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ミャンマーとそのまわり、幸せをくれる暮らしのモノとコト_Vol.8_タイ・バンコク、ジムトンプソンのテキスタイルフレーム

ヤンゴン在住4年目、4歳男子の母のイワサマキコです。

ともすれば、バタバタと過ぎて行ってしまうミャンマー・ヤンゴンでの日常ですが、日々の暮らしに幸せをくれるモノやコトを見つけるのがささやかな楽しみです。手仕事やアンティーク、伝統工芸品が大好き。

旅先で見つけたものを日常で使うのが至上の喜び。そんな日々に幸せをくれるモノやコトをご紹介します。

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アートのある生活って、ずっと憧れていました。

しかし、自ら絵を買って飾るという事が、日本の一般家庭で育った私にはどうにもハードルが高かった。

審美眼もないし、生活の中で培われたセンスもないし、アートを飾るという事は、自分には似合わない、大それた恐れ多いもののように感じていたのです。

油絵…良し悪しも分からないしどこで買えばいいのかも分からないし、もちろん自分で描いたりも出来ない。美術館に展示してあるんですよね。お、お高いんでしょ。。というイメージ。

版画・シルクスクリーン…有名なイルカのアレ、成金ぽくてとっても苦手。もしくは秋葉原の駅前でお姉さんが無知な若者に「コーヒー一杯の値段でアートのある生活!」と騙して売りつけているものですよね。怖いよ〜!

アートポスター…一般人がアートを取り入れるなら、このあたりが手頃なラインでしょうね!
サヴィヤックのチョコレートボーイ、アンディウォーホルのバナナやトマト缶。エールフランスのキリン。手軽にアートを取り入れるならアートポスターはぴったりです。どれも、素敵だと思うのだけれど、それを飾るだけの背景や内面が自分にない気がして手を出せませんでした。
例えば「アンディウォーホルのバナナを観て、グラフィックアートの世界に進んだんだ、アンディウォーホルは僕の神なんだ!」とか、そんな人が飾るのなら良いのだけれど、私はそんな人じゃない。

「おしゃれな部屋によく飾ってあるし有名だし」という理由で取り入れるのには、いささか抵抗がある。

そんなアートポスターを安易に部屋に飾ることで、有名なものやおしゃれっぽいものに流されやすい自分の内面や、他者の美意識にひれ伏してしまう自信のなさを、日々目の当たりにするのは辛すぎる…

と、たかだかアートを取り入れるのに、面倒臭い内省やメンヘラが発動してしまって、今まで自分でアートを買って家に飾ったことはありませんでした。

時は流れ、2018年5月に我々は、ミャンマーで素敵な家に引っ越す事が出来ました。

愚連隊の家探しの記録を参照

ミャンマーでは、Fully furnishedと言って、家具や電化製品が部屋に備え付けられた状態で賃貸に出されるのが一般的です。

そして、愚連隊の家には、家具に加えて、大家さんセレクトのデコレーションも既に備え付けてあったため、生まれて初めてアートのある家に暮らせる事になりました。

大家さんがデコレーションとして備えてくれていたのは、和紙を使った着物姿の女の子の工芸や、浮世絵の女性の絵を額装したもの、アジアンな木彫りの人形や、懐中時計を模した掛け時計、着物の帯を壁にかけたもの、など。

学生時代に日本に住んでいた事があって、古いものが好きで、今はバンコク在住、というルーツを持つ大家さんらしいセレクトです。

それらの大家さんらしいデコレーションの中で、ひときわ私の目をひいたのは、寝室の壁にかけられていたアジアらしい美しい絵と、バスルームに置かれていた象の絵でした。

よくよく見てみると、それはジムトンプソンのハンカチサイズのスカーフを額装したものだったのです。

(これは、バスルームの壁にあるスペース。バスルームに飾りを置くという感覚自体が新鮮)

ジムトンプソンは、タイシルクの有名店。先日訪れたバンコクでも、アウトレットを訪れ、素敵なスカーフで目の保養をさせてもらいました。

https://www.jimthompson.com/

素敵だな、と思うデザインは沢山あったのですが、自分に似合うかというとまた別のお話。

また、1枚の絵として素敵なスカーフも、身につけた時に、せっかくの柄が隠れてしまったりする事もあります。

そんな時は、ため息をつきながらも諦めていたのですが、繰り返し目にしたいな、と思ったスカーフやハンカチは、額装してアートとして楽しむという手もあるのだな、と新たな発見となりました。

(JIM THOMPSONのロゴマークが小さく)

(南国らしい植物の柄も素敵)

(旗の模様も精巧)

絵の良し悪しは分からないけれど、身に付けるものなら、物心ついてからずうっと「これが好き!」「これはとっても私らしい」と、考えながら選び続けてきたのです。自分の心が喜ぶものへの嗅覚は、アート作品へのそれよりも、スカーフに対するそれの方がもっと鋭いのです。

大家さんのおかげで、アートのある生活への憧れが現実になりました。

今度はとびっきりの1枚のスカーフを見つけて、自分で額を選んで作ってみたいな、と、次なる夢も膨らんでいます。



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イワサマキコ
2014年〜ミャンマー在住。IT企業を現地でやっている夫、現地のローカル幼稚園に通う3歳の息子と一緒に、日々アレコレドタバタやってます。サポート頂いたら、新しいモノコト探しに使わせて頂きたいです!