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日付のある原稿(新刊下書きから)
▼以下、新刊「企画書2020」の原稿の下書きからです。
2020年4月4日
コロナ渦が、いよいよ、切羽詰まってきたが、政府がロックダウンでもロックアウトでも宣言するのを待つのではなく、さっさと、自分たちで、宣言した方が良いのでは。私は、宣言します。基本、自宅ですごす。電車やバスを使わないので、徒歩で事務所に行くことはあるが、最低限の用だけに。
メールとzoomでの打ち合わせが増大。この時間は、人類における近代の交易社会が、本格的な情報化社会へ移行するための、暴力的な革命の時間なのかも知れない。
この期間に、何を考え、何を企んだかは、コロナ以後に、極めて重要な差別化を促進するかもしれない。コロナ明けに、旧来の社会に戻そうとする勢力と、更に情報化を進めようとする勢力とに。それこそが、人類の生存に関わる動きだと思う。
情報化社会への移行に際して、間違えてはいけないことは、新しい社会構造に移っても、古い仕組みが死滅するのではないということだ。このことは、故・林雄二郎に学んだ。人類は、狩猟生活から、農耕定住生活へと移行した。その時に、狩猟を終わらせたわけではない。農耕生活の中に畜産を取り入れ、狩猟や漁業などの採取生活は続けてきた。明治になって農耕生活から工業化社会へと大きく社会は変化したが、農業をすべて否定したわけではない。狩猟も農業も必要であるが、工業社会での知恵や技術を、古い農耕生活に応用しながら、農業を持続させてきた。自然農法をする人たちも、ご飯はガスや電気を使って調理するだろうし、工業化社会を否定したら、原始生活に戻るしかない。そういう意味では、自然農法も、工業化社会の高度なバリエーションの一つだと思う。
江戸時代においては、国民の大半は、農業従事者であった。現在の国民の大半は、工業化社会における組織労働者が大半であろう。それは自営業やフリーターを含め、工業化社会のシステムの中で仕事をしている。
今、人類は、大量生産・大量物流・大量宣伝・大量消費・大量破棄という近代工業社会から、新しい情報化社会へ移行しつつある。そのプロセスは、これまでの狩猟・農耕・工業の人類史を否定したところで新しい世界に到達するのではなく、狩猟・農耕・工業の人類史を情報化することによって、すこしずつ、情報化社会にシフトしていくことであり、そのための人材が育ち、新しい職業を開発していくことである。
コロナ渦がいつまで続くのか分からない不安の中に私たちはいる。この不安は、私たちが、未知の社会に生きることへの不安とつながっている。だからこそ、新しい社会の実験期間だとも言える。
移動もしない、集まりもしない、それでも豊かな人間のコミュニケーションが成立するのか。今が、ソーシャル・テスティングの時間である。検討しよう、テストしよう。人類の経験と英知をつなげて。
太陽と青空の下で、再会する日まで。
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