最近の記事

西洋古典学の読書案内

Andocides: On the Mysteries (MacDowell: Oxford 1962) Antiphon: Against the Stepmother, Tetralogies (Gagarin: CGLC 1997) Aeschylus: Agamemnon (Raeburn and Thomas: Oxford 2011);Choephori (Garvie: Oxford 1986), Eumenides(Sommerstein: CGLC

    • ビザンツ学の読書案内

      *Akathistos Hymn Alexios Makrembolites: Dialogue between Rich and Poor *Anna Komnene: Alexiad Prol., I, III, VI, XIV 7, XV 11 Andrew of Crete: Great Canon Anthologia Graeca I, XV 1-20 and 28-50 Barlaam and Joasaph 1-6, 16-49 Basil of

      • カエサル、ヘラクレス、そして理想郷:フランス革命における古典的熱狂

        共和暦二年実月十四日(西暦1794年8月31日)、ロベスピエールの首が落とされて一月余りが過ぎた時、勝利の混沌が各々の企みを抱えるテルミドール派の間で混乱を生み出していた。ジャコバン派の怪物は首を切られたものの、フランスはまるで崖っぷちでふらつく酔っ払いのように不安定であった。公安委員会の暴政は終わりを告げたが、新たな暴政がどこかの隅から突如として現れないと誰も保証できなかった。パリの空気は血の臭いが少し減ったかもしれないが、餓えを感じていたのはギロチンだけではなく、「全面限

        • 歴史から歴史科学への転換:実証主義歴史学派の軌跡

          多くの西洋諸言語における「歴史」という語は、ヘロドトスの「Ἱστορία」に端を発している。その最も原初的な意味は「調査」であり、古典期より人々はこの最も基礎的な意味に従った実践を継続してきた。啓蒙運動の思想が人と時間との関係を根底から覆すに至り、「歴史」という語は、単に歴史という現実の存在を指すものから、人々がこの現実に対して抱く思索をも意味するように次第に変化していった。歴史における過去の研究は、将来に対する啓示として利用可能であるため、歴史は自らの運命を制御したいと願う