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Photo by
yukayoshino
(23)ルッキズム
九月二十八日
街ゆく人が、みんな幸せそうに見える。鏡に映った自分だけが不幸な顔をしている気がする。どうせ着たところで似合わない自分に失望するだけだ、と分かっていながらも、やはり洋服屋さんを見て回り、そしてやっぱり自分には着れない、と諦めて店を出る。なんで諦めるんだろう。なんで休みの日なのに自ら苦しまなければならないのか。こんな気持ちになるのならやっぱり服なんて見るんじゃなかった。
「ひとは見た目じゃない」という言葉は今じゃもうほとんど死語と化した。ルッキズムが蔓延し、少しでも痩せて、少しでも可愛くして、綺麗にして、整形して、美しいことが正義とされる世界だ。人は見た目だと思う。それは細分化すれば色々ある。顔、体型、髪質、肌質、ファッション。そして、顔つき。姿勢。
これまでわが国では、生まれつきのものはどうしようもない、そこで優劣をつけるのはよくない、という風潮があった。見た目だけに固執して無理なダイエットをするのは良くない、とか、整形は噓つきだ、とか。
しかし今となっては、容姿なんて努力次第でいくらでも変われる時代になった。もちろん、生まれながらにして美しい人と、そうでない人(価値基準はそれぞれだが)のスタートラインは違えど、変われるのだ。努力次第で。
そしてこの努力の中に、無料で変えられるものがある。
それは、顔つき。姿勢。
その人の生き方が、顔つきに出る。その人の自信や気持ちが、姿勢に出る。
変わりたいと思う。
できれば、良い方に。