【4/11】世界的スキャンダル「パナマ文章流出」、関係各国の反応は
いらっしゃいませ!
パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から約1100万点の機密金融取引文書が流出したと報じられました。
■パナマ文書とは
有力者や企業の脱税・所有隠しを可能とするタックスヘイブン(租税回避地)について記載されているようです。
当文書に記載されている人がいかに脱税・所得隠しを試みたか、その証拠となる文章です。
実は内容のほとんどは合法のようですが、エリート層の所得隠し、というのはあまり印象の良いことではないですよね。
■記載のあった著名人
流出した文章には著名人も記載されており、アイスランド前首相のグンロイグンソン氏、ウクライナのボロシェンコ大統領、FIFAのジャンニ・インファンティノ新会長の名前がありました。
また、本人ではなく、家族や友人の名前が記載されていた人もいます。英国のキャメロン首相、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席です。
■各国の反応
①中国
流出文書では、習近平国家主席など中国の新旧指導部の親戚に関連したオフショア企業の存在が判明しました。
これを受けて中国の王毅外相は中国はまずは明確な情報の把握が必要との立場を示しました。
パナマ政府が独立委員会を設置して実態調査に乗り出す方針を表明した経緯を念頭に、同国が真相を解明する取り組みを行なっていると認識していると指摘しました。
②独国
独国のショイブレ財務相はオフショア企業を通して租税回避地で取引を行なう企業に罰則を課す方法について提案を取りまとめるよう指示しました。
政府は透明性向上に向けたアクションプランの策定に着手しており、来週ワシントンで開かれる国際通貨基金(IMF)・世界銀行の春季総会でショイブレ財務相が詳細を明らかにすることを明らかにしました。
③ロシア
ロシアのプーチン大統領は記載がある友人について、不正行為には関与していないと反論しました。
汚職をでっち上げることでロシアを弱体化させようとする組織的な試みだと指摘しました。
また、記載のあった友人のロルドゥーギン氏に関しては、ロシア企業の少数株主ではあるものの「何十億ドル」も荒稼ぎしているわけではないとした上で、利益のほとんどを海外での楽器購入に充て、それをロシアの公共団体に寄付していると説明しました。
④英国
英国のキャメロン首相は亡父のオフショア信託について、権益を以前保有していたと認めました。
首相はITVニュースに対し、パナマの信託「ブレアモア」の権益を保有していたものの、首相就任前となる2010年に売却したと説明。
価値は3万ポンドほどだったといいます。
■スキャンダルの今後
徐々に内容が露呈していますが、この中でショッキングなものがでてくれば、エリート層に対して世界的に不信感が高まるでしょう。
そうなってくると世界的な政治的混乱も勃発しかねません。
しかし、このようなスキャンダルは2008年の金融危機以降、浮上しては消えていくことを繰り返しています。
それが良いか悪いかは別として、今回のスキャンダルも各国が火消しに回って終わるでしょう。
なにもなく鎮火することは表面上は良いことですが、透明性としてはどうなのか、疑問が残るところです。