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ソーシャル編集倶楽部 (新しい時代のコンテンツ生成プログラム)橘川レジュメ



参加型社会学会 オープン・ミーティング第二回
「コロナ以後の社会と企業のあり方を考えるオープンミーティング(2)参加型社会を支えるテクノロジーとは? 」

(1)人類の置かれている位置(現状認識)

 人類史の大きな枠組みとして「狩猟・採集社会」「農耕社会」「工業・商業社会」の流れがあり、現代は、次の時代フレームである「情報化社会」の端緒に私たちはいる。「農耕社会」は閉鎖的だけど密着した人間関係の「村」の世界であり、「工業・商業社会」は、「村」から脱出した人たちが「都市」に集結し、「村意識」から切り離された「個人」が生まれた。

「個人」が生まれたが、それは自然共同体から切り離された人工的な都市の中にあり、孤独であった。「工業・商業社会」が産業革命以後の近代として位置づけるなら、私たちは近代の発展の中で生まれた孤独な自我である。現代社会の勝ち組と言われた人たちは、孤独な王様である。

 都市の中の共同体は、「学校」「会社」「新興宗教」「政治信条」「同好会」など、個人を客観的な能力で分類したり、商品社会の選択的こだわりによる顧客仲間でしかない。そこに成立するコミュニティはピラミッド型の管理社会になっていて、上部を目指すために必要な能力は、頭脳力であり、交渉力であり、集中力であるような、個人の努力によって成立するものである。

 当然、近代のあらゆる組織は、目的達成型の競争社会になる。


(2)次の社会

「メタバース」が言われているが、近代的技術成果をそのままハードウェア的な環境として実現したとしても、そこに、孤独な近代的個人を、そのまま流入させても、本質的に新しいことなど生まれない。

 私たちは、現在、近代意識を超える「個人」のあり方を模索する段階であり、その「新しい個人」が連携する「新しい共同体」を模索する段階なのだと思う。

 そのような人間本来の変化の追求と、社会的システムの変化が融合することによって、近代を超える新しい社会が出現するのだと思う。

 コギトを超えよう(笑)


(3)教育


 近代社会の成立において、教育の果たした役割は大きい。孤独な個人が、功利的な共同体で生きていくためには、個人の能力向上が必要であり、他の個人よりも優れた力を要求された。近代社会が競争社会であるから、予備軍を育成する教育の現場が、もっとも先端的な競争社会になっていった。それが受験戦争であり、そこで学んだ者は、企業の中で出世競争に邁進する。

 近代を超える新しい社会を目指すためには、教育の本質的変容が必要だと思う。それは、近代の教育思想の延長線上にはない。そこから、一度、はずれて、新しい仕組みを作るしかない。「教育」の「教」は、子どもたちが知らない新しい知識を注入することである。それは、非情報化社会においては、知識の代理人である教師が、自ら学んで、子どもたちに伝えるしかなかった。しかし、その部分は、社会的なシステムが代替しつつある。だとしたら、大事な部分は「育」である。これは、「教」のように一面的に統一は出来ないし、指導要領のようにマニュアル化出来ない、なぜなら、「育」とは、固有の人格の成長であり、それぞれの志向性や情況に合わせた、自発的な成長でしかないからである。

 私は「育」は、中央集権的な教師が指導出来るものではないと思っている。それは、子どもたちが、他の子どもたちと出会い、交流し、決裂し、妥協し、迎合し、反発し、和解する、そうした関係性を体験することか゜、学校の「育」の現場だと思う。つまり魅力的な「クラスメート」を発生されることが大事だと思う。しかし、現状の学校のクラスは、近代競争社会の最先端を演じさせられ、固有の価値を認めない陰湿なイジメや、自発的・生理的に不自然な環境を拒絶して、登校拒否になる子どもが増大している。


(4)参加型社会の生成

 私たちは、近代を超える社会を「参加型社会」と位置付けた。それは、ただ、人が集まってくるだけのものではない。近代の競争社会から下車した、「新しい個人」たちが、それぞれの自発的な思いで動き、そして出会い、交流し、「社会的クラスメート」になっていく社会である。

 インターネットが参加型だというが、そんなことはない。そこは、参加出来るシステムが用意されていて、それを、近代意識のままの個人が使って、遊んでいるだけだ。自発的な思いを持った人間が、他者に出会い、仲間が増えて、やがてコミュニティになるという、生成型のモデルしかないと思う。システムが中央集権的に、参加型風のシステムを作っても、それは、近代意識を延命するだけだと思う。

 途方もない、長旅になる道だが、私たちは、すこしずつ、近くの人たちと素直に本音で語り合える関係を作りながら、ゆっくりと新しい世界を、どろんこ遊びのように作っていきたい。


●具代的ビジョン


叢雲(むらくも)プロジェクト
さまざまな「組織」「体制」を、上意下達のピラミッド構造から、叢雲が湧き上がり集まってくるような状態へ変容させる。

(1)企業

レジュメ1


(2)教育

名称だけ決まっていて、中身は、さまざま検討中。

「ヘッチャラハイスクール」
「放置大学」
*現在、オンライン上で模索されている、新しい教育コミュニティをつなげていく。


(3)文学(ソーシャル編集倶楽部)

●企画趣旨

 コロナ情況によって世界は、大きな断層を生じさせ、古い社会構造や意識は変換を迫られている。表現・文学の領域も同じである。むしろ、こうした個人の表現活動こそが、大きな意識の変換を求められている。

 断層の彼方には、人類が築き上げた巨大なピラミッド構造の世界がある。そこでの表現は、底辺の個人が成長し、ピラミッドの上部構造に鍛えられ頂点を目指す方式があった。個人の表現を評価するのは、ピラミッドの頂点にいる一握りの業界人や成功者たちである。

 断層の此方には、ピラミッド構造はない。無数の個人がいるだけだ。他者を排除してピラミッドの頂点を目指す方法は止めよう。一人ひとりとの関係性の中で、個人の表現を鑑賞し共感し批評しあう関係性を作りたい。そうした動きの中で、個人の表現が、より普遍的な輝きを発生させるような、ムーブメントを「ソーシャル編集」という名前で開始します。

レジュメ

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