4月に読んだ本でよかったやつ
4月に読んだ本でよかったやつを、多少の備忘録とともに書き残しておくやつです。
神田夏生「君がいた美しい世界と、君のいない美しい世界のこと」
久しぶりにラノベで泣いた。
高校卒業寸前に最愛の恋人を病で亡くしてしまった男の子が、運命を『リセット』するための旅に出る物語。
高校1年生で出会い、2年生で付き合い始め、3年生で死別することとなる恋人の女の子・緋花里がとにかく魅力的で可愛らしく、主人公とのイチャラブっぷりが幸せすぎて最高。
だからこそ、彼女と死別したことによる身を引き裂かれるような哀しさ、辛さもまたダイレクトに読み手に襲いかかってくる。
恋人を失ったという前提から作品全体を包み込む雰囲気は切ないが、緋花里との日々の回想や『リセット』の秘密を知るクレセントとのやり取りはコミカルで読んでいて楽しさもある。
クライマックスでは涙腺をマシンガンで掃射してくるみたいな感覚で、とにかくこの世界一幸せそうなカップルの物語を読めたことが何よりも幸福なことだと思います。
本当に、良かった。読み終えて完全に呆けてしまった。すごかった……。
桂明日香「レディ・ハニカム Side story of “Honey Comb”」
一時閉店中の「ハニカム」メンバーが、とあるきっかけでホテルで働く話。
「ハニカム」の時と変わらないキャラクターたちに可愛いと思いながらも、ところどころSDっぽく描かれるキャラクターたちに若干の作風の変化を感じつつ。
りっちゃんトッキーのヒロインツートップが他の追随を許さぬ可愛さなのはもちろんのこと、魔性の女こと萌さんも独特の可愛さがあって……好きです。
ホテル側の新キャラに軸を置いたストーリーになったせいかもしれないけれど、見るからに妙子さんの出番が少なく、新作の中では完全に持て余されてしまってる感が多少……。
「ハニカム」としてはたぶんこれで正式に完結なのだろうけれど、欲を言うならばもっとずっとこのじれったいラブコメを見ていたかったし、御手洗には誰かとちゃんとくっついてほしかったような気もするけれど……。
まずは、待ち焦がれた新作を読めたことを、嬉しく思います。気づくのはだいぶ遅れましたが……。
桜場コハル「みなみけ 第18巻」
ゆるいゆるい日常を描いて、18冊目。
ラーメン屋にひとりで並ぶアツコがかわいい。
ハルカの「お菓子をむさぼりながら健康を語ってる……?」ツッコミ好き。
カナのそっくりさんがかわいい。
タケル……。
0.1キロやせて大喜びするハルカめちゃくちゃかわいい。
カナとケイコは仲良し。
新八角「ヒトの時代は終わったけれど、それでもお腹は減りますか?」
合成食糧や電子ドラッグが横行する荒廃した24世紀を舞台にした、なんでもおいしくたべちゃうグルメラノベ。
実在しないような食材を描いていても、キャラクターたちのリアクションでしっかりおいしさが伝わってくる感じ。
狩人と天才料理人の女の子コンビはやりとりがコミカルで読んでいて楽しい。
SFな世界観で登場人物たちの中には「実は……」な設定を持つ人が多いのだけれど、ちょっと多すぎて後半は驚きがなくなってしまったかなって……。
グルメネタ・SFネタが先行して、肝心のストーリーに惹き込むものが薄かったかなとは……。
辻村深月「スロウハイツの神様(上)」
人気作家や駆け出しの脚本家などのクリエイターやその卵の集まるアパート「スロウハイツ」を舞台にした物語。
それぞれが創作に向き合って、時には厳しい言葉も飛び出してきて、曲がりなりにも創作に興味を持つ身で読んでいると、思わず背筋を正すような思いになってしまったりするなど。
今のところ、創作に携わる青年たちの悩みだとかぶつかり合いだとかが話のメインになっていて、だけれど上巻の最後の最後でグッとストーリーが動き出す気配がして……ううむ、続きが気になるところです。
氏家ト全「生徒会役員共 第17巻」
アメリカからの留学生パリィが新規レギュラーキャラ入り。
下ネタ漫画だけれどキャラクターたちは可愛いし、話も笑えるので、いい漫画だな……。
コトミの中二キャラがいい具合に気が抜けておもしろい。
そして今巻、ついに、あのキャラクターの本名が明らかに……!?