あなたが僕から高評価をもらうための方法〜Up Voteとお前の魂〜

SCP-JP著者のみなさんこんにちは! 好きなものは対人ゲームとお酒、嫌いなものは春と花粉症、街川風火です。

世間では今日もvoteを競うコンテストが開催されたりしなかったりしています。みなさん勝ちたいことですし、渾身の一作を仕上げるでしょう。コンテストは毎度そういうものですからね。

しかし、そんな虎の子をあなたが投稿したとしても、必ず高評価を得られるとは限りません。その時、こう思ったことはありませんか? 「俺の記事はめちゃくちゃ面白いのに、どうして低評価なんてするんだ。こいつは見る目がないか、俺のことが嫌いだから低評価しているに違いない」

気持ちはめちゃくちゃわかりますが、これではいけません。voteは+1、あるいは-1という数字でしかないと思っていませんか? その数字の裏には一人の人間がいて、あなたの作品を読んだ上での回答があります。そこに向き合わないと、次も同じ人から低評価をもらってしまうかもしれません。いや、向き合ってももらう時はもらいますけど、その時は仕方ないので唾吐きましょう。いっぱい。

今回このnoteでは読者としての僕の評価基準、そして作者としての僕の経験則から、どんな読者がどのように評価を決めているかを勝手に推測していきたいと思います。

推測の方はさておいても、街川風火という著者の評価基準を知っておくことで、あなたが+1を取れる可能性は一人分間違いなく増えるので、かなり有用なnoteですね! それでは本題、行ってみましょう!

Part1. voteを取れるアイデアなのか、アイデアがvoteを取れるのか

まず初めに言っておくと、このパートで作者としての僕が言えることは特にありません。僕はいわゆる「アイデア出し」が非常に苦手な著者です。代表作が『飯落の提言 - 時刻』なのは非常に象徴的ですね。"時を止める時計"なんてアイデアは非常にありふれています。

その上で(矛盾するようですが)読者として、最もvoteに結びつきやすいのがここです。軸にしているアイデアが面白ければ、他に多少粗があってもUVを押しています。


何故こうなるかを考えたのですが、自分を含めた著者側の人間はどうも「自分が書けないもの」に対して高評価を選ぶ傾向があるようです。詳しいことは後述しますが、文体やキャラクターがないことが多いSCP記事に、僕がUVをしやすいのはそういう理由でしょうね。

それを抜きにしても、面白いアイデア、特に新規性のあるものはそれだけで試合を決められる熱を帯びます。ワンタッチでゲームセットです。それさえあれば何もいりません。

対して、奇抜でないありふれたアイデアはマイナスに繋がります。詳しくは「やり尽くされたこととあなた:教育映画」に譲りますが、JPに五年以上いる人間として付け加えると、僕はもう"趣味の悪いホラー作家"という文言や、闇親方が適当にキレて終わる闇寿司ファイル、ひと月前から流行り出したネットミームでウケようとしているジョーク、「実はこの現象がクソでかい存在の生理現象/娯楽/その他もろもろでした!」というオチ、黒目や白目のホラー画像などにはかなり辟易しています。これらはすでに何個もある上、何個も低評価で消えています。なんなら僕もやろうとして消えてます。オールウェイズでオールレディな陳腐は、つねに(あるいはすでに)比較対象に勝てないことが多いです。あなたが新人ならなおのこと避けた方が良いでしょう。

しかし、アイデアはUVの最大の理由ではあっても、DVの最大の理由ではありません。僕や、あるいは他の古参著者が、「アイデアが〇〇と被っていて面白くない」という指摘をしている際は「アイデア以外も面白くないなー」ときっと思っています。単に一番指摘しやすい点がそこなだけです。人の心は常に複雑なものですね。

この項目で僕が言いたかったことは、新規性のあるアイデアを思いついた時は、小躍りしながら、しかし丁寧に扱えということです。

Part2. あなたが天才でないのなら、必ず銃を撃ちましょう

ストーリーを作るのは簡単です。ここでいう簡単とは相対評価で、「面白いアイデアを思いつく」よりははるかに簡単という意味です。絶対評価だと血反吐を吐いて作っています。

その上で評価基準として僕は、「やるべきことをやっているか」をかなり重く見ています。言い換えるなら誠実さです。

展開の作成はアイデアと違いロジックでどうにかなる部分が多いですし、そうでなくても単に経験を積めば改善されていきます。なのでストーリーラインが適当な記事には、かなり厳しくなります。

SCPなどの場合は雰囲気作りのため多少仕方ないと思いますが、ことtaleにおいては「全ての文章、シーンに意味がある」が大前提です。この「意味」とは、書き手にとってでも物語の登場人物にとってでもなく、読者にとってです。

一つ一つの場面に一貫した導線を引けていないと、最後まで読んだ読者に「なんか無意味に長えな」と思われてしまいます。2000字だろうと200000字だろうと同じことです。必ず全てのシーンで興味を引ける新情報やテーマの根幹となるワードを出しましょう。

あとオチ。「ストーリーラインでUVする」の要因はほとんどこれです。「ありふれたアイデアから予想外のオチ」などは、正直アイデアの方が強いだけなのでストーリーにはあまり含めません。アイデアの活かし方は見るけどね。どちらかと言うと欲しいのは、「よく見る情報から出てくるよく見る情報」です。良く言うと、「王道展開からの王道オチ」。

一貫して出し続けた嫌な情報が形になるモキュメンタリーホラー、少しずつ不穏になっていき最悪が訪れる胸糞記事、問題をこれまでに出た情報で鮮やかに解決するミステリ、みたいな。ありふれていると馬鹿にしては行けません。丁寧にやれば必ず味が出ます。

何より大事なのは、読者を失望させないことです。誠実であれば、そのうち結果はついてきます。

Part.3 遊んでる奴はいつだって魅力的

ストーリーとアイデアさえあれば、記事は一応形になります。それで問題ないのでしょうか?

このパート3では、僕のvote基準の幹──「小ネタ」や「文体」の話をします。つまり、ここは僕個人のこだわりで、もしかすると多数派の意見ではないかもしれません。

あなたがもし渾身のアイデアを丁寧に扱って、それでも僕からDVを喰らっている時、僕は多くの場合こう思っています。「遊びがなくて面白くない」。

余白が少なくなりがちなSCPにおいてはある程度仕方ないので、まずはtaleやGoIFにおける話になりますが……ストーリーにおける本筋、必要なことだけを直接的に書き続ける作品は、基本的にどれだけアイデアが興味深くてもDVを入れています。

特に「[主人公]は[感情]と思った」のような言葉をオチに持ってきていると、余程これまでの文脈が活きていない限りはUVしません。その感情を数千字をもってして証明するのが物語のはずで、直接書くならもうその文章だけで良くないですか?

物語とは世界を切り取る試みです。シーン一つ一つに意味はあるべきですが、それとは別に直接本筋とは関係しない、しかし切り取った世界の解像度を上げる文章は必ず増やしてください。単調な文章で守りに入らずに、比喩や間接表現やモチーフ提示でそちらから点を取りに来てください。これが僕の願いです。

Part.4 怖いのでこの章はSNSに上げないでください

もしあなたが「k_u」から始まる誰かにDVを貰っている場合、その人は多分内容とか読んでないので、交通事故に遭ったと思って気にしないでください。

最後に

この記事はあくまで僕の「文体≧アイデア>ストーリー」というvote基準を明示するものです。パート4以外役に立つとは保証できません。それでも、このnoteがあなたの助けになることを祈って。


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