ロロ 『飽きてから』を観て
自分の人生を他人に生きてもらう事はできない。
絵でただ一度の賞状をもらった雪之と、実家に山ほどの賞状を置いてきた青。
おふくろの味を知っていても宅配ピザに憧れていたしっぽと、都市開発のどこにでもある街に住んで外食ばかりで育った青。
しっぽが、ずっと描かないでいる漫画を、雪之が代わりのようにして描く。それがしっぽを追い詰めて、彼女が出て行ってからは、雪之の描く漫画は止まってしまう。
雪之にとって、漫画はしっぽが描くべきものであったが、しっぽがいなければ描くべき理由がない。