ここ最近noteについて困っていること
https://note.com/meta13c/n/n7575b6c0826b
この記事の注意点などを記しました。
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注意
これらの重要な情報を明かします。特に今回は、どの作品も結末に注目しているので、ご注意ください。
小説
『二重螺旋の悪魔』
『ソリトンの悪魔』
『カムナビ』(梅原克文)
『サイファイ・ムーン』
『心臓狩り』
『テュポーンの楽園』
『ウルトラマンF』
特撮テレビドラマ
『ウルトラマン』
『ウルトラマンティガ』
『ウルトラマンダイナ』
『ウルトラマンギンガ』
『ウルトラマンギンガS』
『ウルトラマントリガー』
『ウルトラマンデッカー』
特撮映画
『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』
『ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』
テレビドラマ
『ガリレオ』(シーズン1,2)
はじめに
この1ヶ月ほど、あまりnoteの執筆が進まず、代わりに他のサイトにおける小説を投稿していたのですが、何故進まないのか、その悩みを書いてみることにします。
https://novelup.plus/story/373395991
https://novelup.plus/story/358900784
https://novelup.plus/story/682021508
https://note.com/meta13c/n/n32a3c6ba719f
2023年4月7日閲覧
小説が進まない理由
私は小説も去年の9月から書いていますが、感想をいただくと、「続きを待っています」という趣旨の文章がときどきあります。
しかし、私の書くSFなどの小説は、今の私の力では、「続きを書けなくなるぎりぎり」まで描くことが多いのです。
これは私のこれまで挙げて来た物語にもみられます。
たとえば『二重螺旋の悪魔』は、主人公が作り出したある技術が世界を混乱させ、そして主人公自身を破滅させる可能性が指摘されながらも、ぎりぎりのところで終わっています。
『ソリトンの悪魔』も、主人公の経験から新しい危険な軍事技術が生まれるかもしれず、主人公の最後の「幸運」がその始まりである危険性もある終わり方でした。
『サイファイ・ムーン』「アルジャーノンに菊の花を」も、続編を描きづらく、仮に主人公達の隠したことが明るみになれば、世界中が混乱するおそれもあるホラーでした。
『カムナビ』や『心臓狩り』も、日本が主な舞台だったのが、「この恐怖は日本だけではないかもしれない」という展開で終わります。『テュポーンの楽園』はある程度希望がありますが。
このように、描ける限界まで描くのが、小説の技法の1つで、続編は難しい作品もあり、それが私にも当てはまりそうです。
最終回と続編の繋がり
なお、『ガリレオ』ドラマ版は、大学教員の主人公が渋々あるいは興味本位で警察の捜査に協力するのですが、シーズン1最終回では、主人公がかつて師に当たる人間の兵器開発を止められなかった責任を感じて、危険な解除に取り組んでいます。ここでは、大学教員が核爆発を止めるという、現実なら世界中を騒がせてもおかしくない急展開で終わっています。
しかし、それだけ責任感を持っていた、あるいは世界中から称賛されたり逆に「それぐらい責任のあることを元々していたのに何故警察に非協力的だったのか」と責められたりする可能性が、最終回のあとにはあったかもしれないのが、続編のシーズン2では特に語られません。非協力的に戻っています。
これは、世界を狂わせるほどの最終回のあとを描くことが出来ず、続編ではそれが終わったことにして始める弊害があると言えます。
『ウルトラマンギンガ』でも、ウルトラマンと怪獣の戦いがほとんど目撃されない中で、次作『ウルトラマンギンガS』で防衛チームが設立されたものの、どこまでウルトラマンの情報が伝わっていたか難しくなります。
私は、『ギンガS』の神山が「ウルトラマンは得体が知れない。いつ脅威になってもおかしくない」と言って批判されたことについて、『ギンガ』の目撃者がほぼ全員ウルトラマンに変身したという特殊な事態で、証言出来なかった、あるいは統一出来ない嘘をついたため神山が信頼しなかった可能性を考えています。
『ウルトラマンティガ』から劇場版『THE FINAL ODYSSEY』、続編の『ウルトラマンダイナ』、その途中の『光の星の戦士たち』でも、ウルトラマンティガが敵とも取れるティガダークになったこと、大勢の人間がティガになったことなどが、『ダイナ』に至るまでにどう一般人や防衛チームに受け取られたかが、公開順などから曖昧でした。
その辺りを、『ウルトラマントリガー』と『ウルトラマンデッカー』では、「『トリガー』の主人公が暴走したと言える姿のトリガーダークを、『デッカー』の隊長が目撃していたので、次作の序盤でウルトラマンに不信感を持つような発言をしていた」と示唆がある程度されています。
いずれにせよ、続編を描くときは、最終回の広げた風呂敷のようなものを、どうたたんで新しい風呂敷に繋げるかが難しくなります。
『二重螺旋の悪魔』の主人公と「真の敵」と私自身
ちなみに、『二重螺旋の悪魔』の結末は、「主人公が死ねば解決するではないか」という意見も、この作品にはあるかもしれませんが、主人公はそれを選べなくなる、ある背景が考えられます。
主人公が立ち向かった「真の敵」は、キリスト教やイスラームにとっては味方で当たり前で、なおかつ自ら死ぬことを禁じる傾向があります。
また、「真の敵」に閉じ込められて、特殊な長い時間を経験した主人公が、その中で自滅出来るのをぎりぎりで思い留まり続けた描写もあります。
それらを経た主人公には、「自分だけ滅べば良い」という選択肢は排除されてしまうかもしれません。また、ある意味で、「真の敵」の結末にも近いと言えます。
「真の敵」が、ある意味「自分」で招いた孤独や退屈を解決するために世界を混乱させる、しかしそれで主人公達を含む人類を成り立たせている罪は、閉じ込められた主人公が退屈の中で絵を描くのに似ています。「真の敵」にとっての命が、主人公にとっての絵に過ぎないのではないか、それがある意味で、私の物語を描く行為に似たものを感じます。
「理解してほしくない」悪役
「退屈」で連想しましたが、『ウルトラマンF』のダークザギも、「暇つぶしに別世界の人類を滅ぼす」存在でした。
これはあまりにも勝手ですが、その直前の彼の台詞には思うところがあります。「俺は理解してほしくない」という台詞です。
まず、『ウルトラマンF』は『ウルトラマン』の続編の小説で、かなり細やかに描写が拾われていますが、本編からは想像を絶するハードな展開もあります。
その1つが、異星人と自由に一体化する特異体質と怪獣を分析して操作する優秀さを持つ兄と妹の科学者が、特殊な施設から出されて下水道で暮らすことです。
この兄と妹は、17歳になると命が尽きる体質の上に、過酷な暮らしで、ダークザギを別世界から呼び出して自分達が強くなり生き延びようとしたのですが、どこかウルトラマンや防衛チームの科特隊を見下しているふしがあります。
おそらく、ウルトラマンや防衛チームは怪獣や宇宙人から地球全体を大まかに守ってはいても、貧しい病人である彼らにとっては「自分達の不幸には何もしてくれない、出来ないヒーロー」なのでしょう。だからこそ嫌悪するだけでなく、「ゴモラはこれを使えばウルトラマンにも勝てたのに」など、どこかその能力を否定して蔑んでいたのだとみられます。
しかし、この科学者はザギを呼び出してからは媚びるような態度になり、科特隊が地球や人類を守るために、やむを得ずウルトラマンなどの能力を複製した人造巨人を、この科学者が「ウルトラマンの紛い物です」と言ったところ、ザギを「貴様に何が分かる」と怒らせました。また、ザギはその科学者に勝利した「ウルトラマンのような存在」に説得のために「あなたを理解したいから」と攻撃の意図を聞かれて、「理解してほしくない」と返しています。
おそらくザギは、自分もまた「ウルトラマンの紛い物」であることを「分かってほしくない」からこそ教えず、それを説明したくないけれども触れられたくもないからこそ「何が分かる」と言ったのだとみられます。
『二重螺旋の悪魔』の「真の敵」も、退屈しのぎに命を「もてあそぶ」のですが、「自分の間違いを認めるのに慣れていない」とも説明されました。また、自分のある能力を人間が利用したのにも憤っており、それも「理解してほしくないところ」だったのでしょう。
「分かってほしくない」ところ、おそらく恥を説明せずに、なおかつ「それ以上触れないでくれ」とは説明したい、「分かってほしい」二面性の難しさが、ザギにあり、それで自分の論理の「間違いを認めない」ことが、「何が分かる」と言う人間の多くに通じるかもしれません。
ザギに屈する科学者も、自分が貧しい暮らしをしていたことなどを、「闇の巨人」になっていたときに、科特隊の「巨人」には知られたくなかったとみられます。
私に書けないこと
私の小説の話題から離れたかもしれませんが、私も、「分かってほしいところ」と「分かってほしくないところ」がこじれているからこそ、小説を描いているかもしれません。
たとえば、私の小説には、今のところほとんど、名前のある登場人物がいません。
「君は別世界の科学ニュースを書きたいのか、誰かの人生を書きたいのか」と言われると、答えられなくなってしまいます。
それは、まだ私に、人間の深いところを描く技量がないのかもしれませんし、「分かってほしくないところ」、深入りしたくないところがあるかもしれません。
まとめ
取り留めのない感想の集まりになりましたが、「書けない苦しみ」を書くだけでも、何かの参考になるかもしれないと、ここにまとめます。
参考にした物語
特撮テレビドラマ
樋口祐三ほか(監督),金城哲夫ほか(脚本),1966-1967,『ウルトラマン』,TBS系列(放映局)
村石宏實ほか(監督),長谷川圭一(脚本),1996 -1997,『ウルトラマンティガ』,TBS系列(放映局)
村石宏實ほか(監督),川上英幸ほか(脚本),1997 -1998(放映期間),『ウルトラマンダイナ』,TBS系列(放映局)
アベユーイチほか(監督),長谷川圭一ほか(脚本),2013 (放映期間),『ウルトラマンギンガ』,テレビ東京系列(放映局)
坂本浩一ほか(監督),小林雄次ほか(脚本) ,2014 (放映期間),『ウルトラマンギンガS』,テレビ東京系列(放映局)
特撮映画
小中和哉(監督),長谷川圭一(脚本),1998,『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』,松竹(配給)
村石宏實(監督),長谷川圭一(脚本),2000,『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』,ソニー・ピクチャーズエンタテイメント(配給)
小説
梅原克文,1998,『二重螺旋の悪魔(上)』,角川ホラー文庫
梅原克文,1998,『二重螺旋の悪魔(下)』,角川ホラー文庫
梅原克文,1993,『二重螺旋の悪魔 上』,朝日ソノラマ
梅原克文,1993,『二重螺旋の悪魔 下』,朝日ソノラマ
梅原克文,2018,『テュポーンの楽園』,KADOKAWA
梅原克文,2010,『ソリトンの悪魔』,双葉文庫
梅原克文,1999,『カムナビ』,角川書店
梅原克文,2001,『サイファイ・ムーン』,集英社
梅原克文,2011,『心臓狩り』,角川ホラー文庫
小林泰三,2018,『ウルトラマンF』,ハヤカワ書房
テレビドラマ
鈴木吉弘ほか(プロデュース),福田靖ほか(脚本),東野圭吾(原作),2007,『ガリレオ』,フジテレビ(放映局)
牧野正ほか(プロデュース),福田靖ほか(脚本),東野圭吾(原作),2013,『ガリレオ』,フジテレビ(放映局)