2月に読んだ本でよかったやつ

2月に読んだ本でよかったやつを、多少の備忘録とともに書き残しておくやつです。


西尾維新「掟上今日子の推薦文」

眠れば全てを忘れる、最速の探偵・掟上今日子シリーズ第二弾。
語り部兼依頼者の変わった今回は、芸術がテーマ。
飄々としていながらもとっさの判断は機敏で、掴みどころの無い今日子さんがとにかく可愛い。
ミステリとしての仕掛けがあっと驚くタイプのストーリーではないのですが、軽妙な会話と魅力的な今日子さんのキャラクターで楽しく読めました。


長門知大「将来的に死んでくれ 第4巻」

あしらわれ系百合漫画、として十分評価高いが、俊がとにかく可愛いだけでも突っ走れるくらいには俊の可愛さがすごい。
オリバーくんだけ全然話と関係なくて笑ってしまった。


村上春樹「1Q84 BOOK1」

クールビューティーな女性青豆と、予備校講師をしながら小説家を志す天吾、ふたりの人間の視点からそれぞれの物語が動き出す。
BOOK1では明確にふたりの物語が交わるわけではないものの、明らかに重なり合っている部分がいくつもあり、どういう構造になっているのかとにかく興味深いです。
青豆パート、天吾パートのいずれもきな臭い雰囲気が漂う中で、全貌が見えないまま、それでも確かに前へ前へと進んでいく物語がおもしろく、楽しく読めました。
村上春樹さんの作品はいくつか読んできてピンとくるものがなかったのだけれど、これは良いですね


貴志祐介「クリムゾンの迷宮」

とてもおもしろかったです。
400ページ近いホラー小説で、「重いのでは……?」と思いながら読み始めたものの、思ったよりも読みやすい文章ですごく良かった。
ホラー小説というか、規模の大きなデスゲームといった調子で、人間の恐ろしさをはっきりと浮き彫りにするように描いていたのが印象的だった。
物語展開もおもしろく、次はどうなるのか、このピンチは脱せるのだろうか……と息づく間もなくハラハラさせられる。
読みながら一緒に緊張してしまうような感覚だった。
貴志祐介さん初めて読んだけど、良いな……。


紙魚丸「惰性67パーセント 第5巻」

だらだらと惰性に満ちた大学生活を浪費しつつも、就活の話題が出たり、付き合う者の話が出たり、話が進んでいる実感もある。
北原が、髪切って、また伸びてきてるのが凄くいい。


白鳥士郎「りゅうおうのおしごと!10」

女流名跡リーグ進出を狙うあいちゃんの一戦、そして小学生の将棋大会『なにわ王将戦』を描いたJS研編。
物語のメインに据えられたのは子どもたちながら、大人たちの血の滲み出る戦いに勝るとも劣らぬほどの熱さがありました。
やはりめちゃくちゃおもしろい。
これまで作品の脇を固める賑やかなキャラクターの枠に収まってきたJS研が、初めて本気の本気でぶつかり合う様子が描かれておりますとても感動しました。
そしてJS組が健気に将棋を楽しむ中で、これまで暗雲立ち込める中でもがき続けていた銀子が、いよいよ……もう……。

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