。
そして、数年後にはどんな配分にしていきたいか、新しく増やしたい役割は何か、手放したい役割は何だろう、より大きくしたいもの、できれば小さくしたいもの…などなど、「役割」を軸に考えてみると、今の自分にとっての理想のかたち、未来のありたい自分も見えてきますね。
簡単にできるワークなので、人生の節目や転機を感じたときにぜひやってみてください。
「役割」を知ることで、自分なりのカラフルな生き方やありたい姿が見えてくるといいですね。
mezameは「健康」と「キャリア」の両輪で、
はたらく女性を支えるプログラムです
さんぎょうい株式会社が提供する“mezame”は、産業保健師と国家資格キャリアコンサルタントがタッグを組み、
*女性の健康知識とキャリアプランニングの基礎研修
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