モバイルバッテリーを高校生に貸した。

この文章は何か。
タイトルの通りである。
モバイルバッテリーを高校生に貸した話だ。

とある日の夜11時。
最寄りの改札を出て階段を降りてすぐに声をかけられた。

「すみません、モバイルバッテリー持ってますか?」

「はい、持ってますけど」

「モバイルバッテリー、貸してもらえませんか?」

声をかけてきたのは、
坊主頭の部活帰りの男子高校生だ。
その横に私服の同い年くらいの男子もいる。

見知らぬ人に声をかけるくらい困っているならと
「はい、いいですよ」
とすぐに承諾した。

その日から数日。
今日、モバイルバッテリーが返ってきた。
本当にありがとうございましたという言葉と、
4つのメモリのうち一つだけ減ったモバイルバッテリー、
温かいミルクティー、
それに高校生の友達5人を引き連れて。

貸した高校生に十分過ぎるほどお礼をされた。
私、そんなに大したことしてないよと思うほどに。
でも、ありがとう。気持ちめっちゃ伝わった。私も貸してよかったなと思えた。

引き連れてる友達も
「もぅ、頭上がんないっす、まじでこいつ、すげぇ助かったっす」
と茶々をいれつつ話してくれた。

その光景を見て思った。
いつどこで会ってモバイルバッテリーを返してもらうのかをLINEで話していた時に、
貸した彼も色々悩んだんだろうな。
しかも、モバイルバッテリーを貸してもらうというのはやっぱり衝撃的な出来事だったんだろうな。
だから、友達に話して相談して。
その友達も面白がりつつでも、返す時には心配と少しばかりの野次馬心を持って着いていく。
良い友情じゃないか!
久々に人との繋がりを客観的に、しかも、間近で見た気がする。

いい出会いだった。
ありがとう!
人との出会いはいつ、どこに転がっているかわからない。
実は、貸した彼に声をかけられた場所は家の方面とは逆の出口。
その日はたまたまちょっと散歩しようと思って反対側の出口を歩いていたところを声かけられたのだ。
本当に偶然。

モバイルバッテリーを貸してからの日々は
日常では話す機会がなかなかない
高校生との関わりというスパイスが足されて、楽しかった。

出会った高校生よ、部活がんばれー!
そして、いつでもモバイルバッテリー貸すよ!



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