底辺から立て直す人の話5
前回は発作で倒れて会社を辞め飲み屋のお手伝いが決まったとこまで。ここからは去年の話になるので結構時系列が今に追いついてきた。記憶も鮮明かと。
飲み屋の裏方をお手伝いする事が決まって少しすると、そこで知り合った人に電気屋さんの仕事してみないかい?とお誘いを頂いた。電気屋さんといえど、現場仕事がメイン。大きい施設の電工だったり。新築の家の電工だったり、前にやって土木の仕事の後後の工程に携わる仕事だ。配線等は興味があったので即答でお願いをした。飲み屋は次の日電気屋さんが休みの時だけにしてもらった。お酒が入ると朝抜けてなかったり起きれなかったりで仕事に支障をきたすためだ。電気屋さんは今までの仕事で1番稼げた。貯金もできた。貯金のある心の豊かさを知った。元々社畜の自分は残業は全然苦ではなかった。休みをちゃんともらえてたから尚更平気だった。昼間の仕事は何をしても楽しい。体を動かすのが本当に楽しい。
やっと安定したか。と、思ったでしょ?そんなわけも無く。クソな事はまだ続きます。
たまに手伝いに行ってた飲み屋のミーティングでの一言「もうお前も従業員なんだから客を呼べ」そう。勝手に所属扱いにされていたんです。そこからが悪夢の始まり。次の日日勤だから深酒出来ないと伝えてても、飲む量が少ないだの、オーナーの酒癖が日本酒の時だけにとびきりに悪く。日本酒で酔った日は高確率で殴られた。顔にアザを作って日勤に行くはめに。会話はたわいもない会話でいきなりキレだす。他店のFTMが働いてる店は集客がいい。その子達は何年も前からやっている心たちだ。お前もそうなれと言われた。「あの子達はすごい。俺にはまだまだできないけど頑張ります」と、あの子達への尊敬の意味を込めての発言にキレられた。「舐めたこといってんじゃねえよ。甘えんな」と、殴られた。「客を捕まえるために電気屋の休憩中に名刺を配れ。俺はそうやってきた。だからお前もやれ」と言われる。もちろんそんなの常識的に許される訳もなく、昼職の上司に話すと「そんな事したらもう使わないよ」と、言われる。あたりまえの返事だ。案の定店では「配れと言ったのに配らない努力しない奴」と、オーナーは客に愚痴をこぼす。
ここのオーナーの特徴はスタッフの女の子の愚痴や、プライベートのことなどを仲のいい客に全て話してしまう。飲み屋の常識的に考えられないことだ。飲み屋は夢を見せる場所、本当ならば嘘をついてでも女の子を立てて客を付かせるのが普通。でもここのオーナーは女の子が努力して掴んだ客にその子の悪口を言って、客を話していく。そして客は呼んでも来なくなるのは当たり前でそうすると「努力が足りない。そんなんじゃ給料と合わない」という。努力してもそれを台無しにしてるのはオーナー張本人だ。プライベートな事を客に話すのを辞めてくれと俺が伝えた時は数日はよかった。またすぐに客の前でプライベートな話をしはじめた。知られたくない事だってある。そちらは身内みたいに付き合ってきたかもしれないけど、こちらとしては身内でもなんでもない。ただの客だ。赤の他人だ。客に知られれば噂もたつ。噂もたてばデマも流れる。それでどんな思いをしてきたかもオーナーは理解できないだろう。オーナーの話から噂になり噂がデマになりそのデマをオーナーが信じてキレてくる。元も子もない。元凶はあなただ。
その流れは飲み屋だけにとどまらず、俺の昼職にまで及んできた。俺が他の電気屋を手伝ってるとか、行ってもいない電気屋に行ってるとかデマが流れ始める。電気屋さんも沢山あって仲の悪い会社同士もある。まさかのそこに俺が行ってるというデマをながしたのは、オーナー張本人だ。それが使ってくれてた電気屋に広まり、険悪になる。俺も行きずらくなる。俺が否定すれば尚あやしくおもわれる。でも真実ではない。夜も昼もプライベートも仕事もかき乱してるのはオーナーと、ママとそこからの繋がりの電気屋さんなのも俺は全て知っていた。本人達は俺にバレていないと思ってカマをかけてきていた。そんな事も俺はわかっていた。だから、逆にデマを流した。話のルートを確実に見るために。そしてカマを掛けてきた違う電気屋さんに釘をさした「何処から話がきてどう話が流れてるか、わかってるからね」そう伝えると何も言ってこなくなった。そんなものだ。バレてないと思っていたからの今までの会話である。
何年にもわたって、クソな会社でクソな扱いをされてきてもう嫌気がさして、北海道を捨てようと思った。引っ越そうかなあとは思ってはいたんだけど、まだ何処にするかもきめてなくて、何時にするかもきめてなかったんだけど、家の大家さんと仲のいいうちのオーナーは勝手に「あいつ引っ越す気だよ」と、勝手に伝えていた。話も勝手に進んでいて日にちも大体この日くらいと言われていてそれを信じた大家はもちろん俺に連絡してくる「〇日に引っ越すんだって?もう次の人決まってるんだけど詳しい日にちわかったらおしえて」あたりまえの反応だ。でも俺は断言もしていなければ、まだ何も決めていない。またオーナーの勝手な行動だ。大家さんにもオーナーが勝手に話しただけでまだなんも決めてないんですとつたえると一変「そんなの困る決めてくれないと」と、怒られる。それも当たり前だ。でも、当たり前ではあるけどオーナーの話だけを鵜呑みにしないで住んでる俺本人に確認を取ってから話を進めるべきでは?俺は間違っていたんだろうか?
そんな話もあり、尚更引越しを「早くしたい」という気持ちと「早くしなきゃ」という気持ちでぐちゃぐちゃだった。貯金もあったけどそう何度も引越ししてられない。どうせ引っ越すなら北海道を捨てよう。と、思うようになって誰にも相談せず、誰にも教えず、住む場所を決めた。引越し業者もたのんだ。引っ越す日は手続き上、不動産には伝えなきゃならないので不動産だけにはつたえた。あ、あとライフライン関係も。でも1度地元に住所を移し、そっちに移動した事にして即座に今住んでる場所にさらに住所を移して跡を追えないようにした。手続きの書類が即日発行できないということで、数日ホテル滞在をして書類をもらった足で目的地に向かった。親族にも地元の人間にも住んでた街の人間にも言わずに街を出た。引越し先の住所に不動産からの「手続きが全て終了」の葉書が来た日に、31年間で知り合った北海道の人達の電話番号を全て着信拒否。LINEもすべてブロック。Facebookはアカウントごと削除。Twitterにいた人はブロ解。ゼンリーはもちろん削除。自分の情報を知られそうなものは全て削除した。
北海道の人間とは全て縁を切りました。
そして今の土地での生活をはじめました。人生31年目にして、新しい人間関係を作り始めました。全ての嫌な思い出も関係も捨てて。やりなおすんだときめて。北海道での人生を捨てました。後悔は1ミリもありません。開放感しかありません。足枷と首輪が外れたような感覚です。
新しい土地にいくのは勇気が居ることだとおもいます。人間関係を遮断するのも勇気が居ることだとおもいます。俺もここまで追い詰められなければ、ここまでクソな人生でなければ、ためらったとおもいます。人間落ちるとこまで落ちればもう失うものもないと思って吹っ切れます。あと失うとすれば命くらいです。命があればあとは捨ててもどうにかなります。どうにかするもんです。命を捨てようかとも思いました。こんなクソな人生頑張っても意味無いと思っていたので。人生捨てようと思ってました。けど、どうせ命を捨てるくらいなら捨てる前にやれるだけあがいてみよう。命を捨てる前に、北海道では見れない景色をみよう。北海道では経験できない体験をしよう。まだ捨てるには早いかな。もう少しボロボロになるまで使ってみよう。と、思えたのが今も生きてるきっかけです。消えてしまうきっかけも、踏みとどまるきっかけも、人それぞれです。
俺のこの文章を呼んで、こんな底辺なやつでもまだ足掻こうとするんだな。じゃあ自分もまだなんかやってみようかな。って思って貰えると嬉しいです。