気がつけば 今 五郎の生き方
「HIPHOPの先人たちが埃だらけのまま放置されたヴァイナルの山から良質のグルーヴやフレーズを見つけたように、五郎はゴミクズや石を駆使して愛の城を建てた」
ROKUGO dpt.
田中 邦衛(たなか くにえ、1932年11月23日 - 2021年3月24日)は、日本の俳優。岐阜県土岐郡土岐津町(現:土岐市)出身。
映画・若大将シリーズで青大将、テレビドラマ『北の国から』で黒板五郎を演じ、国民的俳優となった。他にも「網走番外地シリーズ」「仁義なき戦いシリーズ」『居酒屋兆治』『タスマニア物語』など多数の映画やドラマに出演。『学校』の演技で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、『子連れ狼 その小さき手に』の演技でブルーリボン賞の助演男優賞受賞。旭日小綬章受章。
出典: Wikipedia
田中邦衛氏の永眠
今年4月。
私は得体の知れない大きな虚無に駆られた。田中邦衛さんが静かに亡くなったことが報じられたからだった。
なぜだろう?
私は今年43歳。田中邦衛世代とは言えないはずで、どちらかというと幼い頃はとんねるずやダウンタウンのお笑い番組が一世風靡しており、ドラマ「北の国から」はさほど本気で見るタイプではなかったように思う。
同世代の仲間と話をしていても大体そのような反応で、どちらかというとフジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげです」でパロディーコントを見て育った世代と言える。
若かったし、弾けた時代でもあったので、それほど本家の方には関心がなかったように記憶をしているが、それでもスペシャル版の放映時には家族がリビングに集まり鬼の集中力で見ているドラマだった。私は横目にチラッと見ていた程度で、すぐにパロディーになるので、その予習として見る感覚だった。
一つだけ、自分にとっての田中邦衛さんと北の国からにまつわるエピソードがある。ちょうどこの「92 - 巣立ち-」の頃だったと思う。
METH少年中学一年生の冬だった。
当時、我が斜里町ではポテトスタンプというポイントクーポンが盛んで、様々なイベントや賞品などで盛り上がっていた時代があった。還元率が高く、切手のようなスタンプを台紙に貼り一冊貯まると500円分の買い物が町内でできるというものだった。
そのポテトスタンプ主宰のスキー旅行に同級生数人と参加したことがあった。
当時はスキーリゾートブームの真っ只中、行き先は富良野スキー場で宿泊は泣く子も踊る新富良野プリンスホテルだった。
そのホテルのコンビニに夕食後に買い物に行った時だった、店には私達の仲間数人だけだったはずが、商品棚の向こうにただならぬオーラを纏った男性二人が同じく買い物しているところが目に止まった。
その男性こそが新富良野プリンスホテルの浴衣に身を包んだ「田中邦衛」さんだった。そしてもう一人はドラマ中「仲ちゃん」の愛称で登場する「地井武男」さんだった。
私たちが買い物を済ませるとエレベーターに向かったが、エレベーター待ちをしていると、同じく買い物を済ませた二人も私たちが待っているエレベーター前で一緒に待つ時間が生まれた。
当時、特に思い入れもないはずの二人だったはずなのに一同固まってしまった。
エレベーターが着き、扉が開くと二人はエレベーターに乗り込んだが、私たちはオーラに圧倒されて乗ることが出来ずにただ唖然としていた。
すると、田中さんが扉を押さえ、地井さんが手でおいでとしてくれた。
二人が乗るエレベーターに同乗してしまった、
息を飲む空気感だった。
降りた後はホッとしたような、興奮したような気持ちだった。
それだけが、唯一田中邦衛さんと接触した思い出だった。
”40年間の日本”
話を戻し今、私たちは現代を生きている。
世の中は、今頃になってやっと気づいたかのようにサスティナブルとか、SDGsとか、オーガニックとか、ローカルなどが話題となり、自分が住む知床の地域でも盛んに耳にするようになってきた。移住者も近年加速傾向にあり、ローカルを主体にした取り組みが地元人と地元以外の人たちとで様々な取り組みが行われている。
「資本と消費行動が生活の中心にある社会」
と、
「環境に負荷をかけない、昔ながらの生活」
がコントラストを強めている現代、さらにはこのコロナ禍とあり、未来への生活にまつわる様々な議論が絶えない世の中になった。
この「北の国から」というドラマのベースにある魅力は、その二つの生活における考え方をドラマを通して表現しているところではないかと思う。
確かに、昭和や平成初期に多感な少年期を過ごしてきた私たちの世代は、東京などの都市部に強い憧れを抱く事象に溢れる中央集権社会の渦中にある世の中だった。
自分も例に漏れず、90年代後期に田舎を飛び出し都会生活を続けてきたタイプだ。
ドラマの初期で「純」が抱くジレンマは都会からの「都落ち」を強く感じさせる役柄で、一方まだあどけない年頃の「蛍」は都市生活の中での闇の経験も相待って、富良野の山奥生活に順応していこうとする強さが表現されている。
ドラマがスタートした81年当時は、高度経済成長期の真っ只中で、世の中は浮かれた状態にあったことを考えると、このドラマが伝えようとしている、「自然環境とともに共存する原始的な生活を見直す大事さ」という普遍的なメッセージを、40年という時代を経ても尚、強いメッセージとして現代に残していることに何より感銘を受ける。
主役でありアイコンとなる黒板五郎は、経済的な貧を貧ととらえず、家族の絆と愛こそが豊かさだとテレビ画面を通して私たちの心に問いかける。
釧路の画家”GENTA TANAKA”と意気投合し実現したTシャツをドロップします
象徴的にドラマという大衆的な方法で表現され私たちに今尚気づきを与えてくれる歴史的なドラマに尊敬の念を抱き、黒板五郎を初め、登場人物達に敬愛の意味を込めて、
道東に生まれ都市生活を経験し道東に戻ったストリート育ちのB-BOY二人で、HIPHOPの手法とマナーを最大限に考察して愛情とこだわりを詰め込んだプロダクトが形になりました。
電話でのミーティングでは本質に迫ることができないと察した二人は、風呂ミーティングを重ねアイデアを煮詰めました。
私たちストリート住人にとってかけがえのない某ブランド、そして北の国から共に、好きで好きでたまらないものを、双方の素材の魅力を最大限に引き出し、組み合わせて完成されたこのTシャツは私たちにとっての学びと愛の結晶といっても過言ではないほどです。
今年、黒板五郎役を務めた田中邦衛さんの静かな死を持って気付かされた私たちが何かを表現したくなった衝動はこのような形で生まれました。
このプロダクトをご購入いただいた皆様にとっても「My北の国からシーン」の想いとともに着用いただき、それぞれが楽しんでもらえたらなによりの喜びです。
サイズ: S.M.L.XL.XXL
カラー: White(白)/Ash(グレー)/Navy(紺)/Red(赤)
ボディー: Fruits of the loom (XXLのみ「Alstyle社製」になります* 画像のイメージと印象が異なることがございます。)
プリント: シルクスクリーンプリント(GREEN WOOD)
・price: ¥4,950(taxin)
・Body color: White/Ash/Navy/Red
・Body: Fruit of the loom
【2022 6.5 追記】
また新たにアイテムが増えました。