うつ病と禅:7 小さな放浪者
自分の持つ可能性を最大限活用して生きることに感動しています。
自分にそれが出来るのか、できていない今の自分を悔しく思いながらも書いています。
禅とは関係ないのですがブルース・リーのように自分の意志を作品に乗せた人を知っています。
チャールズ・チャップリン(敬称略)です。
彼の映画はサイレントの喜劇として有名ですが、その中には当時の社会性を表現しており、時には批判したりしています。
まず彼のイメージである山高帽に杖とちょび髭、ぴっちりとしたスーツにだぼだぼなズボンと一回り大きな靴である小さな放浪者は「ヴェニスの子供自動車競走(1914年)」に誕生しました。
また、1914年と言えば第一次世界大戦が起きた年でもあります。
長編映画である、「モダン・タイムス(1936年)」には今までサイレントで通していた彼が初めてトーキーを取り入れた作品であり、当時の庶民の生活や世界恐慌による職を失う人々を描いています。
特に最初の場面の工場で働く人々は機械の中で生きることへの警鐘をならしていました。
このことに関しては当時、ガンジーと談合するほどでもあります。
話はそれてしまいますが、映画「JOKER(2019年)」にもワンシーン使われており、それをお金持ちたちが見るという風刺的なシーンがありました。
そして「独裁者(1940年)」では、当時ドイツの総統であったアドルフ・ヒトラー(敬称略)のユダヤ人に対する差別を批判しておりました。
誕生日が4日違いに、ちょび髭というトレンドマーク、ともに映像を使って活躍したというところでまさしく運命的だと思います。
また、当時のアドルフ・ヒトラーはドイツを立て直した有力者と思われており、彼が生きている時代に彼を批判した作品を作ったのは、後世にはできないことでもあります。
1945年に入り第二次世界大戦が始まると、映画「殺人狂時代(1947年)」を制作しました。
この映画ではチャップリンは小さな放浪者としてのあの格好を辞め、小さな殺人を咎め、大量殺人の起こる戦争を当時美化していた世界情勢を批判していました。
このように喜劇映画を作りながらも彼は世界大戦や世界恐慌を通じ、世界情勢を憂いていたのです。
彼の人生を表したような映画「ライム・ライト(1952年)」は私の中でも特にお気に入りです。
彼の人生観や自身の人気の低迷化による悩みが表れていました。
終盤では同じくしてサイレント映画で名をはせたバスター・キートンとの共演は二人ともどこか生き生きとしたものが感じられました。
そんな彼も壁にぶつかることがありました。
彼の映画は共産主義的な映画(本人は否定しています)と思われおり、特に「殺人狂時代」を口切に、彼はアメリカから国外追放されてしまいます。
「ライム・ライト」はそんな中、作られた作品でもありました。
映像の中では貧乏でも紳士的でおっちょこちょいな面を見せつつも、自らの信念をもって作品に様々な意志を乗せていたのは、自分の可能性を最大限活用した生き方ではなかったのかと私は思います。