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プロトタイプストーリー作りから始めるWebサイト設計:ノーコードにも活かせる準備術(4)サイト構築に向けて

これまでの(1)〜(3)のプロセスでストーリーを作りました。ここからはサイト構築向けてのお話です。


ストーリーをサイトに落とし込む

ストーリーから、サイトに必要な要素が見えてきます。先ほどのヨガスタジオの例で見てみましょう。

ストーリーから見える重要な場面:

ここから1から3の要素に対して、サイトがどの流れで、どの場面でどんなコンテンツで、ユーザーに体験を促せばよいかを考えていく必要があります。その結果が次の内容です。下記がヨガ教室の例です。

大切なのは、ユーザーの気持ちの流れに沿った、自然な導線を作ること。最小限の要素でスタートし、徐々に改善していくのがおすすめです。

ビジュアルとコンテンツの具体化

ストーリーを基に、具体的な表現を考えていきましょう。ストーリーの中で描いたペルソナの気持ちを常に意識することがコツです。

写真・コンテンツはもちろん、言葉選びも重要です。例えば「初心者歓迎」という言葉では、「私に寄り添ってくれるサービス」を探している人の気持ちには届きにくいかもしれません。その場合、「初めての方も安心」という表現や、「予約はこちら」を「まずは体験レッスン」に変えるなど、より気持ちに寄り添った言葉を選びましょう。下記はヨガ教室の場合の例です。

このように、ストーリーで描いた体験を、視覚的・感覚的に伝えられる表現を選んでいきます。すべての要素が、ストーリーに沿うことが大切。ここでは、「初めての人の不安を解消し、一歩を踏み出せるように」という目的に向かって一貫していることが重要です。

まとめ:プロトタイプストーリー作りの難しさと解決のヒント

ここまで見てきたように、プロトタイプストーリーを作ることで、サイトに必要な要素が自然と見えてきます。ユーザーの気持ちの流れに沿って、必要なコンテンツや機能が明確になり、さらには具体的な言葉遣いやビジュアルまで導き出せるのです。
しかし、実際にストーリーを作る過程では、いくつかの難しいポイントがあります。特に以下の3つが重要な課題となります。

インサイトを見つける難しさ:最も重要で、最も難しいのが「インサイト」の発見です。 例えば、「ヨガを始めたい」という言葉の裏には健康のため? 美容のため? ストレス解消? それとも別の理由?本当の動機を理解することは簡単ではありません。
解決のヒント:有表面的な言葉だけでなく、「なぜ?」を3回繰り返して考えたり、SNSでの何気ない呟きや会話に注目しましょう。また、自分の経験も大切な参考資料として活用しましょう。

ペルソナの具体性の確保:ありがちな失敗が「あれもこれも」と欲張りすぎて、現実味のないペルソナになってしまうこと。 その場合には、実在の人物をベースに考えて、 1つのペルソナに詰め込みすぎない ようにしましょう。

ストーリーの現実味:理想的すぎるストーリーは、かえって共感を得られにくくなります。 完璧な解決ではなく、現実的な改善を描いたり、具体的なエピソードを入れてみましょう。いろんな人に見せてみるというのも一案です。

これからストーリー作りを始める方へのアドバイス

まずは身近なところから人の行動や動きに関心を持ちましょう。
自分の経験、友人や家族の話、 職場での会話、これらも立派なインサイトの源です。

そして、完璧を目指さないこと。まずは大まかに書き出して、 徐々に具体性を高めて、 必要に応じて修正を重ねましょう。もしチームで作業をするのなら内で共有しましょう。異なる視点からのフィードバックは 新たなインサイトの発見となりストーリーの説得力向上につながります。

結局のところ、良いストーリーは「説得力のある嘘」ではなく、「共感できる真実」から生まれます。だからこそ、机上の空論ではなく、実際のユーザーの声や行動をよく観察し、そこから紡ぎ出していくことが大切なのです。

プロトタイプストーリーは、完璧な物語を作ることが目的ではありません。ユーザーの本質的な課題を理解し、より良いサイトを作るための道具として活用してください。そして、実際のサイト公開後も、ユーザーの反応を見ながら、よりリアルで効果的なストーリーへとアップデートしていけばいいのです。
さあ、あなたも自分のプロジェクトのストーリー作りを始めてみましょう!


もしもストーリー作りが負担なら…

UXリサーチの知見を使う!個人開発者向け プロトタイプ ストーリー 実践ガイドという記事も書いています。こちらは有料かつアプリ開発のためのストーリー作りがテーマ。でも、この記事で作られた材料集め、ストーリー作り、サイト構成案までのプロンプトが多く収録されています。ぜひご覧になってください!


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