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自分の言葉を聞く

自分の言った言葉にはっとするときがある。そうそう、そうだった、たしかに、と思う。

「あなたの話す内容に興味があるんじゃなくて、あなた自身に興味があるんだよ」と言って、そのあと、そうなんだよ、と噛み締めた。自分がおもしろい話を相手に提供できないと不安、みたいな話をしてくれた彼にそう言った。どれだけネガティブな話でもいいから、あなたのことを教えてほしいとわたしは思った。よく言った、わたし、と褒めてやった。

「あーやばい、泣いちゃう」と独り言をこぼした夜、そのまま涙もこぼれていたことがある。ただ悲しかったというわけじゃない。わたしの言葉を聞いたわたしは、あ、わたし、今つらいんだ、と気づいた。気づいた途端に泣いていた。

言葉にすると気づくことがある。曖昧なものがハッキリして、もう一度認識する。言葉は曖昧なままにしてくれない一方で、枠をつくって教えてくれる。言葉を紡ぐと自分のことがわかるんだね。

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