ゴジラの話

 先程、家人が「今晩、ゴジラを地上派で放送するらしいよ」と言ってきた。

 自分は、少々中途半端な特撮ファンだと思う。
 中途半端と言うのは、いわゆる本物のオタクに比べると、知識が非常に欠けていると自認しているから、出てきた言葉だ。

 ゴジラに関しては、ワタシは1954年版のモノクロのヤツ以外は、あまり見ない。
 あまり…と言うのは、例えば気軽に録画して視聴出来るチャンネルで放送をしていても、一念発起しないと見ないと言う意味だ。
 1954年版は、手の届くところで放送されていると、チェックして見る。

 ちなみにワタシ自身の好みから言うと、ゴジラよりもガメラの方が、造形が好きだ。
 カメのシルエットの独特さが元々好きだったのもあるが、ガメラはあのイッちゃってる目つきや、牙が下から上に生えている口元なんかもキュートなので。
 あと、日高教授が変におちゃめなのも、好き。

 話を戻す。
 とにかく1954年版のゴジラは、ディティールの全てに感銘する。
 山根博士が古生物学者的な心情から生け捕りを望む、あの机上の空論も。
 実際に上陸したゴジラの脅威と、その惨状に、自分の科学者魂が打ちのめされる様も。
 芹沢博士が、自身の研究結果が大量破壊兵器に流用される事を恐れて、誰にもそれを言わない覚悟も。
 けれど唯一、自分が心を寄せている山根博士のお嬢さんに、ついその研究結果を打ち明けてしまう弱さも。
 お嬢さんに頼まれて、ゴジラ抹殺のために自分の研究を差し出すまでの葛藤も。
 決して自身の研究を悪用されまいと、その技術もろとも自身も滅ぼす覚悟も。
 とにかく、荒唐無稽な怪獣映画とみなせない、あの気迫がとにかく圧巻だと思う。
 ゴジラが戦争の象徴というのも、あの深刻で悲惨な空気が強い説得力を持つ。

 近年ではシン・ゴジラが評価されているけど、正直中途半端な特撮オタクは、シン・ゴジラに感銘は受けなかった。
 ハリウッド版は、どうなんだろう? 一念発起して、視聴してみる。

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