誰かこの詩を知りませんか (尋ね人ならぬ尋ね詩)
朴の花は白い
空のお墓
そう教えてくれた
あのひとは
もういない
この町にも
あの峠にも
朴の花よ
朴の花よ
恋のお墓よ
「詩とメルヘン」サンリオ出版 編集長はやなせたかし
確か1975年夏頃の、とある号にあった詩です。
タイトルは「朴の花」であったと思います。
たぶんですが
少女だった作者が
戦死した初恋のひとを慕う、
せつない詩。
と当時の私は解釈しました。
「空のお墓」は
特攻で命を落とした若い隊員たちの小説
「雲の墓標」を連想させ
「恋のお墓」は
死ぬ必要のなかった生命を悼む、
熾火のように、消えることのない悲しみ
どなたかご存知ありませんか