ついに父がコロナに
これまで何とか回避してきたのに…。
コロナウイルスに、ついに捕まってしまった…。
2週間ほど前、91歳高齢の父が発熱し、
すわ、コロナか!?と焦ったがこの時は検査の結果、陰性。
しばらくして快癒したが、食欲があまり戻らないのが気になっていた。
すると、また熱があるとデイサービスから連絡が入った。
目がトロンとしていて昼食にも全く手を付けないと言う。
慌てて駆けつけたが、こんな時に限ってかかりつけ医の午後診が休みの曜日。
ケアマネさんに相談し、入院設備のあるクリニックを紹介してもらい、検査を受けると…やはり、コロナ陽性だった。
しかし、父は38℃の発熱にも自覚がなく、医師の問診にも
「私はどこも悪いところはありません!」
と元気に喋りまくる…。
ケアマネさんから高齢独居の情報を聞いていた看護師さんが先生に申し添えてくださり、
私も「入院はできませんか?」と食い下がったが、
いかんせん父本人が妙に元気な素振りを見せ、ハキハキと喋るので自宅療養になった。
仕方ない。
朝の服薬はヘルパーさんにお願いし、
私は昼と夜の服薬を担当しよう。
私自身もうつらないようにしなければ…。
自宅へ連れ帰り、スポーツドリンクを飲ませ、レトルトのおじやを食べてもらった。
すると
「うまい!」
と完食!
…あらら、元気あるじゃないの。
そして薬局でもらったコロナ特効薬
「ラゲブリオカプセル」を飲ませた。
この薬が高価だとは聞いていたが、2割負担で12000円したのには驚いた。
それでも肺炎で苦しむのは本当につらいと聞くから、父には重症化してほしくない。
もし重篤になってしまったら、高齢の父には耐える力がないだろう…。
食事と服薬を見届け、後はパジャマに着替えてベッドに寝てくれたら帰ろうと思ったが、
私を見送ろうとするので着替えようとしない。
押し問答する気力が私にもなく、早く寝てもらうためにも帰ることにした。
翌朝の服薬はヘルパーさんに入ってもらう約束だった。
父の体調が気になったが、もしも寝ているなら起こして電話口まで歩かせるのも可哀想で控えた。
すると、ヘルパーさんから私のスマホに電話が着た。
悪い予感でいっぱいになりながら、通話すると
「お父さんが玄関先で倒れています。緊急搬送しますか?」
玄関で?なぜまた玄関?
いや、ともかく倒れているなら救急車を呼んでもらおう。
「意識はあって、しゃべってらっしゃるんですが動けないみたいで…」
喋ってるのか〜〜!
身体は動けなくとも口は動く。
数年前に熱中症で倒れた時もそうだったなぁ。
ともかく私も慌てて出掛け、父の搬送と同時に病院に着くことができた。
今、コロナの病床はいっぱいになっていて、搬送先がなかなか決まらなかったから大阪市内から駆けつけた私が間に合ったとも言える。
救急の医師にも父は
「私は倒れたりしていません。元気です。」
と喋りまくるものだから、
「肺炎にもなっていないし、自宅で療養でもいいんですが…まあ、転倒してたということなので…入院しますか?」と言われ、
「入院でお願いします…!」と食い気味に返答した。
すると、しばらくして血液検査の用紙を持って医師が慌ててやって来た。
300あったらアウトなCPKの数値が一万超えという、とんでもない値を叩き出している…。
これは心筋梗塞で死にかけている人の数字らしい…。
しかし、父は心臓に異常はない。
玄関のタタキ、硬いコンクリートの上に長時間、身動きできないまま倒れていたのが原因だろうとのこと。
放置していると腎臓に負担がかかり、透析になる可能性もあるという。
…あ、これ、熱中症で前に倒れていた時と同じ状況だ、と気付いた。
かなり重篤だったけど、治ったよな…と思うと少し気が楽になった。
コロナと腎不全での入院となった父は、翌日には平熱となり、食事も完食。
歩いて部屋を出ようとして看護師さんを困らせているらしい…。
…やれやれ〜と思うと全身の力が抜けた。
ん…?なんだか喉がいがらっぽい…。
案の定、翌朝には私が発熱。
父におじやを食べさせた時、激しい咳を目の前でされ、
うわぁ…これ絶対、飛沫浴びたよなぁ…とは思ったのだ…。
コロナ陽性になったが、私も父同様2日目には熱が下がって体が動くようになった。
初日は体が泥のように重く、動けなかった。
コロナがこんなにしんどいと知っていたら父を置いて帰ったりせず、泊まって看病したのにな。
そうすれば、玄関で倒れたりもせず、腎不全のオマケまでつくこともなかっただろうに…。
今から悔いても仕方がないのだが。