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ラブミー農場は我身をいたわれ、の意味か

「楢山節考」で眩しくデビューした深沢七郎は
後年「ラブミー農場」を開いた(そこが終の住処となる)。

きっかけはカップヌードルと聞く。
お湯を注ぐと、ぶくぶく泡が出る
こんな得体の知れないものは喰えないと。

当時、人気作家を慕って
農場を訪れる人は少なからずいたようだが
まず、三日はトイレを別にされたそう。
得体の知れないものを肥やしにするわけにいかないじゃんと。
何日かかけて全てを排泄しつくしたのち
ようやく農場に入ることを許される。
農作物を育てる下肥の安心安全を守る為である。

ラブミーとは我が身を労われ、
体と脳に健全な栄養を与えよ、
のラブミーかなと思ったが、
もしかしたら深沢氏は
エルヴィス・プレスリーの大ファンなので
名曲「ラヴ・ミー・テンダー」から付けたのかもしれない。

今、日本に住む私たちの購う食料、食糧の
安心安全は果たして
だいじょうぶだろうか

小学生の時から炊事と
夕ご飯の食材の調達を任されていた私は
旬のものを選んだ。
それが最も安価で、最も栄養価が高いと
小さい時から、先生や親から教えられたから。

20年前くらいからだろうか、
旬の野菜がよくわからなくなってきた。
昨年、安いはずの夏野菜が夏に高く
年末以降、栄養価が優れているはずの冬野菜が
なんともしなびて、おいしそうに見えない。

ほんとうに滋養たっぷりの野菜は
内側から光ってみえる。
輝いていて、
重たい、つやつやしてる、ピンと張りがある。
昨年からずっと、
白菜をガン見しては、買うのを諦める。
この値段では、私には買えないのだ。

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