知らんよを知らない

大体どんな不利益でも、自分の落ち度だと思う
理不尽という言葉を、体感としてわからない
自分のために怒っても、言い返されるか、相手にされないか、相手にされない上にヒソヒソと噂されてきた
自分が悪いと思わないと、感情の置きどころが無かった

私の能力が低いから
私が慢心していたから
私が甘えているから
私の頭がおかしいから
私が聞き漏らしていたから
私の感覚がおかしいから
私が

なんで自分が不適切な可能性を考えないんだろう
おかしいものはおかしいと誰も守ってくれないし、自分を守るために事実を歪めて責め立てられるのをやりすごす
そもそもひとと接しなければ、私は煩わされないんだ

私を大切にするのは私らしいけど、ひとから大切にされたことなんてほとんどない。だから、見様見真似で他人を大切にすることは出来ても、私を大切になんて、どうしたらいいかわからない。私を大切にしていいというのもしっくりこない。

母は自分を粗末にして母が可哀想だと言った
父は自分を大切にして私と母を邪険にした
母は父の悪口を私に言い、私を敵に回した父は私と父の会話がないのは母の仕打ちだと母を罵った

母も父のことも知らんよ

こんなこと言っても、咎められない環境に生まれたかった

知らんよの言葉ひとつで、私とあなたの間に線を引けるひとがうらやましい

知らんよと思いつつも、母に縋られれば私はホイホイと父の悪口を聞き、父に家族の業務を丸投げされたらムカつきながらも家族の業務をこなすのだ。
私は両親にとって、ペット、介護人、父母、お世話係。

ケアを提供することにしか価値をみいだされない。

だれかにひどいねと言ってほしい
だれかにつらいねと言ってほしい
いつか王子様が来て私を楽園へ連れてってほしい
楽園っていうのは、なんも提供しなくても存在して良い国だ

私が楽園を作るしかないみたいだから、知らんよで頑張って線を引きたい
こんなこと考えずに、生きたかった

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