サプールをめぐる冒険 第3話(エチオピア夜の巻)
Belayによるガイドツアーでは、国立博物館の後にもう1ヶ所僕に見せたいところがあったようでしたが、施設がちょうど昼の休憩時間に入ってしまい1時間以上待たなければならなかったので、街の中心地にあるPiazza(イタリア占領時代の古い建物が残る繁華街)を車で流した後、途中の土産物屋に立ち寄りエチオピアの布などを購入しました。
車の中ではBelayと色々な会話を交わしました。
例えばアディスアベバの街中を走る多くの車がほとんどTOYOTAなこと。
日本製のプロダクトについてどう思うか聞いてみると、
「車でも電化製品でも日本のものはちょっと高いけど、でも本当に壊れない。みんな日本のプロダクトが好きだよ。でも良くわからない機能があり過ぎる。今と同じタフさでもっとシンプルだったら最高だと思うよ。」
とのことでした。Belayの意見に僕も同意。
Belayはアディスアベバの大学でマーケティングを学び修士を取得。2年前にオープンしたYober Hotelで現在マネージャーを担当しているとのこと。そこでエチオピアの観光業について動向を聞いてみると、
「エチオピアの観光業は凄く良いよ。伸びてると思うし、これからもっと伸びると思う。」とのこと。
「エチオピア航空のネットワークも大きく影響してるよね?」と僕。
「そのとおり。とても多くの外国人観光客やビジネスマンが訪れる。僕たちのホテルも日本から来たビジネスマンやJICAの人たちが良く使ってくれてるんだ。」とのことでした。
「この後一緒にランチを食べに行こう。ガイドのお礼にご馳走したい。」と誘ったんですが、仕事の予定が入っていたようなのでホテルに戻りました。
ホテルに着いてひと休みした後は、アフリカ滞在中のマラリア対策として予防薬を買いに薬局へ。
予防薬にはいくつかの種類がありますが、僕は「ドキシサイクリン」を4週間分購入。確か100ブル(=350~400円)だったと思います。これを一日一錠飲んでました。日本で買うよりはるかに安い。
その後ブラブラと街を歩いて、今夜行くつもりのクラブ(フレンドシップホテルに併設されてるクラブ)と、さっきの車の中でBelayからオススメとして教えて貰った別なクラブの場所を事前確認。
歩いてたらちょうど腹が減ってきたので、フレンドシップホテルの近くにあるピザ屋に入りピザとビールをオーダー。アフリカ最初の食事はピザでした(笑)。博物館でイタリア軍との戦争とかPiazzaの街並みを見てたら、無性にピザが食べたくなってきたんです。
注文したらめちゃくちゃデカいピザが出てきました。半分でギブアップ。
ビールは店員さんオススメのHabesha Beer。エチオピアではとてもポピュラーなブランドらしく、飲んでみたら実に美味かったです。
お腹も心も満たされ眠くなってきたので、ホテルに戻り仮眠することに。
よく考えれば飛行機の中でもほぼ眠れないまま24時間起き続けてました。
ところで、アディスアベバの街を歩いてるととにかくスキニージーンズを穿いた男子女子が多いことに驚きます。歩いてる人の7割以上がスキニーですね、大袈裟ではなく。Piazzaの街中にある洋服屋で売ってるジーンズもほぼスキニー。もはや「世界一のスキニー大国」と化したエチオピアに心を揺さぶられました。揺さぶられ過ぎて写真を撮ってなかったのが本当に悔やまれる!
いや、待てよ、、、
これは前章(デイタイム編)のボレ空港前にあるパーキングの写真。
よく見ると、、、
ほら!みんなスキニー穿いてる!!今回の旅で訪れた4か国のうち、僕の感想ではエチオピアが一番オシャレ感度が高い印象を強く持ちました。
さて、そんなことはさておき、ホテルに戻って仮眠をしたらなんと夜11時まで熟睡してしまいました。せっかくエチオピアの郷土料理&ダンスショーが楽しめるお店に行こうと思ってたのに。ぎゃふん!
「せめてクラブだけは行こう。行かねばならん。」
そう決めてシャワーを浴び急いで街に繰り出しました。僕は40歳を過ぎた今も渋谷のクラブ「The Room」で開催させて頂いてるパーティーのスタッフをやってます。なので海外のクラブにはとても興味を持っているし、それがアフリカとなれば尚のこと。
向かったのはYober Hotelから歩いて3分ほどのところにある、Belayから教えて貰った「ELIXIR」というクラブでした。
Diamond Hotelに併設された少し大人向けな雰囲気で、エントランスには黒服が5人いました。特にentrance feeはなく、そのまま入口を進み階段を上がって2階へ向かうと、
店内は真っ赤。怪しくていいですね。
ソファー席ではグループがまったりとウィスキー飲みながらシーシャを吸ってました。
ホテル併設のクラブだから観光客が多いのかな、なんて思ってたら全然観光客なんかいなくてほぼ地元のローカル。しかもみんな身なりがいいし、雑な騒ぎ方をしてる人もいない。気持ち良さそうに音に揺れたり喋ったり。
そしてあちこちで「よぅ!おつかれ!」みたいな挨拶が交わされてるので、ある意味ちゃんとした社交場なんですね。いいぞ、エチオピア!
一人で暇だったので、DJブースの横からプレイしてるDJを凝視してるうちに彼と仲良くなり、PCの中に入ってる曲のリストとかちょっとだけ見せて貰いましたが知らない曲ばかり。辛うじて読み取れたのはスティービー・ワンダーが数曲。
ちなみに店内に2つあったブースでは、どちらのDJもPCを使ってプレイしてました。メインのこっちはレゲトンとヒップホップが中心、ラウンジのほうは4つ打ちモノ。
よくわからないけど、なぜか大物DJっぽく撮れてしまった写真。
シカゴ辺りにいそうな雰囲気です。
そうこうしてるうちに、メインフロアには凄い数の人が!
「むむぅ。この状況で今日は戦えない。」
アフリカ初日、しかも結構治安が悪いという情報しか聞いてないアディスアベバ。この日は1日とおして周囲に対する警戒心を多少持ってたので、ビール3本(1本100ブルぐらい)飲んで同じテーブルにいたエチオピア人と少し喋ってたら疲れてしまい、これでお終いにしました。
深夜1時過ぎのYober Hotel。ただいま。
いよいよ明日はサプールの国、コンゴ共和国へと飛びます!
(第4話へつづく)