![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35117146/rectangle_large_type_2_0f3d827cfe507a529432a32ace80f112.jpeg?width=1200)
もうすぐクリスマス
「ネコ、もうすぐクリスマスだね」
けいくんは、ねこのネコにいいました。
ネコは、おこたのよこで のんびり 毛づくろいをしながら、
「クリスマスって、なんですか?」とききました。
「えっネコ、クリスマスだよ。ほら、ツリーをたててケーキをたべてさ、サンタさんがプレゼントをもってきてくれるじゃない」
けいくんは、ネコがあまりにも ものをしらないことに、かおをあかくしていいました。そして、ここに ママがいなくてよかったとおもいました。
ねこのネコは、けいくんのねこです。犬ずきのママは、ネコがへんなことをするたびに、
「やっぱり ねこより犬のほうがいいわね」といいました。
ネコはけいくんのことばに、ちょっとくびをかしげていましたが、おもいだしました。
「あー、あの日ですね。でも、ネコはいちども プレゼントをもらったことはないですよ。それでけいくんのように、クリスマスをおぼえていないんですよ」
「えっ、うそ。ネコ、プレゼントもらったことないの? うそだよ。きょねんは、ぼく おおきなゲームだったよ。そのまえは……。
で、でもネコ、きみ すぐたべちゃうんじゃないの? いやだな、わすれっぽくて」
けいくんは、いっそう かおをあかくしていいました。
でも、そういえばと、けいくんは、きょねんまでのクリスマスをおもいだしてみました。
クリスマスの日に プレゼントをもらって はしゃいでいたネコをみたことはありません。
けいくんは、ドキンとしました。じぶんのことだけをかんがえていたのが はずかしくなりました。
どうしてサンタさんは、ネコにプレゼントをもってきてくれないのでしょうか。
「ネコ、きみ、くつした つったのかい?」
ねこのネコは、くびをふりました。
「それでだよ。くつしたをつらないから、サンタさんにはネコがいることがわからなかったんだよ。ネコ、今年は、ぼくのをかしてあげるからね、たのしみにしてるんだよ、ねっ、ネコ」
なきそうだった けいくんのかおが、パッとかがやきました。
おわり」