27:夫以外との一夜
(写真は大洗港の牡蠣小屋にて)
夏が過ぎた。秋に入り暑くもなく寒くもなく出るには丁度いい季節。八月、九月は夫は何とか夫の理想とする「良き人」を演じようとし普段以上に怒鳴らないように気を付けている様子だったし、このころから仕事以外に空いている時間は武術などの習い事、整体関係の習い事などスキルを積む事へ視野を向けた。そして本業のパフォーマンスがコロナで減った代わりにこちらの方面にシフトしていく。それで仕事が入るのが楽しそうでもあった。とにかく体を動かしたほうが良いんだろうなと見ていて思ったので一安心だ。
私は私で出かける機会があったら出た。夫が参加せず友達と二人だけの外出でもイケるのではないかと思い誘ってもらったら誘いにのってみた。こんな状態だから自分から誘うのが気が引け二の足を踏みがちだったが、気にしないでくれる人はめちゃくちゃ嬉しい。イギリス王室展に出かける。
展示自体は写真や複製絵画が主でそこまで魅力的ではなかったが、そのあと友人とアフタヌーンティーをしてきたりとても楽しく、体のことを気にしないで普通に過ごせたので出かけるときは夫がいなくてもやっていけるなと自信を付けた。それでも段差はダメだったので手をつないで支えてもらうとか、段差の間は手荷物を持ってもらうとかしなければならず、そこには不甲斐なさを感じた。
このころ趣味でやっていたポッドキャストは頓挫していた。テーマ無しのダラダラとしたフリートークなら出来たし退院してすぐにテーマを1本収録したが、それはエジプトに関する話題で、以前のイベントでやった焼き直し。トークイベントで喋ったのと同じ内容を、ところどころ話していて意識が飛ぶので夫を聞き役に6時間かけて新たに収録し、2日かかって編集した。
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