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コロナ黙示録(ものを書くことで確かめたい)
1.コロナの恐怖
日本は四季と豊かな自然に恵まれた地域である。自然の素晴らしさの恩恵を得て、豊かな暮らしを過ごしてきた。しかし、自然は、ある時は、人間の無力さを思い知らせるかのように、無慈悲な暴力を人間に与える。暴風雨、地震、津波、噴火、そして疫病。
人間はその都度、怯え、逃げ惑うしかなかったが、しかし、時が経てば、嵐は過ぎ去り、元の平穏な自然に戻る。まるで、パワハラの上司が怒鳴りまくった後に去っていって、何もなかったかのように、通常の業務が始まるように、私たちは、厄災をやりすごしていった。本質的な課題は置いておいて、嵐の過ぎるのを待つだけの方法が、楽天的な日和見主義を育てたのではないか。それが例え人為的な厄災であろうとも、誰を責めることもなく曖昧にしたまま、時の過ぎるのを待つ。それはそれで、自然災害の多い日本で生きるための最良の処世術だったのかも知れない。嫌なことは水に流して、嵐が去った後の日々を淡々と生き抜くことが、生きる術であり知恵であったのだろう。
世界中にほぼ同時多発で起こったコロナ渦は、その対応の仕方に、おそらくそれぞれの国の民族性や体質や方法論が現れているのだと感じる。比較民俗学のような研究者にとっては、大いなる研究対象になるだろう。私は、日本のことしか知らないが、ああ、また「成り行き任せの楽天的無責任主義」が横行し、群れをなす「村八分」勢力が勢力争いをしていて、日本人の嫌いな側面ばかり見せつけられて、どんよりしてしまった。
検査をすべきかすべきではないか、と方法論の違いが左右の対立のようになってしまった。孫正義さんの検査キット配布の提案をネットの圧力で潰してしまった。その是非は、私の知識では判断する材料はない。しかし、こういう現実のリポートを読むと、せめて、保健所や病院ではなく、郵送での検査はした方がよかったのではないかと思う。
「重篤肺炎じゃないと検査は受けられない」とタライ回しにされたコロナ疑惑者の2週間の記録
100年前のスペイン風邪を知らない私たちにとって、今度のコロナ渦は、未曾有の出来事である。続々と芸能人やスポーツ先週の罹患の情報が流れ、ようやく、この状況下で、ようやくコロナの怖さが広がりつつある。しかし、志村けんさんが入院した情報で、多くの人が身近な恐怖を感じたり、小池都知事が公式メッセージを発表したら、一気にスーパーへ買い物にでかけたりするような状況を見て、つくづく、日本人の能天気な楽天性を感じざるを得ない。
この病気がどんなものか、大曲先生の報告をきちんと受け止めて欲しい。
国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター長の大曲先生
2.家賃制度
しかし、現実は変更のしようのない現実だ。コロナが、台風のようにそれが過ぎれば、すがすがして青空が広がるようなものであればよいが、果たして、本当にそうなのかは分からない。
悲観的にコロナ以後を書いてみた。
どうなるか分からない。分からないが、私たちは、与えられた環境と条件の中で、最大限の知恵と努力を働かせるしかない。まずは現状である。世界中で、さまざまな、人類が一人でも多く生き延びるための知恵と努力を働かせている動きがある。
コロナ禍により、最大の危機は、これまで近代化の中で築き上げてきた社会システムが機能しなくなるということである。エンタメから観光、飲食まで、サービス業はほとんど停止している。このまま、何ヶ月か、都市機能が停止すれば、多くの小規模事業者や個人事業主たちの生活は崩壊するだろう。
一部の人が逆に膨大な利益を上げたとしても、人口の30%の人が生活保護を申請したら、国は滅びるし、いくらビジネスモデルが強固であろうと、支払える客がいなくなる。
ルミネが3月分の最低保証家賃を減額へ 2011年の東日本大震災以来 新型コロナに苦しむテナントに配慮
コロナ禍の鬱屈した気持ちの中で、晴れやかな気持ちになる情報だ。近代社会は、成功者は土地を購入し、大家となり、店子からの収入で資産を増やし、更に土地を拡大していった。企業も株主という大家が最高の権力者となった。
資本家に出来ることは、家賃を止めることである。これは、ルミネのような大規模デベロッパーだけではない。市中のマンションの大家さんも、余裕資産のある人たちは、家賃の免除や削減をお願いしたい。なぜなら、このまま行けば、店子も借り主も家計が破産して、もう家賃を払えなくなって出ていくしかないからだ。
国家が徴収した税金をどのように国民に還元しても、膨大な手数料がかかるだけで、配分される金額で生活が出来るわけではない。
コロナ渦が1年続けば、日本だけではなく、世界の各地で国家が破綻する。破綻する前に起きることは戦争である。第三次世界大戦が本当に起これば、もう、大家さんの土地も建物も破壊される危機に陥る。
大変なことだと思うが、国家に頼らず、人々の生きるネットワークを活かして、共存の道を探る時だと思う。せめて、海外旅行に行くためにためた貯金を店子に還元して欲しい。
3.参考事例
●エジブトだろうか、若者たちのグループが買い物に行けない老人たちに、食料を配送している。コロナウイルスの標的は高齢者である。貧困の高齢者たちの子ども食堂的な動きが必要になる。
●エンタメは、崩壊している。派手なスターはほんの一部で、貧しいアーティストたちが大半の世界だから、貧しい部分から生活破綻するだろう。韓国では、ドライブインシアターが人気らしい。韓国は、検査についても自動車を個室代わりに隔離して行っていたが、日本も、自動車の保有率は高いのだから、湾岸あたりの大きな駐車場があるところで、シアターは可能だし、場合によっては、音楽ライブや演劇なども可能なのではないか。
コロナ禍が続けば、宇宙服のような大気遮断スーツが登場すると思うが、それまでは自動車が走る個室として、使えそうである。
赤ちゃんをウイルスから守る「安全カプセル」、中国で父親が開発
宇宙服、すぐに本格化しそうだ。
★参考事例は、今後、チェックの上、追加します。
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