投資先として、現代アートを
損失が出ても軽微なダメージで済む額であれば株取引で短期投資はしますが、基本的には米国長期投資メインです。
私の小さなポートフォリオの数%にアート投資を加えようと思い、芸術には素人ですが初めてみました。この記事がどこかのだれかのお役にたてば嬉しいです。
市場規模
まず第一に調べたことは市場規模です。
スケールアウトが望めない市場ではリターンが期待できないのにそこに投資するということは私の中では趣味の領域に入るので、投資先としては不適切だと考えていました。
日本のアート産業に関する市場レポート2021では日本の美術品市場規模は5100億円ほどで、規模としてはコロナが猛威を振るう前と比較して減少してるというのは意外でした。メディアなどでアート市場は活況というニュースを見ていたので、在宅時間の上昇に伴う結果としては、あり得る話だなと疑いなく受け入れていましたが、日本の美術品市場においては実際はそうではないというデータが出ていました。
そこで素人の私は作家の数が減少しておらずに市場が拡大してないということは投資先としてアートよりも現金化や他投資対象に切り替えた投資家が多い(コロナ前の2019年と⽐較すると、現在は⾼額購⼊者の割合が⾼い)という単純な話だから、人気が出る前の作家の作品を購入する競合が少ない今が最適なのではないかと考えました。
年間運用利回り
次に考えたのがリターンです。
過去25年の現代アートの年平均利回りは13%ということですが、そもそも国際的に人気のある数千万円規模の作品を購入するつもりはないので、購入した作品全てについて利回りはそこまで期待はしていませんし、株式とは異なり、光、湿度をコントロールことはマストですが、作品がダメージを受けない場所でなら、いくら鑑賞してもその絵が持つ価値が0になることはないので、長期保有を前提にしている私には適しています。
年平均利回りの計算式
{(売却益 / 購入価格) / 所有年数}*100
投資ルール
また、購入した作品は自宅や店舗に飾り、鑑賞を前提にしているため、純粋な投資として取り除くべきとされる好き嫌いのような感情は排除したくありませんでした。ただし、作品を購入することは作家への投資とも言えますが、特定の作家の作品ばかりを購入し、「〜コレクター」となることは資産形成上、マイナスになる可能性が高いので要注意だと思います。
保管場所
保管には湿度50~55%、温度20~25℃が適しているようです。作品が増え、保管する場合は自宅やガレージなどでなく、専用のサービスを利用するのがいいと思います。寺田倉庫さんが運営するアート作品用保管庫も魅力があり検討しましたが、自宅近くにあるQurazを契約しています。
利用するにあたって重視したことは下記2点です。
できるだけビル熱の影響を避けるため、外壁や窓から距離のある場所
できるだけ空調コントロールの恩恵を受けるために空調機器の近く
情報収集と購入場所
情報収集と購入場所については数多くあります。
・美術手帖
美術に関する最新ニュースを知ることができる。OIL by 美術手帖では購入も可能です。
・Gallery
好きな作家を扱うGalleryを見つけるのもまたアート投資の楽しみの1つ。
・デパート
大丸、三越などデパートや蔦屋書店では定期的に催事場で「現代アート展」といった期間限定の展示即売会をしています。これは、バイヤーが買い付けた作品の展示販売なので多様な作品を見られる貴重な機会でもあります。
・STRAYM
アート作品の共同保有プラットフォーム
STRAYMが保有する作品の分割・トークン化された所有権を、100円など少額から購入、売却ができ発行トークンを100%保有すれば、現物の作品も受け取れる仕組み。少額でもアート投資できる今までにない仕組みで、とても興味深い。ただし、発行トークンを全て買い取りすることは難しいのではないかと思う。なぜなら、保有者全員が保有するトークンを手放す必要があるので、現在価格で一括購入できるような仕組みではなく、株取引と同様に板が存在し、価格はその時の売買需供に影響されるため、仮にどうしても現物が欲しいとなり実行に移した場合、市場価格とは大きく乖離した高値掴みになってしまう可能性がかなり高い。
板が存在するとしても、株取引のように人気テーマなどで短期的に価格が沸騰するようなことはまず無いので、長期保有に向いたサービスだと思う。
また、STRAYMでの価格が自分が保有する作品の現在価格を図る物差しにもなる。
・Artis
アートマッチングプラットフォーム
有償対応だが、鑑定まで実施することで購入者のハードルを下げることができる。ギャラリー出品の作品も多いため、STRAYM同様、価格が自分が保有する作品の現在価格を図る物差しにもなる。