[音楽レビュー]in (my) room / OUCHI SHELTER
まーたすげえグループに出会っちまったよ………どうも。めただよ。
MusicVket2の戦利品レビュー第2弾!ということで、今回MusicVket2で新たに出会ったグループを紹介します。その名もOUCHI SHELTER。
完全初見でしたが、物凄い数の出展者の中でひときわ輝く個性的な音楽を作っていて、それが見事に僕の感性にクリーンヒットしたので即買いしました。(全てのブースを回って一通り試聴させていただいてます)
そんなOUCHI SHELTERさんの新譜『in (my) room』を紹介します。
1. OUCHI SHELTERとは
ホームページによると、ako、kintakitsune、takekumoの3人からなる音楽グループ。
音楽面ではオルタナティブ・ロック周辺やエレクトロニカの要素を、シンプルに扱いながら高次元で融合させたサウンドが特徴。
メンバーそれぞれが写真やイラストの方面でもご活躍されていて、音楽と写真とイラストという3つの柱で独自の世界観を作り出している。めちゃくちゃよい。
2. in (my) roomのここが良い
まずサウンドがめちゃくちゃクール。
オルタナティブやポストロックに影響されたと思われる独特のテンション感があるコードとノイズからリズミカルな音像へ移り変わる『shelter』、シンプルなリフと4つ打ちのエレクトロニックなビートに乗せてミニマルに、かつ自由に音楽が展開する『水曜日と猫』、シューゲイザーを思わせるような広がりのあるサウンドが非常にエモい『部屋に止む雨』。
メンバー一人一人が1曲ずつ持ち寄って作られているが、アルバム全体の統一感もあり、かつどれも個性的&最高にクールにまとまっている印象。すごいぞ、OUCHI SHELTER。
何より驚いたのがボーカルの用法。普通じゃない。
3曲目に関してはすごく歌モノらしいメロディーラインを感じるが、1、2曲目はボーカルが楽器の一部になっているかのような、言うなれば”歌モノっぽくない”使われ方をしている。周囲の音響に対してカウンター的に使われていたり、伴奏に合わせて短い動機を繰り返していたり…歌詞も正直はっきりと聞き取れるようなものじゃない。(ボカロなどの音声合成ソフトを利用しているから聞き取りにくい説もある)
ただ、不思議とそこに魅力を感じる。SUPERCARのSTROBOLIGHTSを初めて聴いた時のような…というと、伝わる人には伝わるかなあ…?ああいう感じ。
歌詞の意味は全くわからない、なんならほとんど聞き取れない_それはつまり、歌詞を聞いて頭に特定の言葉が文字として浮かんでこない、という現象_それでもそこには確かにその音楽に惹かれている自分がいる、という、ちょっと変わった音楽体験があるな、と思う。
ちなみにSTYLYアプリを使うことで、ARMVを鑑賞できて、3曲目の情景や歌詞の一部に触れることもできるんすわ。流石すぎる。
言葉のセンスも非常に独特で、音楽の世界観とも完全にマッチしていて良い。すごい!!
いやー、すげえグループに出会っちまったよ………MusicVketって最高だな………
3. まとめ:MusicVket2出展者の中でもトップクラスの個性派。見逃せない。
打ち込み主体のダンスミュージック(コンピューターミュージック)がここまで勢力を拡大している今のポピュラー音楽界隈でここまでストイックな音楽をやっていること自体が本当にスゴイ。音楽的に近い方向性の出展サークルさんが居なかったわけではないけど、ここまで攻めたことをやってたサークルさんはOUCHI SHELTERさんだけだったんじゃないかなと思う。個性派ってこういうときに使うためにある言葉よね。
最初にも書いたけれど僕は今回完全初見だったわけですが、今後の活動も絶対追わなきゃと思うグループです。オルタナティブロックとかが好きな人には絶対オススメ。
ちなみにBOOTHで買えます。MusicVket2で手に入れられなかった人、まだチャンスはあるぞ(迫真)