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雀々さんと石切さん@東高野街道

東高野街道は京都から洞ヶ峠で大阪府枚方市に入り、北河内各地を通って、生駒山地の西麓にほぼまっすぐ南北に続きます。中河内から南河内、河内長野市内で西高野街道と合流、一本の高野街道となって和歌山に向かうという壮大な街道です。

生駒西麓、東大阪市内では「石切さん」の名で親しまれている石切劔箭神社(いしきりつるぎじんじゃ)の西をかすめます。

東高野街道側から続く石切さんの参道。奥は生駒山地

「石切さん」には平日でも参拝者が後を絶ちません。

石切劔箭神社の三之鳥居。その奥が本殿。

神社から東へ、近鉄奈良線の「石切」駅に向かう参道に続くのが「石切参道商店街」です。

石切参道商店街

NHKドラマ「贋作 男はつらいよ」(2019年度、放送は2020年1月)の舞台となったのが、この石切参道商店街です。東高野街道のうち東大阪市域を歩いたのは2019年2月だったこともあり、ドラマはとても身近に感じながら楽しみました。

その「贋作 男はつらいよ」で主役を務めた、落語家の桂雀々さんが11月20日、急逝されました。64歳。早すぎます。

雀々さんの高座は、生で何度か接したことがあります。

日時は覚えていません(10年以上前)が、雀々さんの独演会に出掛けました。

忘れられないのは、その日の「上燗屋」。マクラは「米朝師匠がいかにイラチだったか」というエピソード。その時の雀々さんの面差しが米朝さんや、はたまた師匠の枝雀さんに二重写しに見え、私は笑いながらも、涙が止まりませんでした。

熱演中、観客が持ち込んでいた空き缶が、何かの拍子にコケまして、

カランカラン!

と、その音の派手なこと。雀々さん、少しも慌てず、

な、なんや?(ひっく)、こ、この店、な、なんや喧しな!

と「上燗屋」の酔い客のセリフに引き取り、噺の世界に引き付けはりました。

独演会があったのは、大阪府河内長野市内。今から思えば、東西高野街道が合流する地でした。

終演後、ロビーで著書『必死のパッチ』のサインセールを行っていた雀々さん。浴衣姿の全身から、湯気が立ち上っていました。

雀々さん、楽しい高座、「贋作 男はつらいよ」の名演技、ありがとうございました。心からご冥福をお祈りします。

「贋作 男はつらいよ」(NHKアーカイブス)
https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0009051135_00000

石切劔箭神社
https://www.ishikiri.or.jp/

石切参道商店街
https://ishikiri-sanndou.com/

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