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歌詞を読む「盆ギリ恋歌」サザンオールスターズ

デビュー45周年を迎えたサザンオールスターズの新曲、
「盆ギリ恋歌」(ぼんぎりこいうた)
このMVがエロティックでカオス…!なかなか面白いので、ぜひ見てほしい。

桑田さんのラジオで曲が初オンエアされた時は、
茅ヶ崎ライブ開催の報もあり、
なるほど、茅ヶ崎ライブを念頭に置いた曲なんだな、という印象だった。

まだ暑さの残る9月末~10月初めに行われる茅ヶ崎ライブ。
皆で集い酔い痴れる祭り。
これまでもライブ会場に提灯が飾られたり、盆踊りのやぐらができていることがあった。
桑田佳祐さんのソロで「ハダカ DE 音頭 〜祭りだ!! Naked〜」という曲もあるしね。

桑田さんにとってライブは祭り のイメージ。
それも、カッコイイ気取ったイベントではなく、
老若男女が集い、普段のストレスを昇華させる泥臭い盆踊り!
そんな祭りに君もおいでよ!と誘う曲だ。

歌詞についても、特に読み解く内容はないシンプルなものに思えた。
しかし、配信された曲をSpotifyで繰り返し聴き、
YouTubeでMVを見続け…
♪盆ギリ盆ギリ~と、ず~~っと耳に残って、脳内でエンドレス再生され…
気になる箇所がいくつか出てきた。


「盆ギリ」は、「五木の子守唄」から。
桑田さんは昨年のソロライブツアーでも各ご当地の民謡などを歌ってくれた。

宮城ではエンヤットット!「大漁唄い込み」、
福岡では「炭坑節」、
私が観た大阪は、本当は河内音頭を歌うつもりだったんだけど、難しかった!と謝りながら「買い物ブギー」で盛り上げてくれた。

その流れでの「五木の子守唄」。
こういう軌跡を一緒に追える感覚、ファンには嬉しい。

2番では、♪おどま盆ギリ と更にはっきりと歌詞が出てくる。

「おどま」は「私たち」という意味。
子守として雇われたまだ幼い少女が、つらい奉公もお盆まで、早くお盆が来たらいいのに…と歌う内容なのだ。

これも、日々それぞれが各々の場所でがんばってストレスに耐え、ライブの日を楽しみに待つファンの気持ちと重なる。

曲中、ところどころに面白い言葉が織り込まれている。

♪ヤバない?

これは…大阪で若い子と話していると割と聞くワード。
桑田さん、誰かが話すのを聞いて、面白いとメモしたのかな…と推察。
(※news zeroでの桑田さんとの対談のこぼれ話として有働さんが、「曲作りのネタが枯渇しないのか?」の質問に桑田さんが普段の何気ない会話の中にアイディアを得ている、と話されたことを紹介してくれていました…!)

「ヤバない?」は
東京なら、「ヤバクね?」に相当するニュアンス。
「ヤバイ」の意味は多岐に渡るが、

♪怖ない?正気かい?

と続くので、本当にヤバイのだろう。
そして更に

♪誰もがやってるよ~
♪みんなに内緒だよ~

…これは一番危険な誘い文句…!
ヤバイ空気感があふれる。
だけど、セーフになるのは原さんのコーラスによる功績が大きい。

何をやってる、何がヤバイ、と主語がないのが日本語マジック。

その前の段で

♪シッポリシッポリ

があるので、推して知るべし。
そもそも祭りの夜は男女が結ばれるもの。
昔は公然と当たり前の風俗だったと聞く。

♪涙はじんじろげ

これもまぁ…なんという歌詞‼
じんじろげなんて言葉、ものすごく久しぶりに聞いたわ…。
たぶん、小学生くらいの頃に聞いた気がする。
はっきり意味はわからなかったが、大人にその意味を問うてはいけない気はしていた。
明らかに下ネタだった。

ここも原さんがコーラスをつけていることでセーフになっている。
(※コーラスは原さんの発案だそう。)
ほんと、サザンに原さんがいてくれて本当に良かったと思うわ。
MVで原さんがニコニコ笑って明るく歌ってくれているのもいい。

…しかしですよ、

♪『イクのはエクスタシー‼』

の後のじんじろげが涙…濡れているんですよ…。
えげつなくエロイ情景描写が含まれているのだけど、
たぶん、ライブで
じんじろげーー!ってみんなで歌うんだろうなぁ!

ライブといえば、

♪『Rocking On』

という歌詞が出てきたので、桑田さんが昨年出演できなかったロック・イン・ジャパン・フェスティバルに
今年はサザンで出演するのでは…と予想していたんだけど…
茅ヶ崎ライブや、メディア出演もあるだろうし、スケジュールを詰め込み過ぎないように調節してるのかなぁ。
昨年は私、ロッキンのチケット取れてたのよね…。
台風で最終日が中止になって悲しかったわ。。。

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※2024年9月21日加筆
『Rocking On』の歌詞はロック・イン・ジャパン・フェスティバルの意が含まれる、と桑田さんがラジオ「やさしい夜遊び」で話されました…!
明後日はついにロッキン最終日大トリとしてサザンが登場。
私は映画館でのライブビューイングで参加します〜!
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♪あの
サザンビーチでナンパするなら
ヨシオんとこ(夏倶楽部)でShow‼

夏倶楽部はサザンビーチの海の家。
ヨシオとは桑田さんの幼馴染、大久保義雄さん。
桑田さんの小中学校の同級生で、中学の野球部ではチームメートだったそうだ。

先日、59さまから頂いた横浜版の朝日新聞の特集記事にインタビューとお写真が載っていたが、
なんと!MVではドアップでのご出演‼迫力~~!

♪遠い…夏の…恋でした

サザンには夏の海での恋の曲はたくさんある。
愛しい天使のような彼女の幻が虹のように消え、
暗い浜辺で星を見つめながら一人、涙をこぼす…
失恋と未練を歌う、この情景、これこそがサザンとも言える。

しかし、私もそうだが、それはもう遠い想い出でしかない。
この「盆ギリ恋歌」も全編に渡って情熱的な
♪ギンギラギンギラ
な男と女の
♪愛倫情事

を歌っているのだが、最後に締めくくられる言葉は、
非常に「実際のところ」に立ち返ったもの。

若い時の話だよ、今はそんな無茶なことはできないし、しないけどね。
でも今夜はちょっとはしゃいだっていいんじゃない?
夏の熱い恋も今は想い出だけどさ、
胸の奥に静かに点る火、今夜はメラメラと燃え上がらせて。

う~~ん、聴けば聴くほど
やっぱり茅ヶ崎ライブに行きたくなるね。
ちょいと危険な夢

を見せてくれるサザンのライブ!
茅ヶ崎の会場だけでなく、全国の映画館でライブビューイングも実施されるとか…
チケット、最後まであきらめずにエントリーしようかしら。

※歌詞の意味の捉え方は人それぞれ…
美味なる多面体

サザン中心に、
歌詞から読み解ける曲世界について熱く語っています。
良かったら、読んでみてね〜!↓

音声版はこちら↓ しゃべりまくっています!
ほぼ同内容です。







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