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メ酒所感'24 #5(Beer Sonic リニューアルイベントとミード)

・Criollo -Brekeriet(スウェーデン・スタファンストープ) 2012年設立、スウェーデンにて3兄弟が運営するブルワリー。 オーク樽で15ヶ月の熟成・加水した3.5%のワイルドエール。尖った酸味のある林檎酢に近いような飲み口と、ブレットを思わせる酵母の香ばしさ。 密度自体は大きくないが、元のポテンシャルを思わせる凝縮感を感じられる。 参考 ・DIG THE ONLINE(https://dig-the-line-store.com/products/cri

    • メ酒所感'24 #6(香子・花風の衝撃)

      ・日日 愛山 第三酒造期 -日々醸造(京都府伏見) 日日初の愛山のみの醸造。昨年の山田錦×愛山の混醸のリリースから、楽しみにしていた一本。 鉱物や河原の濡れた石のような、硬質な香り。口に含むと、とろみを感じるテクスチャに、苦味。そしてハーブや若干のトロピカルさを感じる果実味。 非常に硬質な飲み口だが嫌な感じはせず、むしろ親しみやすさを感じる。 アイスが下の上で徐々に溶けるように、硬質な液体は苦味や酸味、 奥の方にある甘みなどを放出しながら瓦解する。 決してアッパー系ではな

      • メ酒所感'24 #4(Antelope newリリース会)

        2/9 ビアキチ基地  ・Antelope(滋賀県野洲市) ・DEEPSEEK - Honey - / バーボンバレルエイジミード バレルエイジシリーズ''DEEP SEEK'' 蜂蜜オンリー。 甘やかで濃厚な香りと、オレンジのような柑橘感。茶色く色づいた外観と甘さに、蒸留酒を思わせるほどの凝縮感。高級感に溢れる酸味と、甘みの余韻。液体としての完成度がすごく高い。DEEP SEEKシリーズだと一番好きだ。 ・DEEPSEEK - strawberry- 昨年のリリース

        • メ酒所感'24 #3(酒会①,うちゅうビール,LIBROM カカオ)

          2024 2/3 お酒会の記録と最近飲んだもの ・ 鳴海 潮騒 純米ふさこがね うすにごり生原酒 -東灘醸造(千葉県勝浦市) 初めて飲んだ、千葉の東灘醸造・鳴海(なるか)。クラフトサケとミードばかりの味の重たいお酒ばっかりの会だったので乾杯用にと選んだ。 千葉の飯米''ふさこがね''を使用したものは''寒菊''以来。 生原酒らしい元気な活性と、レモンを思わせる溌剌とした酸味。後味の苦み。ボリューム感もしっかりあり、ミドルボディくらいの味わい。 可もなく不可もなくといった酒

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          メ酒'24所感 #2(ランビックランビック、ラスプーチン)

          ・APPLE WIEN No.07-2021 -Brauerei Kemker Cultuur(ドイツ) ドイツのクラフトビール/シードルの醸造所。地元で採れる複数種のりんご(恐らく食用)、洋梨、カリンを使用し、自然発酵させたシードル。3ヶ月の樽熟成。自然発酵で醸すものが多く、ワイルドエールらしい野生感ある味わいである。 華やかな青リンゴの香りと、野生酵母由来の臭み。程よいガス感が心地よい。甘味は控えめで口内を刺激する、渾然一体となった果実の酸味が口に広がる。野生味がアク

          メ酒'24所感 #2(ランビックランビック、ラスプーチン)

          メ酒'24所感 #1(あべ、天美)

          ・ARANAMI 2023 -阿部酒造(新潟県柏崎市) 23年12月中旬ごろ購入しタイミングを伺っていたARANAMI。毎年の米の行方を占うような一本だが、相変わらずの完成度である。硬さを見せつつもやわらかい飲み口と静かな旨みは染み渡り、芯のある酸味とあと切れの良さを見せる。あべは開栓後2日目から本番だが、初日の静けさがその後の変化を示唆しているようで、何よりも雄弁だ。 6日後以降もあべの安定感は続き、本当に息が長いお酒だと思い知らされた。 ・七本鎗 シェリー樽熟成20

          メ酒'24所感 #1(あべ、天美)

          メ酒'23所感 #ベスト酒

          今年、特にしびれたお酒たち 順不同 BYは西暦 日本酒・プラタナス 貴醸酒にごり生(22BY) -笑四季酒造(滋賀県甲賀市) 一回きりの劇場シリーズや、メッセージ性の強いネーミングでお馴染みの''笑四季酒造''。何か面白い酒を探しているとき、ファーファにておすすめされたのが''プラタナス''である。 口当たりの柔らかさととろみ、心地よいテクスチャ。そして味わいは、およそ日本酒とはかけ離れた構成要素であった。蜂蜜を彷彿とさせるしっとりとしたナチュラルで深い甘みに、レモンのよ

          メ酒'23所感 #ベスト酒

          メ酒'23所感 #11(伝説と伝統と革新)

          ・haccoba × 野沢温泉蒸留所 vert -haccoba(福島県南相馬市) 今年拠点を拡大し、特約店が爆発的に増えたhaccoba。クラフトサケの中でも屈指のクオリティを誇る醸造所である。 野沢温泉蒸留所の野沢ジンの蒸留粕を共に醸造した一本。複数種のボタニカルを使用し、ここまで味わいにまとまりを出せるのは非常に素晴らしい。九日含むと感じるのは、''森林''。ジュニパーベリーだけでなく、杉のニュアンスも素晴らしく群生した木々を思わせる。青さ一つとってもさまざまな表

          メ酒'23所感 #11(伝説と伝統と革新)

          メ酒'23所感 #10(最近飲んだもの,ハッピーどぶろく,芳扇堂 たすき,)

          ・ハッピーどぶろく something happy オリエンタルホエー -ハッピー太郎醸造所(滋賀県長浜市) 初のハッピー太郎醸造所のどぶろく。チーズを作るときなどにできる副産物、ヨーグルトの上澄液としても知られるホエーと、複数種のスパイスを用いた一本。 ブラックペッパーやカルダモン、サフラワーなどを使用しまさにオリエンタルな味わい。薄荷のような清涼感とスパイシーな後味。チャービルのような青さも感じ、インドのスイーツを想わせるような、ともある様に素晴らしく新しい味わいである

          メ酒'23所感 #10(最近飲んだもの,ハッピーどぶろく,芳扇堂 たすき,)

          メ酒'23所感 #9(''でじま芳扇堂''他3本)

          ・でじま芳扇堂 -長崎県長崎市出島町 九州初のどぶろく醸造所''でじま芳扇堂'' 「醸造所&酒器うつわギャラリー」として長崎市出島に23年にオープンした。浅草の木花之醸造所 元二代目醸造長の日向勇人さんと出島出身の奥様と二人で経営する。木花之醸造所で桜餅を買った際に日向さんのことを知り、そして私と同じく福岡県宗像市の出身と分かり、今年中に訪れることを決意したのだ。 代表銘柄はどぶろくの''芳扇''と地元の果実を使用したどぶろく''たすき''、そして甘酒だ。芳扇堂は地元

          メ酒'23所感 #9(''でじま芳扇堂''他3本)

          メ酒'23所感 #8 (Antelope6種+1飲み比べ antelopeについて 他1本)

          11月1日~3日に行われたビアキチ基地の2周年イベントにて、滋賀のミードリー・Antelope8種が提供された。元々昨日行われたICCの参加者を調べていた時、haccoba,稲とアガベ,阿部やHINEMOSが名を連ねている中、Antelopeというミードリーの名を知り求めていったのがビアキチ基地だった。 マニアックなビール・シードル以外にも、翔空Lagoonやハッピー太郎などの福岡では珍しいクラフト酒も揃い角打ちができるビアキチ基地には幾度となくお世話になっている。 Ante

          メ酒'23所感 #8 (Antelope6種+1飲み比べ antelopeについて 他1本)

          メ酒'23所感 #7(妹尾さん来たル! koti brewery at ノミヤマ酒販 他3本)

          ・koti brewery 妹尾さん来たル! at ノミヤマ酒販 -koti brewery(岡山県備前市) 福岡県古賀市の素晴らしい酒屋 ノミヤマ酒販。自分の良いと思った商品を厳選して置き、生産者産との距離が非常に近いのが魅力だ。天穏・群馬泉・白隠政宗の染み渡る銘酒に始まり、森嶋・よこやま・山の壽、土壌違い・原酒で焼酎の可能性を切り開く白石酒造・天狗櫻など、実力派の蔵が揃う。無論ビールにも力を入れており、その中でも一際買い求める方が多いのが、岡山県備前市のkoti br

          メ酒'23所感 #7(妹尾さん来たル! koti brewery at ノミヤマ酒販 他3本)

          メ酒'23所感 #6(若波本醸造・酉与右衛門 秋桜 他3本)

          ・若波 本醸造 -若波酒造(福岡県大川市) 私が福岡で最も好きな酒造、若波酒造。上品な果実味、透明感、優しい味わいは唯一無二である。2023年の初め純米吟醸 糸島山田錦 生酒を飲んだ時に、一つ若波の求める酒の像がわかった気がした。定番の純米酒、7/3にでた東条山田なども追いかけて飲んだが、どれを飲んでもおいしく今年の若波は極まっている。 こちらの本醸造は若波・蜻蛉特約店でもみかけず、みかけたら即買おうと狙っていらモノであるがなんと近所の酒屋に置いていた。 ラベルを刷新して

          メ酒'23所感 #6(若波本醸造・酉与右衛門 秋桜 他3本)

          メ酒'23所感#5(moonstar150th×vertere、他4本)

          ・MOONSTAR x VERTERE セゾン/IPA -vertere(東京都西多摩郡奥多摩町) 福岡県民なら誰もが知る、久留米を代表するシューズブランド''moonstar'' moon star無くして、ブリヂストンはなかったとも言われる古くから革新的な業務体系で知られる企業だ。日常の靴だけでなく、学生時代は体育の授業で使用するシューズもmoon starだったという方は多いはず。 そんなmoon starの創業150周年を記念し、記念イベントが薬院のalso mo

          メ酒'23所感#5(moonstar150th×vertere、他4本)

          メ酒'23所感 #4(クラフトサケ,シードルとの邂逅)

          ・翔空 SAKEマルゲリータ(R4BY) -【翔空】LAGOON BREWERY(新潟県新潟市北区) 翔空の最もアイコニックな作品 SAKEマルゲリータ。その製法もさる事ながら、味わいも衝撃である。加熱され加工されたトマトと熱されたバジルの香り。まさに、イタリアンという概念そのものの味わいがする。 粒感も残るほどの赤みがかったにごりに、トマトの酸味・バジルの清涼感のアクセントが加わる。先日、愛媛のDD4Dのハラペーニョのビールを飲んだが、それよりもピザやポテトとの相性が良さ

          メ酒'23所感 #4(クラフトサケ,シードルとの邂逅)

          メ酒'23所感 #3(阿部酒造の話)

          -阿部酒造(新潟県柏崎市) ・あべ 楽風舞 純米吟醸 生(22BY) 阿部酒造との出会いは、福岡唯一の特約店、糸島の川久保酒店であった。 あべシリーズからスターシリーズ、圃場別まで取り揃えてあったが、定番の純米吟醸それも蔵のある地元のお米が良いと手に取ったのが今作である。 味わいについての前情報を一切絶った状態での、開栓直後の印象は、ひどく個性のないお酒だというもので、生の若干のガスとうすにごり、香りは穏やかを通り越してほぼない状態であった。味わいに関しても同様で、旨味も

          メ酒'23所感 #3(阿部酒造の話)