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自分に残された時間についての悩み、2冊の本が救ってくれそう
10歳から飼い始めた愛犬「モン」が18歳となり、2024年の7月に一度危篤となった。いつもそばにいる当たり前の存在で、
全然面倒を見ていなかった私だが、
いざ本当にいなくなってしまうかもしれないという場面に遭遇して
今までのモンとの過ごし方が正しかったのか、とすごく後悔した。
その後モンは奇跡的に元気になり、今も一緒に暮らしている。
危篤になるまでは、18歳と思えないほどの体力と足取り。
若々しかったその姿は、嘘のように老けてしまい
今では寝てばかりの日々を送っている。
私たち家族は残り少ない時間を取り返すように、
モン一匹を独りぼっちにさせないように
家族で予定を調整して家を空けないようになった。
モンが喜ぶのはわかっていたけど、
暑すぎるとか疲れたとか理由をつけて、
サボりがちだった散歩も、
今になってボケ防止のために晴れの日は欠かさず、
しかも白内障のモンの視界の良い明るい時間に行くようになった。
これってモンが若い時にもっともっと散歩に行くべきだったのでは?
もっと元気な時にモンも一緒に家族全員で外出すれば良かったのに、
なんでモンをお留守番させるのが当たり前になってたんだろう?
モンにはなんの関係もない、
人間の事情に振り回してしまったので、申し訳ない気持ちだ。
この「なんでもっと早くこうしなかったのか」
「なんでモンが年老いた今になって散歩に必死に出しているんだろう」
「なんでもっと元気なうちに…」
と考えるうちに
「自分も将来、同じように後悔するのだろうか」
と考えるようになった。
自分の時間をどのように使えばいいのか、
ぐるぐると考えるようになり二つの本に出会った。
①DIE WITH ZERO
これは、お金の勉強の本でもあるが、
いかに資産を大きくするかという本が多い中、
これは人生の最後を資産0円になるように死ぬにはどうしたらいいのか、という視点だ。
社会人になって6年になるが、社会人2年間ごろにFIREという概念を知ってからずっと、「1秒でも早く労働から解放されたい」と思って生きてきた。
頑張ってNISAにも取り組んで、毎日のようにyoutubeで資産運用の動画を見て勉強して、コロナの流行も相まって旅行に行く機会も減り、私の財布のヒモは硬く硬くなっていった。
でも、この本を読んで
これが若いときにしか得られない経験や充実感をドブに捨てているとしたら?
私は未来の自分のためにせっせと貯蓄しているのに、未来の私に「あのとき貯蓄なんて二の次でよかったのに」なんて思われたら最悪!と思うようになり、自分のやりたいことを改めて書き出してみることにした。
これを機に、自分がやりたいと思ったことを今から取り組むつもりだ。
今年定年退職をするか、あと半年長く働くか迷っている父にも、この本を勧めた。まだ読んではないみたいだが、私から聞いた概要でコンセプトはだいぶ気に入っていったようだ。定年後やりたいことと必要な時間や体力について家族でも話すようになった。
②あっという間に人は死ぬから
1冊目を読んで、お金の使い方への姿勢についてはよく理解できた。
じゃあ時間は?気づくとスマホに溶けていく時間はどうすればいいの?となり、2冊目へ。
人が充実感を得るキーは「自分で決定したか」がキーだそう。これを読んで、なんで社会人になってこんなに必死になって、FIREしたがっているのかわかった気がした。
「自分で決めてないから」
高校も、大学も自分の意思で自分の行きたいところに進学した。
高校受験はボロボロの公立高校の学生たちに惹かれて、絶対その一員になりたくて、「ここに受からなかったら留年してもいい」と言ってたほど夢中だったし、大学は海外に進学したが、父に反対されて「日本の大学受験から逃げてるだけ」「日本で就職できない」とか言われても、それに聞く耳を持たず「いいの!英語を勉強するんじゃなくて、英語で勉強がしたいんだ」とろくに英語も喋れないのに押し切って進学させてもらった。
それが、就職活動になった瞬間、自分がやりたいことがわからなくなって、ヤケクソで就活した。ボスキャリなども活用して、興味があるもの、ないものに関係なく80-100社くらいエントリーした。その中でやっと掴んだ唯一の内定。その会社で今まで6年もお世話になっているのに、どうやらいまだに割り切れず「内定が取れなくて仕方なく入った会社」のままだ。かっこ悪いなぁ(笑)
でも、転職すれば解決、ということでもないと思っている。自分のやりたいことをはっきりされて動かないと、また別の会社でも「仕方なく入った会社」と思ってしまうだろう。会社だけじゃない、自分の生き方も「他に生きていく術がないから、仕方なく会社員をやっている」というスタンスから抜け出さないと私はずっと苦しいのかもしれない。
終わりに
犬の病気の話から始まって、自分が労働から逃げたい理由で終わるなんて、なんだか暗い話?に見えるかもしれないが今、私の心は明るい。
「未来の私は「なんでもっと早くこうしなかったのか」と思うのだろうか」という悩みへの対処法を資産軸・時間軸で得たから。
もっとモンが若いときに沢山一緒に出かければよかった、
学生時代なんで週末に昼まで寝てたんだろう、
みたいな既に取りこぼしている充実感や経験は多分いっぱいある。
でも、ここからは自分で日々あれこれ実験する中で、
自分が本当に充実することがなんなのかに気づいて、
時間とお金をかけ方を「自分で決める」だけだから。
あれこれ実験する、と書いたのは私が自分の「好き」に自信がないから。
でもこの話は、また別で書くこととする。