あなたの××はどこから?

 「悪役令嬢転生おじさん」を見ていたら、家人が「おじさんは誰が演ってるの?」と聞いてきた。
 「井上和彦だよ」と答えたところ、「最初の井上和彦は誰だろう?」と言い出した。

 最初の井上和彦。
 要するに、井上和彦氏が声優を演じていることを認識したキャラクターだ。
 家人は「赤毛のアンのギルバート・ブライス」だそうだ。
 ワタシは「サイボーグ009(1979-80年版)の島村ジョー」だ。

 当時のワタシは島村ジョーにさほどの肩入れはしていなかった。
 とゆーか、今も現在進行系で最推しのサイボーグは002だ。
 実を言うと、その頃までは誰が声を当てているか? に関しては、ほとんど興味がなかった。
 そういう言い方をするなら、ワタシは今も、さほど声優推しではない。
 基本はキャラ推しだし、作者の別作品とか、声優の別キャラに全然肩入れはしてない。

 しかし当時、サイボーグ009を見たあと、キャプテンフューチャーを見ていた。
 この時に、家人が「002とオットー・フランクは同じだ」と言い出した。
 なんのこっちゃ? と思ったんだけど、つまりはどっちも野田圭一氏が声をあてていたのである。
 最推しである002と、どっちかつーとどーでもいいオットー・フランクが同じなことは、自分の中では衝撃だった。
 後年になって、それは単に野田圭一氏の演技力の幅広さの称賛にしかならなかったんだけれども、当時は非常にショックだったのだ。

 ワタシが声優のキャストに意識を向けるようになったのは、たぶんこれが切っ掛けだったと思う。
 ただし、声を聞いてキャストが誰であるかを聞き分けることに熱がはいったのは、もっと後年になってから。
 修道士カドフェルの中でヒュー・ベリンガーが喋りだしたら、脳内がクリミナル・マインドになったのが切っ掛けだ。

 最後にヒジョーに蛇足的な話をするが、キャプテン・フューチャーでの最推しは当然キャプテンフューチャーことカーティス・ニュートンだった。
 ただしそれは、カーティス・ニュートンが素敵なキャラだったワケでなく、単にカーティス・ニュートンの声が広川太一郎氏だったから。

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