サントリーニとドブロブニクへ新婚旅行日記2 ~サントリーニ初日~
※2014年6月の旅行の話です
羽田空港深夜0時半発。家から羽田空港は大変近く、30分程度で到着する。
4階のレストランエリアで、出発前に日本っぽいものを食べようとラーメン「せたが屋」へ。ここのラーメンは魚介系醤油で、スライス玉ねぎをトッピング出来てお気に入りである。さすが空港のお店なのか、荷物を置くスペースがふんだんにあってスーツケースがずらずら並んでいる。カウンター席で若い女性が隣の彼氏にしなだれかかっている。テーブルでは中国系お母ちゃんが大声で何かまくしたてている。早くも旅情たっぷりである。ラーメンは美味い。
食後は伊東屋で良くできた寿司の消しゴムを見たり、トラベルグッズを見たりしてからチェックイン。
ドバイ空港に着き、少しだけ時間があるので空港内を散策することにした。もうほとんどショッピングモールだなあと感じる。中央に吹き抜けやエスカレーターがあって、両側に通路と店。ららぽーとやラゾーナ川崎のような。ただ、通路は3倍、お店の大きさは2倍。おばちゃんの大きさも1.5倍である。スターバックスで何か甘いのが飲みたいという妻が言いだしたので休憩。
次のフライトでアテネへ。まだ最終目的地ではないが、なんとなく空港の外に出てみる。空港の外にはためく国旗を見上げて、おおー、ギリシャだー!と妻とテンションをあげる。
そしてようやくサントリーニへ。日も傾きかけている。空港まで送迎を頼んでいるのだが、出口にドライバーがたくさんいてどれがどれだかわからない。建物から出たところでようやく会えた。
ホテルの横の駐車場で下ろしてもらい、握手して別れた。
「さて、すごいところに居ますね、我々。」
「ねー、すごいねー」
喜んでくれているようで、なんだか嬉しい。
デジカメを動画で回しながら、着いたということをゆっくり実感していった。
初日の宿はサントリーニの中心地であるフィラから徒歩15分ほどのフィロステファニという町で、少し高台に位置している。
三日月形の真ん中より少し上といったところ。南の方角の町並みが見渡せる。
右見ても海。左見ても海である。島にいるということがよくわかる。
初日の宿は、予約のやりとりをメールする中で現金なら7%安くするよと言われていたので迷わずお願いした。166ユーロが155ユーロである。
カード会社に払う手数料どれくらいなのだろう。
最近日本では3.25%が主流であるが、ギリシャで5%ぐらいだとして。
初めから7%分乗せているんだな。全てのホテルがリゾート価格だから、高いのか安いのかさっぱりわからない。でも11ユーロあれば軽食は買えるな。
チェックインをすませて部屋に行く。
廊下はなく、プールからいきなり部屋である。とりあえずサントリーニのホテルはプールなのである。縦3mの横6mくらいの、なんていうか露天風呂ぐらいの広さ。ここで泳ぐ意味はあるのだろうか。
そして部屋は開けたらいきなりベッドである。
荷解きをしながら、妻がぼそっと言った。
「ワインツアー、今からでも申込大丈夫かな」
「聞いてみたら?」
優しくない旦那である。ここでの模範回答は「聞いてこようか?」である。わかっている。
酒を一滴も飲めない自分からするとワインツアーなんて一秒も楽しめない。
自分のことなんだから自分でやりなさいというなんとも優しくない旦那である。
受付に聞きに行くというので一応ついていく。
ワインツアーに明日参加したいんだけど、一人。うん。妻だけ。
結局俺が英語で質問しているのである。
「ちょっと聞いてみるね」
そう言って受付の黒髪女性、ペルセフォニはどこかに電話をかけた。
ワインツアーに参加したいって、うちの宿泊客が言ってるというようなことを伝えたのだろうけど、
そこから先のやり取りがさっぱり見当つかない。
あらー満席?じゃあしょうがないわね、なのか、最近どうなの今度飲み行こうなのか、
果ては今日の星占いやギリシャの政治経済について話しているのかもしれない。
待ってる我々もどんな顔していいのかわからない。
ぼんやり考えているうちに電話が終わった。
「予定していた席数は埋まったみたいだけど、もう一台車を出してくれるって。
明日朝九時に白のメルセデスが迎えにくるからホテルの下の道路で待ってて」
お礼を言って、次の質問をする。
「ここらへんでいいレストランある?」
「いっぱいあるよ。何が食べたい?」
今日はギリシャ初日だから、オーソドックスなギリシャ料理を食べたい。ローカルなレストランで。
いくつか候補をもらい、近くのピロウニというレストランがよさそうだった。
「うちのお客さんをよく案内するよ。値段はそんなに高くない。」
3. 張り切って、ラム肉
細い路地に小さな門、5,6段ほどの階段の上に店があった。
メニューはギリシャ語と英語で書かれており、目当てのムザカやツァジキ、タラモサラダがありそうなので、
よしよしと思って入る。
夕日が見える開放的なテラス席に通された。申し分ない。水平線の向こうに薄雲を伴って沈みつつある、いい時間。
隣のテーブルは熟年夫婦にその娘さんらしき姿。
若い娘さんがワイングラスをぐいと傾けている様子を両親がほのぼの見守っている。素敵な家族旅行である。
ほどなくして目をギラギラさせた天然パーマのアンドレJr.のようなウェイターがやってきた。
「ツァジキとタラモとグリークサラダ、あとムザカと・・・ほかにギリシャっぽいのない?」
「今日はラムステーキがオススメだ」
「ラム…ラムは要らないよ。このスブラキってのはどうだい」
「それはトゥーマッチだ」
そう言ってアンドレJr.はメニューを下げた。
伝わっているかなという不安はあったけれど、
ほどなくしてツァジキとタラモが来て感激してしまってそんな不安はぶっ飛んだ。
なんでだろう。感激したのである。
色違いの縦長の角皿に、ペーストが盛り付けられている。
白の角皿にはヨーグルト色のものが、黒角皿にはうすピンクのペーストが。
それぞれオリーブとミニトマトを載せている。
日本で出会えない盛り付けに、ああ、自分は遠くまで来たのだ。旅をしているのだとしみじみ感激したのである。
ツァジキはギリシャヨーグルトにニンニクと塩コショウ、スパイス、オリーブオイルと刻んだきゅうりを混ぜたもの。
サワークリームのような、タルタルソースのような。ヨーグルトベースなので、とてもさっぱりとしている。
タラモサラタは本当に、タラコとイモのサラダなんじゃないか、これは日本語なのではないかというくらい、すんなり楽しめた。レモンとオリーブオイル香る、さっぱりとしたペーストである。
どちらも見た目からマヨネーズが入っていそうだなと思うのだけれど、さっぱりしている。
パンによく合うのでむしゃむしゃ食べた。
それで忘れたころにラム出てくるよね。もちろん。
あいつやっぱり人の話聞いてなかった。
しっかりウェルダンで焼かれてた。
ほらほら、俺がオススメしたラムだぞう、どうだどうだあって満面の笑みで運んで来た。
同時にムザカも来たので、ムザカは妻に、ラムは俺に。
ムザカはギリシャのラザニアのような料理である。
イタリアのラザニアと違うのが、一番上がチーズではなくナスであること。
その分生地とソースの部分が少なく、素材の味が強くなっている気がする。
似たような料理であっても、違いがあって面白い。
ラムの説明いる?
ラム野郎アンドレJr.と会計後、写真を撮った。
すると奴は店の前に貼ってあるトリップアドバイザーのステッカーを指さして、
「いいレビュー、頼むぜ」と言った。
「Definitely」とは答えたが、どうも書く気はしない。
売店で絵葉書や細かいお土産物を買って、早々に寝た。
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