旅の途中、そっと差し出されたもの
1年のほとんどをミャンマーで過ごしているので、日本に「行く」のは旅行気分だ。
日本の空港に降り立つと、肩の力がふっと抜けるような、ほっとした気持ちになる。
そして、出国の時には、少しの心残りを抱えて、3歳の息子の手をひきながら列に並ぶのだ。
入管の向こうには、エルメスの免税店が見える。出国の列に並びながら、これから暑くて虫だらけでゴミだらけのミャンマーに向かうのに、エルメスなんて一番無関係な店だな、と可笑しくなる。
また、この子と一緒にミャンマーで頑張るんだ、と息子と繋ぐ手に力を入れたその時。
眼鏡をかけた、無表情の職員さんから、不意打ちでプレゼントを貰ったのだ。
「あ、お母さん。今日誕生日ですね。おめでとうございます」
パスポートの生年月日を見た職員さんからの、一期一会のプレゼント。
そっと差し出された旅の途中の「礼遇」に、
嬉しくて、こそばゆくて、なんだか足取りが軽い。
2014年〜ミャンマー在住。IT企業を現地でやっている夫、現地のローカル幼稚園に通う3歳の息子と一緒に、日々アレコレドタバタやってます。サポート頂いたら、新しいモノコト探しに使わせて頂きたいです!