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#文学フリマ京都 と #文学フリマ東京 の違い 出店考察

文学フリマ京都初参加で100冊の売り上げ

こぐま書房主宰。履歴書籍の中の人tomoです。
2024年1月14(日)文学フリマ京都に初出店してきました。
商品は既刊の履歴書籍一巻を60冊。履歴書籍二巻を60冊持ち込みました。
それに取り置き予約のみの三巻が3冊。
販売結果は一巻完売の60冊。二巻37冊。三巻3冊の
合計100冊を売り上げました。お買い上げくださった皆様有難うございました。
そして事前に告知した通り、売上の10%を日本赤十字社を通じて令和6年能登半島地震義援金に寄付いたしました。

正直売りづらかった文学フリマ京都の壁

さて、最近文学フリマの攻略が趣味になってきているtomoです。
正直、肌感では「京都文学フリマ売りにくかったなぁ」と感じました。それに文学フリマ東京と雰囲気結構違うなとも感じました。
そこで、文学フリマ東京と文学フリマ京都の違いを自分なりに考察してみました。

文学フリマ東京と文学フリマ京都で感じた違い

以下、文学フリマ東京との違いを感じたところ。
・当たり前だけど、規模が違う。
・ジャンルの偏り。小説が圧倒的に多い。
・客層。全年齢平均に満遍なくいた。
・アクセスの良さ。フラッと来た人が多かった。
・保守的な京都人。手に取ってもらうまでのハードルが高い。
・回遊率の高さ。会場を回って戻ってきてくれる人が多かった。
ではそれぞれ章分けして考えていってみましょう。

当たり前だけど、規模が違う

文学フリマ東京と京都の規模の推移を表にしてみました。
京都は年1回開催。東京は年2回開催なので、時期が近い秋の文フリ東京を比較対象としています。

文学フリマ東京・京都事務局より 公式情報引用

直近の開催だと、東京と京都の違いは3~4倍の差がありますね。
3年前の東京の文フリの規模が今年の京都の規模でした。
そりゃあ、普段東京でしか出店してなければお客さん少ないと感じてしまいますよね。さて、これらの推移に対して履歴書籍の売り上げ推移をまとめてみました。

なんと、規模数に対しての売り上げを考えると東京より京都の方が売れてるんですよね。では、何故、肌感では「京都文学フリマ売りにくかったなぁ」
と感じてしまったんでしょうか。

ジャンルの偏り。小説が圧倒的に多い。

文フリ東京に対して、文フリ京都の出店ジャンルブース数の差があるのから売れにくいのではと感じたのではないか。そう推測しました。
規模が近い2021年の文フリ東京と2024年の文フリ京都のデータを比較してみました。

公式カタログよりざっくり計算

結果、比べてみたら2021年の文フリ東京と2024年の文フリ京都のジャンル別ブース数はそんな変わりませんでした。
むしろノンフィクションのブース数は京都の方が多い。
では感じた売りづらさはなんだったのか。

客層。全年齢平均に満遍なくいた。

文フリ東京は若い人向けのイベントの印象がある。雑な言い方をするとオタク向けのイベント化している印象だ。それに対して京都は全年齢が満遍なくいた。子連れや成人の親子や年配の来場者や、出店者を多く見かけた。
更にお客さんから「みなさんは学生さんですか?」と何度も聞かれた。これは東京では起きたことがない事態だった。つまり、それだけ京都の来場者は年配が多い故の発言ではないか。ではなんで年齢に京都は年齢にバラツキがあるのかを会場の立地から考えてみた。

アクセスの良さ。フラッと来た人が多かった。

文フリ京都の会場であるみやこめっせのアクセスの良さにヒントがあるのではないか。なんと言っても東京文フリの流通センターのアクセスの悪さは有名だ。来場するのに結構気合いがいる(個人の感想です)。
そこで、数値に表すべく、東京と京都の利用客数の上位5駅からの各会場へのアクセス時間を計算してみた。

ジョルダン乗り換え案内で算出

京都みやこめっせ流石のアクセスの良さ。洛中だけはある。
東京の上位5駅は土地代が高いので、それらの駅に辿り着くまでにも乗り換えがあると予想できる。そう考えると、東京の来場者の実情は1時間前後の所要時間を必要とするのではないか。
文フリ京都では鞄も持たずに会場に来て、両手に本や無料配布物だらけの人も多く居た。それだけ、前情報もなしにフラッとくる人が多いのだろう。
更に、閉場30分前でも結構な数が売れた。ゆっくりめに目的もなく来場した人も多いのではないだろうか。これらの理由が、若者以外にも家族連れや年配の方が多い文フリ京都の理由なのではないかと推測する。
そこから逆算できる売りづらさの理由は履歴書籍は年配受け、家族受け
が悪いということだ。うん。知ってる。人生経験豊富な人にはあまり興味ない話題が多いだろう。これは後々の企画で改善していきたい。
さて、売りづらかった理由は他にも感じた。

保守的な京都人。手に取ってもらうまでのハードルが高い。

京都出身の履歴書籍のスーパー売り子のきなこ曰く
「京都人は保守的」
更に過去の文フリ京都出店経験者曰く
「京都のお客さんは見えないバリヤーがある」
文フリ大阪出店経験がある、文フリ京都初参加出店者曰く
「食いつきが大阪より悪い」
などの感想を直接耳にした。
おっしゃる通りだと思った。しかし、しかしだ。
手に取ってもらえると食いつく。東京より手に取ってもらえないけど。
文フリ京都は、お客さんの商品の吟味の時間が東京より圧倒的に長い。
その結果何が起こるかというと、セールストークもしっかり丁寧にできる。
これは、商品が良いものを作れば報われやすい環境が東京よりある
とも言えるだろう。
これはインパクト狙いの飛び道具が多い東京との最大の違いに感じた。
小説などの短時間で判断がしづらいものは京都が向いてるのではないかと感じた。その場での判断でゆっくり考える京都の人って感じだ。
面白ければ売れるのは東京も京都も変わらない。厳しい世界だ。

回遊率の高さ。会場を回って戻ってきてくれる人が多かった。

そして最後に感じた違いは、文フリ東京よりも、会場を一周回って戻ってきてくれる人が多かった。15組以上20組未満というところだろうか。
これは東京ではあり得ない。
「回ってきてまた戻ってきます」
と東京でもよく言っていただけるが、正直気遣いの断りトークだと受け取っている(自分も言うので特に批判的には思っていない)。
しかし、文フリ京都では本当に戻ってきてくれるお客様が多かった。
そこから導き出される答えは、文フリ京都では無料配布が活きる。と考えた。

正直、文フリ東京ではお客様の多さに対して、無配をばら撒く時間があったら接客に回したい。しかし、文フリ京都の規模感であれば、会場やジャンルブースを何周もしているお客様もいた。そこで、目立つ無配は有効だろう。
東京でも無配はある程度の部数目標ならば有効だと思うが、100部以上の売上を狙う場合は微妙なラインだと思っている。

履歴書籍、今後の文学フリマ京都対策

事前の告知スペースのおかげで、購入してくださったお客様も多くいらっしゃった。しかし、#文学フリマ京都のハッシュタグ自体が活発ではないので、もっと独自の宣伝を考えなければと思った。
加えて、次回は無料配布を試してみたいと思う。

#文学フリマで買った本

さて、キモい文フリ考察はさておき、買った本を紹介したい。
出店しながらも、面白そうな本に出会えるのが文フリの醍醐味の一つである。

新幹線の中

真崎さん@masaki_desuyo_

「あなたのキャリアはどこから?わたしはクビから」
「人生こなれてきたけどままならぬ」
同級生で、転職回数の多さも同じでお笑い好きなのでシンパシーを感じて文フリ前からラブコールをしていた作家さんです。本も面白い。ヤーレンズくらいボケるノンフィクションエッセイ。おすすめ。そのうち通販もあるらしい(圧力)。
以下、真崎さんの文フリnote。

あひーじょさん@ahiiijofes

「飯テロ短編集5」を購入。ブースに差し入れまで持ってきて購入してくださった。飯テロに注力した本は初めてなので読むのが楽しみな一冊である。

反パノプティコン構想さん@Anti2Panopticon

今回文フリ京都には出店してないけど、峰さそりさんとは個人的に交友があるので、無理を言って、過去に文フリ大阪で出した本を、履歴書籍と交換してもらいました。まだ一編しか読んでないけどめっちゃ良い。
正直、文フリの小説勢の実力を侮っていました。
けど、この方の文章力は本物です。今後も注目したい一人。
マジ推し。


さて、文フリエンジョイ勢のキモい振り返りnoteでした。
次回、文学フリマ東京38で会いましょう。
履歴書籍の新刊はないけど、新企画の本出します。
その名も「逸般人」乞うご期待。

デザイン中の名刺(仮)


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